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※セルジュの本心と大団円
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先に立ってドアを開けたセルジュに促され、彼の自室にミラはおずおずと入った。
先日の痴態の現場であるベッドを見つけ、慌てて目を逸らす。そしてここに座る様にと言われた二客の椅子のうちの一つにセルジュが座ると、メイドが主人と同じように座るなんて……と躊躇しながら、それでもセルジュに請われて恐々と座った。
「数日後にはこの国を発つ。その前にお前に話しておきたいことがある」
頷く。ミラは固唾を飲んでセルジュの次の言葉を待った。
「この前のことは……本当に済まなかった」
すると予想もしていなかったことが起きた。セルジュが——王族が、メイドに向かって頭を下げたのだ。
「せ、セルジュ様……! 何を……」
「酒に酔った勢いだったとはいえ、年頃の娘にあんな行為、許されるはずもない」
(ああ、そうだ、この人はこういう人なんだ)
王宮ではミラ相手に冷たい態度を取っていたとはいえ、基本的にはセルジュは身分にかかわらず他人を尊重する人間だった。王弟という高い地位を持ちながら少しもその特権をひけらかすことも振りかざすこともしない。だからこそ皆に慕われている。
彼の姉である女王は政治手腕に優れた人間だったが、それゆえに言動も厳しく場合によっては周囲との軋轢を生んだ。それをうまくとりなしていたのがセルジュだった。
他人を重んじ、自分に厳しい。そんな弟を右腕にしているからこそ自国は安定しているのだと、ミラは思い出した。
「どうか、私などに頭を下げるなど……そんなことはなさらないでください」
「許して……くれるのか」
「許すも何も、セルジュ様がお酒を召されて酔っていらっしゃったのはわかっています。あの時のことはもう何も気にしておりませんから、どうか……」
「それは、確かに酔ってはいた、酔ってはいたんだが、あの時お前に打ち明けた気持ちは本当だ……! それは忘れてもらっては困る!」
「え……?」
「もう一度言う。私は過去、すさんだ気持ちでいた時に酒場で働いていたお前に救われた。覚えてはいないだろうが、それは事実なんだ」
「そ、それは、思い出せなくて……申し訳ありません」
「いや、それはいい。私が勝手にお前を思っていただけなんだ。あの後お前の様子を見るために何度も酒場に足を運んだ、その後の病院の清掃婦の時も、仕立て屋で針仕事に精を出す姿も、全部、全部、見守ってきた」
「そ、そうなのですか……?」
なんだか雲行きが怪しい話になってきたが、セルジュの口上は止まらない。
「それだけでは満足できなくなって王宮の仕事をそれとなくお前に紹介するように仕向けたのも私だ。もう街に降りてお前の生活を断片的にのぞき見するだけでは我慢がならなかったからだ」
「セルジュ様?」
「そして王宮でお前がメイドとして働くようになり、私は狂喜乱舞した。あわよくば職権乱用をしてお前を側仕えに召し抱え、妃に迎え、二人でめくるめく新婚生活を送ろうと思っていた」
「せ、セルジュ様……!?」
内容がどんどん過激になってきた。それでも暴走したセルジュは熱っぽく語り続ける。
「だがそこでようやく私は『高すぎる』自分の地位を思い出し冷静になった。庶民出身のメイドを妃に迎えるなどという前例は無い。側室ならいざ知らず、妻となると最低でも貴族の地位は必要だ。となると姉上を始め王族や大臣たちへの根回しがいる。だがここでもう一つ問題があることに気が付いた。それが何だかわかるか」
「い、いえ……」
「お前の気持ちだ……! 私は自分が恋に舞い上がるあまり、一番大事なお前の気持ちを確認することを怠っていたのだ! そこで私は計画を立てた。まずはお前に私のことを好きになってもらう。お前が私に恋情の籠った視線を送るようになる。そして私が実は……と想いを打ち明け、晴れて私たちは両想いになる、という段取りだ!」
「ええと……」
