傍観者を希望

静流

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「グレン、先程は散々ごねていなかったか?」

「全くの素人が、するのは反対だというだけです。ある程度の教育期間は、何事も必要です」

「とすると、アルフの言っていたのも同じ内容なのか?」

先程、時間が必要だと主張していたのを思い出し、話を振った。

「はい。左様で御座います。とはいえ、これに関しては我等の都合です」

暗に、私の意向なら仕方がないと匂わされ、苦笑する。
明言を妙に避け、言葉を濁していた理由がそれでは、察せなかった私の方が悪い。

「アルフらしくない言動だとは思ったが、気付かなくて迷惑をかける」

「いえ、今回ばかりは、少々例外が重なった結果です。誰の責任でもないかと」

アルフレッドの返答に、原因を思い出し、半笑を浮かべた。

確かに、王女が目を着けたのは、想定外だった。
その上、相手が悪過ぎるとは、グレンも災難だが、私も笑えない事態だ。

「あの王女殿下は、まさか此処までは押しかけませんよね?」

「それはないかと、此処は立ち入り禁止区域です。第一、陛下も許可しませんよ」

「私もアルフと同意見ですが、何故そのような疑念を?」

グレンの問いに、応えたものかと少し躊躇したが、放置するのも哀れに思える。

「宮の周りを彷徨う女性が居るそうだ。王女殿下と断定は出来ないが…関係者だろうから、詰所に連絡して保護した方がいい」

先程から精霊が、仕切りに耳元で騒いできているのだ。
と言っても、彼らの言に賛同すれば、排除するのも分かっている。
穏便に済ませるには、確保して貰った方が、後々の面倒を避けられそうだ。

「毎回のように、排除しても宜しいのでは?」

「アルフがそれを言うのか?王女殿下ならば陛下の子だぞ」

「それこそ、異なことを言われているかと。この宮は、治外法権だと陛下が許可してます。それに加え、立ち入り禁止の宮に忍び込む方が悪いのですよ」

アルフレッドの辛辣な意見に、かの王女は、よほど嫌われているのだな、と他人事ながら少々憐れに思えてくる。

それに、陛下もどれほど貶していようとも、実子には違いない。
何かあれば、禍根が残るという事は、アルフレッドとて理解しているだろう。
いったい、何を考えているのだろうかと視線を投げかけた。

「アルフ、感情は横に置いて現実的に考えてくれ。その発想は論外だ」

「まあ、それはそうでしょうね。陛下とて、内心穏やかではなくなるでしょうから、実際にやれば愚行です」

あっさりと認められ、呆気に取られる。
要は、私が賛同しないと判った上での、愚痴だったようだ。
紛らわしい行為に、私の方が精神的に疲れてくる気がした。
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