スライムといっしょにのんびり冒険記

蘭片

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2話、遭遇

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調査で来ていた冒険者が帰って早3日、レベル3のスキルの能力はわからないままだが、僕は冒険者になる事を決意した。

「おじちゃん、お話があります」

「ん?ああ、やっとか、ほらそこに荷物まとめてるから行ってこい、この村から王都まで1日くらいだ、たまにちゃんと帰って来るなら何にも言わねえよ」

「え、あ、うん、行ってきます」

「おう、行ってこい」

なんだろう、反対されたり感動的な別れをする予定だったんだけどな、いやまぁ、おじちゃんがそんな性格なのはいつもの事なんだけどね。
僕はおじちゃんの手伝いで貯めたお金を手に王都に向かった。

==========================================

ユートが旅立って数時間後

バリガン・マキナズおじちゃんは仕事に区切りをつけ共同墓地で酒を暮石に掛けながら酒瓶を直飲みしていた。
墓に刻まれている名はグラフトとニーナ、ユートの両親の墓だ。ユートが5歳の時に流行病で亡くなっていた。
普通ならユートは教会に預けられるのだがバリガンがユート引き取り成人するまで育てた、基本的には衣食住を与えただけだ。跡を継いでほしいという理由で引き取った訳ではなかった。ただユートの両親に返しきれないほどの恩があった。

「グラフト、ニーナ借りは返したぜ、俺の自己満足にすぎねぇかも知れないがな」

もう一度酒を暮石に掛けてグラフトはその場を後にした。

==========================================

一方、ユートは商人の馬車の後ろに乗り王都を目指していた。
時刻は昼を過ぎた頃、商人が馬を休ませるため休憩する。 ユートはそこまで疲れていなかったため近くの森に薬草を集めていた。

「あったあった、ポプカル草は…うん、こんなもんかな」

ポプカル草を小さい竹籠に半分くらい入れる。ポプカル草は初級回復ポーションの材料で森に入れば結構そこらへんに生えている。

「あとは、水があれば…」

ガサガサ…

正面の少し背の高い草が揺れる。

「ま、魔物!?」

護身用で腰につけていたナイフに手を当て警戒する。

((攻撃しないで!僕は悪いスライムじゃあないんだよ))

念話が発動する。

「え?スライム?」

ナイフから手を放すと一匹のスライムがでてくる。 
よく見ると半分溶けかけていて今にも死んでしまいそうだ。

「だ、大丈夫!?」

僕はとっさにバッグの中にある初級回復ポーションをスライムにかける。 
あれ?僕は魔物相手に何やっているんだろう?まあいいか。

「えっと…大丈夫?」

((ありがとなんだよ!   にいさん僕の言葉がわかるの?))

「うん、わかるみたい、君はどうして1匹でこんな場所に?」

スライムは5匹から10匹程度の群れで動き、文字どうり道草を食べながら移動する魔物で、基本的には森で生活しているのだが、たまに村に来て畑を荒らす事があるため農家たちの嫌われ者である。

((群れから追い出されたんだよ…))

スライム曰く、いつものように道草をみんなで食べながら移動してたら虹色に光る草を見つけ、それを食べたら知性が上がり、魔力が上がったらしい。
そしたら、群れのみんながいきなり攻撃してきて、やっとの思いで逃げてきたそうだ。

「そっか、それは大変だったね。…ねえスライムさん?」

((なんなんだよ?))

「僕と一緒に来ない?ほら、僕としてはなんで念話が使えるか気になるし、それと…」

なんかすっごく可愛い!おしゃべり出来るだけで愛着が湧いてしまった。スライムなのに!スライムなのに!

((んー…いいよ!))

スライムはぴょんぴょんバウンドしながら了承してくれる。
可愛い

「本当に!?やった!じゃあ名前を決めないとね」

何がいいかな?  んー…決まらない

「ねえスライムさん何か好きなものとかない?」

((好きなもの?あ!あれなんだよ!))

スライムは木の根元まで行き、薄紫色で赤い斑点模様があるキノコを手?に取って持ってくる。
まって、それハンミョウダケ。
ハンミョウダケは一言で言うと毒キノコである。
とある方法で調合することによって解毒薬にもなるキノコだ。
そしてスライムはハンミョウダケを体内に取り込む

((パチパチして美味しんだよ!))

ハンミョウダケは少しづつ溶けていき柄の部分だけ外に出す。

((それは不味いんだよ。他にも灰色のトゲトゲした葉っぱとか好きなんだよ!))

うん、多分それも毒だね、つまり毒が好きなのか毒…そういえば海の方で、とある魚に毒があって名前がテトル?テトロ?なんたらって名前がついたんだっけ?

「テト…テト?」

((テトー?テトー!ねえ、それ僕の名前?僕の名前?))

「え?気に入ったの?」

((テトー!!))

テトが自分の名前を連呼しながら僕の周りをぐるぐる飛び跳ねる。
はぁ可愛い…時間を忘れて見ていたい気分だ。
時間?

「やばい!馬車が行っちゃう!テト!この籠に入って!」

((わかったー))

僕は走って馬車に戻る、3台のうち2台がもう出発していた。

「はぁ…はぁ…なんとか間に合った」
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