段取りだ! と満を持して、とばかりに胸を張ったセルジュにミラに何を言ったらいいものかと、口ごもった。
「だが、お前は一向に私に恋をしなかった。他のメイドたちはやれ美しいお方だの、身分差を超えた恋がしたいだの四六時中話をしているのに。……段々とお前が憎らしくなった。まさか他に好いた相手でもいるのだろうかと嫉妬で身を焦がす夜も大いにあった。いつもお前のことを目で追った。しかし目が合えば臆病にも視線を逸らすしかなかった。……好かれたいのに、どうしていいかわからなかったんだ」
つまり、セルジュはありとあらゆる手を使って、一目惚れをした娘を自分の側に置いたものの、そこからの距離の詰め方を盛大に間違えてしまっていたのだ。
ミラはセルジュのこじれにこじれた感情の吐露に、呆然としていた。
「……その、つまり、セルジュ様は、私のことをす、好いていらっしゃる……?」
コクリと子供のように、セルジュは素直に頷いた。と、同時に、ミラははあああ……と大きなため息をついた。
「それじゃああんな風に冷たい態度を取らないでください……!」
「だってそれは……お前があまりにつれないから……」
「考えてもみてください、下級メイドが憧れこそすれ殿下と恋仲になれるなんて思うはずはないんですから!」
「そうなのか?」
「そうです!」
相手が自分に好意を持っていると確信したミラは、およそ本来では王族相手にできない言葉遣いで語気荒く答える。
「……では、正直に気持ちを打ち明けた今では? お前は私に恋心を持ってくれる可能性が多少はあるのだろうか」
「それは……」
ミラは口ごもる。これは本当に現実だろうかと、あまりに突飛な状況に本人を前にしても実感が持てなかったからだ。
「少しの望みもないのか? あの夜私にその身を預けてくれたのは……王弟相手では断れないからか?」
「それは多少は……そうです。だけど……」
「はっきり言ってくれ。私はミラのことを愛している。ずっと、ずっと前からだ。女々しくも手回しをして自分の近くに置くほどに」
「……私、本当はセルジュ様がご就寝になられた後、ここから逃げ出すつもりでした」
「どういうことだ?」
「もうセルジュ様に振り回されたくなかったんです。冷たくしたり、蛇から助けてくれたり、酔ってあんな……ご無体なことをされたり。本心が分からなくて。でもきっとただの気まぐれで、メイドだから何をしてもいいと思われてるんだって……」
メイド仲間の噂話の中で聞いたことがある。幸いなことに現在の自国の王宮ではそんなことはあり得ないが、他の国では王族は傍若無人に振舞い、身分の低い者をまるで物のように扱うと。王族に戯れに手を付けられ身ごもった娘が、手切れ金と共にお払い箱になるのはよくある話だと。
「それは違う。メイドだからと見下しているなら、早々にお前を手籠めに……ああ、いや、すまない……あまりにも下品だったな。だが手に入れるだけならすぐにでもできたんだ。だが私は……君に私のことを愛してほしかった。王族はどうしても立場が邪魔をしてほとんどが政略結婚だ。だが私の亡くなった父も母も、お互いを愛し、信頼して私と姉上を儲けた。私もいつかはそんな相手と添い遂げたい……その想いは譲れなかった」
そう言えば、前国王とお妃様はとても仲睦まじいご夫婦だったと聞いたことがある。残念ながらお二人は流行り病で命を落とし、長子だった現女王が跡を継いだのだ。
「一番大事なのはお前の気持ちだった。だがどうすれば好きになってもらえるのかが分からない。焦るがあまり……その、密偵を使ったんだ」
「へ!?」
「み、密偵……? ですか?」
「そう、密偵にお前を監視させ、日々の会話の一言一句を全て記録させた」
「はあ!?」
「すると興味深いことがわかった。メイド仲間との会話の中でお前は言った。『クールで冷たい人が好み』だと。お前好みの男になるためにどれだけ努力を重ねたことか! この旅の間も私は自分を律する為に相当に苦労したんだぞ! 馬車の向かいで可憐に座るお前を、同じ天幕で無防備に眠るお前を、蛇に噛まれ潤んだ目で私に助けを請うお前を……できることならすぐに抱きしめて口づけをしたかった。それを我慢するために頭の中でお前をどれだけ汚したか。特に天幕で見たお前の寝顔はまずかった。自分を慰めるために明け方までほとんど眠れなかったからな。……それもこれも全てお前好みの男になるための、涙ぐましい努力なんだぞ!」
