上 下
1 / 1

ちゃぼ茶のショートショート 「転生ポイントカード」

しおりを挟む
ポイントカード

一定の条件に付きポイントが付く

コンビニ、スーパー、ネットショッピング、ガソリンスタンド…

多くあるポイントカード中でもこのカードはご存じですか?

輪廻転生ポイントカード


はぁ……なるほど

俺はなんともよくわからない説明を光るドーナッツを頭に、羽が生えた生き物から説明された

つまり、このポイントカードにポイントを貯めると何かが起きるらしい

そこで

どうしたらポイントが貯まるのか尋ねると

「寿命が尽きるたびにだびに1pt!」

元気よく答えられたが…よくわからない

死ねば1ptということか

それなら…

「自殺などはダメだよ!寿命を全うしないとptは入りません!」

心を読まれたかのように突っ込まれる

それならと

ptを貯めたらどうなるんだよ?と尋ねると

「なんと好きな形で生まれ変われます!100ptで~……」

「しかも、永遠に同じ形で輪廻転籍を続けられます」

「犬なら何度死んでも犬へと…」

100pt…100回死んでようやく元の人間に戻れるのか…

ドーナッツ羽根野郎は続いてスロットを急に目の前に出した

ここまで来れば全く驚かない

「では、ルーレットを回してください!」

「揃った目のものに生まれ変わってもらいます!」

よし!チラッと見えたが

人間の目もあった

100回行く前に人間に生まれ変われるかもしれない

しかし、永遠に人間をループするにはとにかく100回だ

できれば簡単に死ぬものがいい…

例えば蟻とか…

そんなことを考えているとスロットの回転が止まる

「じゃん!お次の転生は木です!」

木…!

気づいたら俺は山の中にいた

周りには誰もおらず、同じように木が生え茂っていた

簡潔に言うとしんどい…死ぬのが

結局俺は2000年生き、聖木として崇められたあと山火事であっさり死んだ

するとまたあのスロットの前に…

ようやく1ptだ

またスロットを回す

死ぬ

回す

死ぬ

その連続だ

あれから俺は魚、野菜、石ころ、水、変なところではティッシュなんてのもあった

気づいたら鼻水で塗れて悲惨だった…

そんなこんなでようやく貯まった100pt

ついに俺は…

「ようやくだね!さて、あなたが希望する特徴は?3つまでいいよ!」

それなら!

頭が良くて、ちゃんと二足歩行で両手が使える、哺乳類(人間)にしてください!

「それでは、二度と転生はできないが、スロット見納めは良いか?良いならそこにあるボタ…」

ポッッチ!

俺はすぐにボタンを押した

俺は目を覚ました

目の前には念願の人間の世界が…転生したてだからか、体がうまく動かない

そういえば喉が渇いたなぁ…と思ったところでちょうど良く

目の前にアイスクリームを持った少年が

それはどこに売ってるの?

アイスクリームを指差しながら聞くと

少年が突然泣き出した…

おっと、申し訳ないと思い少年に近づこうとするが、目の前には檻が

少年が隔離させれているなんて…



「どうしたの泣いてるなんて」

母親がアイスクリームを持った少年をあやす

「だってこのお猿さんが…」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...