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プロローグ
第壱話 少女が壊れるまで
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少女がゆっくりと目を覚ます。
色白の身体を全く隠すことなく、宙に浮いた状態で漂っていた。
周りは何も無い真っ暗な無の世界、星々の煌めきが瞬いて、彼女を光で包んでいる。
そんな彼女の目は虚ろで、しかし確かな意思を持って視界を宙に彷徨わせる。
もう名前は憶えていない、ただ何か役割が合って、その役割の意味も考えずに果たそうとする。
いや、覚えていないのは役割だが、この腸が煮え滾るような憎しみに関係があるのだろう。
それでも冷静でいられるのは、彼女が最早人間ではなくなってしまったからではないだろうか。
記憶の欠片、それは一方的な愛情と、それに伴って襲い狂う憎悪と嫉妬、そこから襲い狂う強姦と暴力と羞恥の嵐。
その記憶ばかりが微かに思い出され、彼女はこれが原因で死んだのだろう。
そう、彼女は死んだのだ、心も身体も。
彼女が好きな男子が多くいて、一方的な愛に応えられなかった彼等に逆恨みされ、一部の過激な者達は彼女を犯し、女子達には男子を取られた逆恨みにあらぬ尾鰭の噂が立って、彼女は天涯孤独のままに死んで行く。
そして目を覚まし、気付けば彼女はその憎悪だけを覚えて、全てを忘れ去っていた。
憎い、殺したい、けれどもただ殺すだけではつまらない、時間をかけ、幸福と言う高いところから絶望という谷底へ墜としたい。
死んだ彼女には時間は沢山ある、と言うよりも時間と言う概念が存在しない。
まずは噂をばらまこう、彼女は星々に視線を巡らせる。
そこには会ったことも見たことも無い少女達の姿が映る。
彼女達の絶望する姿が見たい、それは復讐以上の知的好奇心にも似た欲求だった。
色白の身体を全く隠すことなく、宙に浮いた状態で漂っていた。
周りは何も無い真っ暗な無の世界、星々の煌めきが瞬いて、彼女を光で包んでいる。
そんな彼女の目は虚ろで、しかし確かな意思を持って視界を宙に彷徨わせる。
もう名前は憶えていない、ただ何か役割が合って、その役割の意味も考えずに果たそうとする。
いや、覚えていないのは役割だが、この腸が煮え滾るような憎しみに関係があるのだろう。
それでも冷静でいられるのは、彼女が最早人間ではなくなってしまったからではないだろうか。
記憶の欠片、それは一方的な愛情と、それに伴って襲い狂う憎悪と嫉妬、そこから襲い狂う強姦と暴力と羞恥の嵐。
その記憶ばかりが微かに思い出され、彼女はこれが原因で死んだのだろう。
そう、彼女は死んだのだ、心も身体も。
彼女が好きな男子が多くいて、一方的な愛に応えられなかった彼等に逆恨みされ、一部の過激な者達は彼女を犯し、女子達には男子を取られた逆恨みにあらぬ尾鰭の噂が立って、彼女は天涯孤独のままに死んで行く。
そして目を覚まし、気付けば彼女はその憎悪だけを覚えて、全てを忘れ去っていた。
憎い、殺したい、けれどもただ殺すだけではつまらない、時間をかけ、幸福と言う高いところから絶望という谷底へ墜としたい。
死んだ彼女には時間は沢山ある、と言うよりも時間と言う概念が存在しない。
まずは噂をばらまこう、彼女は星々に視線を巡らせる。
そこには会ったことも見たことも無い少女達の姿が映る。
彼女達の絶望する姿が見たい、それは復讐以上の知的好奇心にも似た欲求だった。
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