ミラは顔を引きつらせた。さらっとかなり怖いことを言われたが、あまりのショックに頭に入ってこない。
目の前の男がその麗しい見た目からは想像できないほどに、じっとりとした偏執な愛情を向けていることに、今まで全く気が付いていなかったことにめまいがした。これまで散々悩んできたセルジュの態度も、まさか自分の言動が原因だったとは。
「あの……、冷たい人が好みだなんて……そ、そんなこと私……言いましたかね?」
「ああ、間違いない。冷たい男のゴミを見るような鋭い視線がたまらない、と間違いなく記録されている、ほら!」
ほら、と言ってセルジュはおもむろに手帳を取り出すと、あるページを開いてミラに見せた。細かい字がびっしりと書かれていて、そこには確かにセルジュの言ったような一文があった。会話の前後を読んでみて、ミラはああ、と思い出す。
「これは……同僚と好みの男性の話をしている時に、あんまりしつこく問いただされるものだから適当に答えたんです」
「え?」
「前に恋愛したことないから分からないって言ったらお子様ねって散々揶揄われたんで、次に同じ話題が出たら嘘でも言っておこうと思って」
「ということは……冷たい男がいいというのは」
「全くのでたらめです」
「そんな……私の努力は一体……」
そう、完全なる徒労だった。空回りに次ぐ、空回り。ミラへの執念深い愛憎がなければ、聡明なセルジュなら早々に勘違いに気が付いただろう。だが、恋は盲目とよく言ったものだ。功を焦るあまり、セルジュは自分で自分を罠の中に落としたのである。
「じゃ、じゃあ、お前の好みは一体どういう人間なんだ! この際だ、教えてくれ!」
「……好みを言えばその通りに振舞うんですか?」
「なりふり構わない私を笑うがいい! それでお前の愛が獲得できるのなら安いものだ!」
「必要ありません」
「え?」
「そのままで大丈夫ですから」
「そのままとはどういうことだ、冷たい男のままということか?」
しつこく食い下がるセルジュに、やきもきしたようにミラは答える。
「ああもう……! 違います! その、情けなくて空回りする、そのままのセルジュ様でいいんですって……! ……正直、まだ全然信じられないです。恐れ多くも王族の方が、私みたいな庶民を愛しておられるなんて。出来の悪い恋愛小説みたいなこと。だけどこうやって目の前で相対して話して、それが嘘でも冗談でもないことはわかりました。……さっきも言いましたが、これ以上セルジュ様に振り回されたくなかったんです。また冷たい態度を取られることに、私はもう耐えられなかった。だから逃げてこの国に残って暮らそうと思ったんです。離れれば、切ない想いをしなくて済むと……そう思って」
そこまでミラが言うと、セルジュは今までに誰も見たことのない表情を浮かべていた。感動、困惑、喜び……そんな顔だ。
「つまり、お前も私を好いていると……そう考えていいんだろうか?」
「……はい。私、自分でもいつの間にか……セルジュ様を好きになっていたみたいです」
「ああ……ミラ……!」
感極まったように、セルジュは腕を広げてミラをがばりと抱きしめた。
「うっ……せ、セルジュ様……苦し……!」
「そうと決まればグズグズしてはいられない! 帰国したらすぐに姉上に報告をして、大臣に手回しを……! 婚儀のドレスの仕立ても早い方がいいな。今のうちに職人に最高級の生地を集めておくように手配をしなければ。ミラは明るい色が良く似合うからな……手染めの布に刺繍を施し……」
この人はこんなにもよく喋る人だったのかと、ミラはあっけにとられつつ彼の腕の中で苦笑いした。
「そんなことよりも先に、することがあるんじゃないですか?」
「先にすること? ああ、婚儀への招待客のリストアップも……あいつは呼ばないでおこう、この国の皇太子だ。あいつは私のミラに対して馴れ馴れしいにもほどがある……!」
「違いますって! ……もう、ほら!」
ミラは自身の唇を指さした。
「愛を囁きながら口づけを。それが正しい求婚の仕方ですよ」
その後帰国したセルジュはありとあらゆる障害をものともせずミラを妻に迎えた。
女王は不正を嫌う清廉潔白な弟が阿漕な手を使ってまで庶民のメイドを妻に迎えたことに驚いている様子だった。だが弟と同じくさほど身分に頓着がないのか、それとも弟の選んだ伴侶なら間違いないと信頼しているのか、反対はされなかった。
「皆は誤解をしているがセルジュはあれでかなり面倒な男だからな。結婚したら苦労するぞ。他の男と口を聞こうものなら部屋に閉じ込め出してはもらえないだろうからな。愛情が深い分、執念も深いんだあいつは」
(セルジュ様なら、やりかねない……)
そう言って笑う女王の言葉を、ミラは冗談だとは思えず密かに背筋を凍らせた。
——とある国の王弟は、最近愛しの妃を迎えて上機嫌だ。
「ミラ! 仕事は全部済ませたぞ……! 今夜は私の部屋に来るように」
「ええと……殿下、昨日とその前もさらにその前の日も、その……私たちは『仲良く』してしまっておりますので、今日くらいはお互いに別の部屋で休みませんか?」
王弟の妃……ミラはうんざりとした顔を隠さずに言った。だがそれで引き下がる夫ではないことを、彼女は嫌と言う程わかっている。
「何を言う! 日中は公務で忙しく、ミラと過ごす時間は無いに等しいんだぞ! 夜くらい夫婦水入らずで過ごさなければ」
「ですからあの……、こ、腰が痛くて」
「ん? ……ああ……そうかそうかすまない。昨日もその前も無理をさせてしまったからなあ……。そうだ、では今日はミラが私の上に……」
「セルジュ!」
調子に乗るなとばかりにミラは夫の名前を呼びながら、その胸元に本気の拳をぶつけた。だがセルジュは打たれた箇所を撫でながらニマリと笑う。
「うっ……いい拳だ……ミラが私にそれほどまでに心を開いてくれていると分かって、痛みでさえも愛おしいよ」
「はあ……もう……」
「君は動かなくていいんだ、そうしなくてもお互い快くなれる体制を書物で調べた!」
「もう! そうやって何でもかんでも本を鵜吞みにしないで下さい!」
叱られてなお、セルジュは営みについては譲歩をしなかった。結局今日もミラは彼にされるがままに体を預ける羽目になるのだった。
「ミラは本当にここが好きだなあ。私もここをいじめるのが好きだよ。健気に膨らんでなんとも愛おしい」
「ああっ……駄目です……! そこばかりっ……んあっ」
ミラの下半身にある弱点……濡れそぼった突起を舌で散々に嬲りながら、セルジュはにんまりと笑った。互いの想いが通じ合ってから何度となく体を重ねたが、セルジュは妻の体に未だ飽きることが無く、それどころか日ごと欲望は増大しているようだった。
それに付き合わされるミラは哀れにも、ある時は声を枯らし、ある時は一日中ベッドの上から立てないほどになることもあった。
「何度抱いても、その都度新鮮な気持ちになる。一体どこまで私を夢中にさせたら気が済むんだ……!」
「あああっ……! そんな……っ、激しいっ……」
妻の両手を引いて後ろから挿入したセルジュは、すっかり自分になじんだ穴をこれでもかと激しく蹂躙する。がくがくと揺さぶられながら、ミラはただひたすらに与えられる快楽に喘ぐことしかできなかった。
妻を迎えてからも、変わらずセルジュは賢明で優れた為政者だ。これからも女王の右腕として、国を末永く統治していくことだろう。
ただ公務が終わり二人きりになると、王弟殿下は普段の優美な姿とは打って変わって最愛の妻のことを彼女が困り果てるほどぐずぐずに溺愛するのであった。
――彼がただの庶民の娘一人を手に入れるため、盛大な遠回りと空回りをしたこと。
それは妻であるミラしか知らない。
◇
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ポイント・しおり・感想、とても励みになります!
先日の痴態の現場であるベッドを見つけ、慌てて目を逸らす。そしてここに座る様にと言われた二客の椅子のうちの一つにセルジュが座ると、メイドが主人と同じように座るなんて……と躊躇しながら、それでもセルジュに請われて恐々と座った。
「数日後にはこの国を発つ。その前にお前に話しておきたいことがある」
頷く。ミラは固唾を飲んでセルジュの次の言葉を待った。
「この前のことは……本当に済まなかった」
すると予想もしていなかったことが起きた。セルジュが——王族が、メイドに向かって頭を下げたのだ。
「せ、セルジュ様……! 何を……」
「酒に酔った勢いだったとはいえ、年頃の娘にあんな行為、許されるはずもない」
(ああ、そうだ、この人はこういう人なんだ)
王宮ではミラ相手に冷たい態度を取っていたとはいえ、基本的にはセルジュは身分にかかわらず他人を尊重する人間だった。王弟という高い地位を持ちながら少しもその特権をひけらかすことも振りかざすこともしない。だからこそ皆に慕われている。
彼の姉である女王は政治手腕に優れた人間だったが、それゆえに言動も厳しく場合によっては周囲との軋轢を生んだ。それをうまくとりなしていたのがセルジュだった。
他人を重んじ、自分に厳しい。そんな弟を右腕にしているからこそ自国は安定しているのだと、ミラは思い出した。
「どうか、私などに頭を下げるなど……そんなことはなさらないでください」
「許して……くれるのか」
「許すも何も、セルジュ様がお酒を召されて酔っていらっしゃったのはわかっています。あの時のことはもう何も気にしておりませんから、どうか……」
「それは、確かに酔ってはいた、酔ってはいたんだが、あの時お前に打ち明けた気持ちは本当だ……! それは忘れてもらっては困る!」
「え……?」
「もう一度言う。私は過去、すさんだ気持ちでいた時に酒場で働いていたお前に救われた。覚えてはいないだろうが、それは事実なんだ」
「そ、それは、思い出せなくて……申し訳ありません」
「いや、それはいい。私が勝手にお前を思っていただけなんだ。あの後お前の様子を見るために何度も酒場に足を運んだ、その後の病院の清掃婦の時も、仕立て屋で針仕事に精を出す姿も、全部、全部、見守ってきた」
「そ、そうなのですか……?」
なんだか雲行きが怪しい話になってきたが、セルジュの口上は止まらない。
「それだけでは満足できなくなって王宮の仕事をそれとなくお前に紹介するように仕向けたのも私だ。もう街に降りてお前の生活を断片的にのぞき見するだけでは我慢がならなかったからだ」
「セルジュ様?」
「そして王宮でお前がメイドとして働くようになり、私は狂喜乱舞した。あわよくば職権乱用をしてお前を側仕えに召し抱え、妃に迎え、二人でめくるめく新婚生活を送ろうと思っていた」
「せ、セルジュ様……!?」
内容がどんどん過激になってきた。それでも暴走したセルジュは熱っぽく語り続ける。
「だがそこでようやく私は『高すぎる』自分の地位を思い出し冷静になった。庶民出身のメイドを妃に迎えるなどという前例は無い。側室ならいざ知らず、妻となると最低でも貴族の地位は必要だ。となると姉上を始め王族や大臣たちへの根回しがいる。だがここでもう一つ問題があることに気が付いた。それが何だかわかるか」
「い、いえ……」
「お前の気持ちだ……! 私は自分が恋に舞い上がるあまり、一番大事なお前の気持ちを確認することを怠っていたのだ! そこで私は計画を立てた。まずはお前に私のことを好きになってもらう。お前が私に恋情の籠った視線を送るようになる。そして私が実は……と想いを打ち明け、晴れて私たちは両想いになる、という段取りだ!」
「ええと……」
段取りだ! と満を持して、とばかりに胸を張ったセルジュにミラに何を言ったらいいものかと、口ごもった。
「だが、お前は一向に私に恋をしなかった。他のメイドたちはやれ美しいお方だの、身分差を超えた恋がしたいだの四六時中話をしているのに。……段々とお前が憎らしくなった。まさか他に好いた相手でもいるのだろうかと嫉妬で身を焦がす夜も大いにあった。いつもお前のことを目で追った。しかし目が合えば臆病にも視線を逸らすしかなかった。……好かれたいのに、どうしていいかわからなかったんだ」
つまり、セルジュはありとあらゆる手を使って、一目惚れをした娘を自分の側に置いたものの、そこからの距離の詰め方を盛大に間違えてしまっていたのだ。
ミラはセルジュのこじれにこじれた感情の吐露に、呆然としていた。
「……その、つまり、セルジュ様は、私のことをす、好いていらっしゃる……?」
コクリと子供のように、セルジュは素直に頷いた。と、同時に、ミラははあああ……と大きなため息をついた。
「それじゃああんな風に冷たい態度を取らないでください……!」
「だってそれは……お前があまりにつれないから……」
「考えてもみてください、下級メイドが憧れこそすれ殿下と恋仲になれるなんて思うはずはないんですから!」
「そうなのか?」
「そうです!」
相手が自分に好意を持っていると確信したミラは、およそ本来では王族相手にできない言葉遣いで語気荒く答える。
「……では、正直に気持ちを打ち明けた今では? お前は私に恋心を持ってくれる可能性が多少はあるのだろうか」
「それは……」
ミラは口ごもる。これは本当に現実だろうかと、あまりに突飛な状況に本人を前にしても実感が持てなかったからだ。
「少しの望みもないのか? あの夜私にその身を預けてくれたのは……王弟相手では断れないからか?」
「それは多少は……そうです。だけど……」
「はっきり言ってくれ。私はミラのことを愛している。ずっと、ずっと前からだ。女々しくも手回しをして自分の近くに置くほどに」
「……私、本当はセルジュ様がご就寝になられた後、ここから逃げ出すつもりでした」
「どういうことだ?」
「もうセルジュ様に振り回されたくなかったんです。冷たくしたり、蛇から助けてくれたり、酔ってあんな……ご無体なことをされたり。本心が分からなくて。でもきっとただの気まぐれで、メイドだから何をしてもいいと思われてるんだって……」
メイド仲間の噂話の中で聞いたことがある。幸いなことに現在の自国の王宮ではそんなことはあり得ないが、他の国では王族は傍若無人に振舞い、身分の低い者をまるで物のように扱うと。王族に戯れに手を付けられ身ごもった娘が、手切れ金と共にお払い箱になるのはよくある話だと。
「それは違う。メイドだからと見下しているなら、早々にお前を手籠めに……ああ、いや、すまない……あまりにも下品だったな。だが手に入れるだけならすぐにでもできたんだ。だが私は……君に私のことを愛してほしかった。王族はどうしても立場が邪魔をしてほとんどが政略結婚だ。だが私の亡くなった父も母も、お互いを愛し、信頼して私と姉上を儲けた。私もいつかはそんな相手と添い遂げたい……その想いは譲れなかった」
そう言えば、前国王とお妃様はとても仲睦まじいご夫婦だったと聞いたことがある。残念ながらお二人は流行り病で命を落とし、長子だった現女王が跡を継いだのだ。
「一番大事なのはお前の気持ちだった。だがどうすれば好きになってもらえるのかが分からない。焦るがあまり……その、密偵を使ったんだ」
「へ!?」
「み、密偵……? ですか?」
