3 / 3
残り9万9998体①
しおりを挟む
残りのクローンリチャード 9万9998体
近くの村に向かおうとしたけれど、さっき倒したクローンリチャードが何か持っているんじゃないかと思い、倒したところまで戻った。
亡骸の持ち物をごそごそと漁ると、魔王城までの地図が出てきた。
地図を確認すると、1か所だけ丸を付けている部分があり、きっとこの近くの村のことだろうと思った。
地図にこの近くにある村の名前はロラモと書いてあった。
それにしても、魔王城までの道のりは険しそうだ。魔王城からロラモまではこの大陸の端から端。間に20ほども村や町がある。
ただ、ロラモから次の街はロカドという王都になるので、ロラモによったら早めに王都へ向かおうと決めた。
他にめぼしい者もなさそうだったので、地図だけもらい、今度こそロラモへ向かった。
ロラモへは本当に近く、林道を通り、15分くらいでたどり着いた。
村への入り口には人影はなく、村に入っても人影はない。
とにかく、食料などを手に入れておきたい。
「誰かいませんかーー!!?」
叫んでいるが、外には人の気配がないようだ。
もう一度よく周りを見回すと、遠くに煙突から煙のでている家があった。
その家まで行き、ドアをノックしてみた。
「……入ってきていいですよー」
家の奥から声がしたので、入ってみると、ベッドで寝ている色の白い線の細そうな青年がいた。
「私の名前はセルム。この村にはもう私しかいないというのに、あなたはどうされたんですか?」
「いきなり訪ねてきてしまい申し訳ありません。それにしてもこの村にあなたしかいないとはどういうことですか?」
「数日前の魔王軍のことについてあなたは知らないのですか?数日前、魔王軍の魔術師を名乗るものの魔法により、この大陸の生物へ向けて警告……いや挑発のようなものがあったのです」
『この大陸の全ての生物たちよ。これは魔王軍からの警告である。今しがたこの世の人間で2番目に強い者を捕らえ、実験を行い、貴様らでは到底かなわない数のクローンを私たちの配下に置いた。これから貴様らの村・街、全てを順々に滅ぼしていく。すでに私の転移魔法により、貴様らの住む集落にクローン兵を1人ないし2人を潜り込ませておる。大群も進軍させた。貴様らにはぜひあらがってゲームを楽しませてほしい。抵抗のない一方的な暴力ほどつまらないものはないからな。せいぜい1番強い者でも探すか。我こそはというものが抗ってくれることを期待している。それでは、頑張ってみるがいい。脆弱な人間どもよ』
「という魔王軍からの宣戦布告を受けて、私共の村の住民は病弱な私を除いて、全ての者が隣にある王都へと向かっていったのです。」
なるほど、この近くで倒した1人目のクローンリチャードは、もしかしたらこの村に潜入していたやつなのかもしれないな。
「その宣戦布告は理解した。なぜお前は病弱というだけで置いていかれたんだ?」
「それほどまでに、この村は弱いのです。私がいるだけで何かに出くわしたときに誰も助からないくらい。もし私が病気でなければ、そこらの冒険者よりも数段強いと自負しているのですが……」
「お前の病気を治す手段はあるのか?」
「はい……一応あります。この村からさほど遠くない場所にある湖のそばに洞窟があり、その中に私の病気も治せる万能の薬草があるにはありますが……。あそこは強い魔物が数体いて……。ってまさか、あなた一人で行くつもりですか?無茶です!それに私なんかのために行く必要ないです!」
その言葉を聞きながら、もう家の外へ向かっていた。
もし本当にセルムが強いのならば、これから先クローン兵を倒すためのの戦いに必ずセルムは必要だ。
それに何より、セルムをこのままこの村に一人でいさせるわけにはいかない。
近くの村に向かおうとしたけれど、さっき倒したクローンリチャードが何か持っているんじゃないかと思い、倒したところまで戻った。
亡骸の持ち物をごそごそと漁ると、魔王城までの地図が出てきた。
地図を確認すると、1か所だけ丸を付けている部分があり、きっとこの近くの村のことだろうと思った。
地図にこの近くにある村の名前はロラモと書いてあった。
それにしても、魔王城までの道のりは険しそうだ。魔王城からロラモまではこの大陸の端から端。間に20ほども村や町がある。
ただ、ロラモから次の街はロカドという王都になるので、ロラモによったら早めに王都へ向かおうと決めた。
他にめぼしい者もなさそうだったので、地図だけもらい、今度こそロラモへ向かった。
ロラモへは本当に近く、林道を通り、15分くらいでたどり着いた。
村への入り口には人影はなく、村に入っても人影はない。
とにかく、食料などを手に入れておきたい。
「誰かいませんかーー!!?」
叫んでいるが、外には人の気配がないようだ。
もう一度よく周りを見回すと、遠くに煙突から煙のでている家があった。
その家まで行き、ドアをノックしてみた。
「……入ってきていいですよー」
家の奥から声がしたので、入ってみると、ベッドで寝ている色の白い線の細そうな青年がいた。
「私の名前はセルム。この村にはもう私しかいないというのに、あなたはどうされたんですか?」
「いきなり訪ねてきてしまい申し訳ありません。それにしてもこの村にあなたしかいないとはどういうことですか?」
「数日前の魔王軍のことについてあなたは知らないのですか?数日前、魔王軍の魔術師を名乗るものの魔法により、この大陸の生物へ向けて警告……いや挑発のようなものがあったのです」
『この大陸の全ての生物たちよ。これは魔王軍からの警告である。今しがたこの世の人間で2番目に強い者を捕らえ、実験を行い、貴様らでは到底かなわない数のクローンを私たちの配下に置いた。これから貴様らの村・街、全てを順々に滅ぼしていく。すでに私の転移魔法により、貴様らの住む集落にクローン兵を1人ないし2人を潜り込ませておる。大群も進軍させた。貴様らにはぜひあらがってゲームを楽しませてほしい。抵抗のない一方的な暴力ほどつまらないものはないからな。せいぜい1番強い者でも探すか。我こそはというものが抗ってくれることを期待している。それでは、頑張ってみるがいい。脆弱な人間どもよ』
「という魔王軍からの宣戦布告を受けて、私共の村の住民は病弱な私を除いて、全ての者が隣にある王都へと向かっていったのです。」
なるほど、この近くで倒した1人目のクローンリチャードは、もしかしたらこの村に潜入していたやつなのかもしれないな。
「その宣戦布告は理解した。なぜお前は病弱というだけで置いていかれたんだ?」
「それほどまでに、この村は弱いのです。私がいるだけで何かに出くわしたときに誰も助からないくらい。もし私が病気でなければ、そこらの冒険者よりも数段強いと自負しているのですが……」
「お前の病気を治す手段はあるのか?」
「はい……一応あります。この村からさほど遠くない場所にある湖のそばに洞窟があり、その中に私の病気も治せる万能の薬草があるにはありますが……。あそこは強い魔物が数体いて……。ってまさか、あなた一人で行くつもりですか?無茶です!それに私なんかのために行く必要ないです!」
その言葉を聞きながら、もう家の外へ向かっていた。
もし本当にセルムが強いのならば、これから先クローン兵を倒すためのの戦いに必ずセルムは必要だ。
それに何より、セルムをこのままこの村に一人でいさせるわけにはいかない。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる