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※14話 手篭め

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「でやっ!」
「いい蹴りだ、だがもう少し隙を減らせるぞ」

魔法が使えるようになって数日、ここ最近は肉弾戦の稽古は狼のヴォルガにしてもらっている。

「まだまだ!」

俺は足払いを仕掛ける。
しかしあっさりとかわされてしまう。
そのまま起き上がり際に足をかけられて勢い余って転びそうになる。

「っと」
「んぐっ」

ヴォルガの手が伸びてきて、俺の襟を掴む。
俺は引き寄せられ、彼のモフモフに顔を突っ込む。
とてもふかふかだ。

「……男と抱き合う趣味はねぇ、早く離れろ」
「えへへ、ごめんごめん」

そう言って離れる。犬みたいにわしゃわしゃとしたらきっと物凄く怒られるんだろうな。

「だいぶ動きが良くなってきたな」
「本当!?︎ありがとう!!」
「お前は飲み込みが早い、筋もいい、基礎もしっかりしているしな」
「えへへ」

普段あのツンツンなヴォルガに褒められた。結構嬉しい。

「だが、気を抜くとすぐにこうだ」
「え?」

ヴォルガが拳を振り上げる。

「っ!!」

咄嵯に腕でガードする。
すると、鈍い音がしてそのまま吹き飛ばされる。

「うっ……痛っ……」
「咄嗟にガードする時にお前は身体が固まってダメージを殺せていないんだ」
「ずるいよヴォルガ……」
「戦闘に狡いもクソもあるか」

そう言うとヴォルガはまた構えを取る。
俺もそれを見て立ち上がる。

「行くぜ?」
「うん!」

こうして今日は日が暮れるまで訓練をするのだった。

「ただいまハロ!」
「…………」

ハロが無言でニコニコとこちらを見ている、どうしたのだろう。

「セータ、ヴォルガとの鍛錬は楽しかったかい?」
「え?うん、まぁね」
「ところで、今日の午後は何をする予定だったかな?」
「あっ」

しまった、ヴォルガとの鍛錬ですっかり忘れていたが、今日は午後からハロに魔法の練習をしてもらおうと思っていたのだ。

「あー……ハロ、その……」
「言い訳はいいよ、とりあえずそこに座りなさい」
「はい」

俺は素直に正座をした。

「全く、僕だって暇ではないんだからね?」
「はい、申し訳ありませんでした……」
「そもそも君は僕のペットなんだし、僕の方を優先すべきじゃない?」
「いや、今はもうペットでは……」
「セータ、お手」
「はい……」
「最近しっかりしてきたとはいえ君はまだ弱いんだ、そんなんじゃいつまで経ってもこの世界で安心して生きていけないよ?」
「はい」
「僕は君が心配だよ、君の事を思って言っているんだよ?」
「はい、本当にすみませんでした……」

ひたすら謝り続ける。
俺が悪いので仕方ないが、そろそろ許してほしい。でも顔を上げるのが怖い

「……なんてね、しゅんとしてるセータを見てたら虐めたくなっちゃった」
「っ……ハロ!!」

ハロが意地悪そうに笑う。
俺は危うく涙が出るところだった。

「ほら、おいで、疲れた分を回復してあげるよ」
「うん……」

そのままハロに抱き抱えられ、回復魔法をかけてもらう。
慣れてきたとはいえ、この心地よさはやはり身体がむずむずする。
このむず痒さを気にしているあまり、顔がとても近くなっていることに気がつかなかった。
しかも俺は何故だか間違えてハロにキスをしてしまった。

「ん……セータ?」
「ご、ごめっ!!魔法の時の癖で……」
「あは、欲求不満なのかな?悪い子だね」

俺はそのままハロに抱っこされた後ベッドに押し倒される。
ハロの綺麗な顔が近付いてくる。
俺は思わず目を瞑ってしまう。

「ふぅ……これでよしっと」

ハロが俺の頬をペロリと舐める

「え?」
「顔にも小さな傷があったからね、他に何か期待しちゃった?」
「いや、別に……」
「本当に?」

押し倒されたまま問答される、俺はどうされたいのか自分でもわからない。
ただわかっているのは嫌ではない、という事だけ。
それを知ってか知らずか、ハロの顔が更に近づいてきて、俺はまた目を閉じる。

「んっ」

唇に柔らかい感触を感じる。

「んんっ」

舌を入れられて口内を蹂躙される。

「んっ……んんっ……んっ」

俺はハロの背中に手を回して必死にしがみつく。しばらくハロの唇を求めた後ようやく解放され、俺は肩で息をしながら呼吸を整える。

「どうだった?」
「……」
「あはは、それは良かった」
「何も言ってない」
「だって気持ち悪かったらそういうでしょ?」
「……」

確かにそうかもしれない。でも認めたくはない、俺にそういう趣味はないのだと思いたいからだ。

「それにしても随分と積極的だったね、そんなに溜まってるの?」
「ちがっ!」
「じゃあどうして?」
「うっ……」
「ねぇ、セータ」
「……っ!知らない!!」

恥ずかしくなって俺はその場から逃げ出す。

「あっ、セータ?」

後ろでハロが何か言っているが無視だ。
そのまま自分の部屋に逃げ込み、鍵をかける。

「はぁ……はぁ……」

心臓がバクバクしている。
なんなんだ一体。今までもっと恥ずかしい事をしてきたじゃないか。

「落ち着け……」

そう呟いて深呼吸をする。
少し落ち着いてきた。

「はぁ……」

ため息をつく。
すると扉の前で詠唱が聞こえる。
心臓の音が鳴り止んだのも束の間、扉が糸もたやすく開いてしまった。
そのまま入ってきたハロに再び唇を奪われて俺は蕩けた顔になってしまう。

「あっ……ぅむっ……」
「大丈夫、怖くないよ~」

ハロが頭を撫でながら耳元で囁く。
そのまま俺は抵抗する力を失い、されるがままに服を脱がされてハロに全身を愛撫されていく。

「あっ……ああっ……やぁ……だめぇ……」
「綺麗な肌だね、セータ」

全身という全身をくまなく撫でられる。気持ちが良すぎてどうにかなってしまいそうだ。
そして、とうとう俺は気がつくと一糸纏わぬ姿になってしまった。

「可愛いよ、セータ」
「は、ハロ……」
「なーに?」
「やめて……」
「やめない」
「やめてくれ……」
「だめ♪」

ハロはいつになく楽しそうだ。でも俺はそれどころではない、今日は何故かハロをいつも以上に意識してしまう。
ペットとテイマーの関係が無くなったせいなのかはわからないが、心臓の音がうるさ過ぎる。ハロは俺を抱きしめて胸の突起を口に含む。
吸われる度に身体が跳ねる。

「あっ、ああ!!ダメッ!!」

ハロはそのまま俺を嬉しそうに押し倒し、秘部に手を伸ばす。

「もうこんなに濡れてるよ、セータは感じやすいんだね」
「やっ……」

俺は顔を真っ赤にして手で隠す。

「こらこらセータ、もっと見せてよ」
「い、嫌だ……」

そうは言うものの、どんどん俺の手の力は抜けていく。ハロはそれを見逃さず、俺の両手を頭の上で押さえつける。

「セータって結構いじられたがりさんだよね」
「そ、そんなことっ……!!」
「あるよね」

ハロが2本の指で俺の充血して膨れてしまっているあそこを弄り回す。
俺はもう何がなんだかわからず、快楽に身を委ねかけてしまっている。

「ああっ……くっ……はぁっ……!!」

そのまま俺は足をバタつかせて達してしまった。まさかハロにイかされるなんて。

「もう、セータ、出すなら言わなくちゃ、いっぱい飛び散っちゃったよ?」
「ハァ……ハァ……ごめんなさい……」

俺の身体は小刻みに震えている。
こちらの世界に来てからこうして達するのは初めてかもしれない。
頭がふわふわする。
もう冷静には考えられない。

「じゃあ今度は僕の番かな♪」

ハロがズボンと下着を脱ぐ。
そこには今まで見たこともない大きさのモノがあった。

「えっ……」
「どうしたの?」
「いいいや、なんでも」

エルフというと、とても華奢で清廉潔白なイメージがあったが、よく考えるとハロは背も高く、線は細いがどらかというと筋肉質だ。
アソコがこれくらい逞しくてもおかしくはないのだが……。

「今、失礼なこと考えてたでしょ?」
「い、いや、まさかぁ……はは……」

俺はハロに誘導されるがままに、彼のモノを愛撫する。
こうなったらヤケだ、俺はハロのを舌で包み込み、そのまま口に含んだ。

「んっ……じゅるっ……ちゅっ……はむっ……あむっ……!」
「うっ……ああっ……!セータ……っ」

そういったビデオの見よう見まねでハロを受け入れる。
彼の息遣いが少し荒くなる。どうやら気持ちがいいらしい。
珍しいハロの姿に少し気が乗ってしまい。俺は喉の奥まで使ってハロのを扱く。
苦しいけれど彼のために尽くしているという感覚がそれを完全に打ち消してしまう。
しばらくするとハロは俺の頭を引き剥がそうとしてきた、が、少し遅かったようだ。

「うっ……!セータッ!」

その瞬間、舌の上に生暖かいものが叩きつけられていく。
勢いよく注がれるそれはなんとも言い難い感覚だ。

「んぁ……」

とても沢山出されてしまった……。
俺はそれをハロの前で飲み干す。

「セータ……飲んでくれたんだね……嬉しい……けど」
「ん……?」
「……一体どこでこんな事覚えたんだい?」

ハロが眉を顰めこちらを見てくる。
前世の世界でえっちなビデオを観て学びましたなんて言うわけにはいかない。

「えぇっと……」
「ヴォルガに変なことさせられてないよね?大丈夫?」
「それはないから大丈夫」
「ふーん……」

ハロはあまり納得がいかないようだが、神秘魔法で身体を綺麗にしてくれた。
それからハロはまだまだ俺を離す気はないようで、晩ごはんから寝るまで、ほぼ彼の膝の上で過ごすのであった。
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