「そう、密偵にお前を監視させ、日々の会話の一言一句を全て記録させた」
「はあ!?」
「すると興味深いことがわかった。メイド仲間との会話の中でお前は言った。『クールで冷たい人が好み』だと。お前好みの男になるためにどれだけ努力を重ねたことか! この旅の間も私は自分を律する為に相当に苦労したんだぞ! 馬車の向かいで可憐に座るお前を、同じ天幕で無防備に眠るお前を、蛇に噛まれ潤んだ目で私に助けを請うお前を……できることならすぐに抱きしめて口づけをしたかった。それを我慢するために頭の中でお前をどれだけ汚したか。特に天幕で見たお前の寝顔はまずかった。自分を慰めるために明け方までほとんど眠れなかったからな。……それもこれも全てお前好みの男になるための、涙ぐましい努力なんだぞ!」
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「あの……、冷たい人が好みだなんて……そ、そんなこと私……言いましたかね?」
「ああ、間違いない。冷たい男のゴミを見るような鋭い視線がたまらない、と間違いなく記録されている、ほら!」
ほら、と言ってセルジュはおもむろに手帳を取り出すと、あるページを開いてミラに見せた。細かい字がびっしりと書かれていて、そこには確かにセルジュの言ったような一文があった。会話の前後を読んでみて、ミラはああ、と思い出す。
「これは……同僚と好みの男性の話をしている時に、あんまりしつこく問いただされるものだから適当に答えたんです」
「え?」
「前に恋愛したことないから分からないって言ったらお子様ねって散々揶揄われたんで、次に同じ話題が出たら嘘でも言っておこうと思って」
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「全くのでたらめです」
「そんな……私の努力は一体……」
そう、完全なる徒労だった。空回りに次ぐ、空回り。ミラへの執念深い愛憎がなければ、聡明なセルジュなら早々に勘違いに気が付いただろう。だが、恋は盲目とよく言ったものだ。功を焦るあまり、セルジュは自分で自分を罠の中に落としたのである。
「じゃ、じゃあ、お前の好みは一体どういう人間なんだ! この際だ、教えてくれ!」
「……好みを言えばその通りに振舞うんですか?」
「なりふり構わない私を笑うがいい! それでお前の愛が獲得できるのなら安いものだ!」
「必要ありません」
「え?」
「そのままで大丈夫ですから」
「そのままとはどういうことだ、冷たい男のままということか?」
しつこく食い下がるセルジュに、やきもきしたようにミラは答える。
「ああもう……! 違います! その、情けなくて空回りする、そのままのセルジュ様でいいんですって……! ……正直、まだ全然信じられないです。恐れ多くも王族の方が、私みたいな庶民を愛しておられるなんて。出来の悪い恋愛小説みたいなこと。だけどこうやって目の前で相対して話して、それが嘘でも冗談でもないことはわかりました。……さっきも言いましたが、これ以上セルジュ様に振り回されたくなかったんです。また冷たい態度を取られることに、私はもう耐えられなかった。だから逃げてこの国に残って暮らそうと思ったんです。離れれば、切ない想いをしなくて済むと……そう思って」
そこまでミラが言うと、セルジュは今までに誰も見たことのない表情を浮かべていた。感動、困惑、喜び……そんな顔だ。
「つまり、お前も私を好いていると……そう考えていいんだろうか?」
「……はい。私、自分でもいつの間にか……セルジュ様を好きになっていたみたいです」
「ああ……ミラ……!」
感極まったように、セルジュは腕を広げてミラをがばりと抱きしめた。
「うっ……せ、セルジュ様……苦し……!」
「そうと決まればグズグズしてはいられない! 帰国したらすぐに姉上に報告をして、大臣に手回しを……! 婚儀のドレスの仕立ても早い方がいいな。今のうちに職人に最高級の生地を集めておくように手配をしなければ。ミラは明るい色が良く似合うからな……手染めの布に刺繍を施し……」
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「そんなことよりも先に、することがあるんじゃないですか?」
「先にすること? ああ、婚儀への招待客のリストアップも……あいつは呼ばないでおこう、この国の皇太子だ。あいつは私のミラに対して馴れ馴れしいにもほどがある……!」
「違いますって! ……もう、ほら!」
ミラは自身の唇を指さした。
「愛を囁きながら口づけを。それが正しい求婚の仕方ですよ」
その後帰国したセルジュはありとあらゆる障害をものともせずミラを妻に迎えた。
女王は不正を嫌う清廉潔白な弟が阿漕な手を使ってまで庶民のメイドを妻に迎えたことに驚いている様子だった。だが弟と同じくさほど身分に頓着がないのか、それとも弟の選んだ伴侶なら間違いないと信頼しているのか、反対はされなかった。
「皆は誤解をしているがセルジュはあれでかなり面倒な男だからな。結婚したら苦労するぞ。他の男と口を聞こうものなら部屋に閉じ込め出してはもらえないだろうからな。愛情が深い分、執念も深いんだあいつは」
(セルジュ様なら、やりかねない……)
そう言って笑う女王の言葉を、ミラは冗談だとは思えず密かに背筋を凍らせた。
——とある国の王弟は、最近愛しの妃を迎えて上機嫌だ。
「ミラ! 仕事は全部済ませたぞ……! 今夜は私の部屋に来るように」
「ええと……殿下、昨日とその前もさらにその前の日も、その……私たちは『仲良く』してしまっておりますので、今日くらいはお互いに別の部屋で休みませんか?」
王弟の妃……ミラはうんざりとした顔を隠さずに言った。だがそれで引き下がる夫ではないことを、彼女は嫌と言う程わかっている。
「何を言う! 日中は公務で忙しく、ミラと過ごす時間は無いに等しいんだぞ! 夜くらい夫婦水入らずで過ごさなければ」
「ですからあの……、こ、腰が痛くて」
「ん? ……ああ……そうかそうかすまない。昨日もその前も無理をさせてしまったからなあ……。そうだ、では今日はミラが私の上に……」
「セルジュ!」
調子に乗るなとばかりにミラは夫の名前を呼びながら、その胸元に本気の拳をぶつけた。だがセルジュは打たれた箇所を撫でながらニマリと笑う。
「うっ……いい拳だ……ミラが私にそれほどまでに心を開いてくれていると分かって、痛みでさえも愛おしいよ」
「はあ……もう……」
「君は動かなくていいんだ、そうしなくてもお互い快くなれる体制を書物で調べた!」
「もう! そうやって何でもかんでも本を鵜吞みにしないで下さい!」
叱られてなお、セルジュは営みについては譲歩をしなかった。結局今日もミラは彼にされるがままに体を預ける羽目になるのだった。
「ミラは本当にここが好きだなあ。私もここをいじめるのが好きだよ。健気に膨らんでなんとも愛おしい」
「ああっ……駄目です……! そこばかりっ……んあっ」
ミラの下半身にある弱点……濡れそぼった突起を舌で散々に嬲りながら、セルジュはにんまりと笑った。互いの想いが通じ合ってから何度となく体を重ねたが、セルジュは妻の体に未だ飽きることが無く、それどころか日ごと欲望は増大しているようだった。
それに付き合わされるミラは哀れにも、ある時は声を枯らし、ある時は一日中ベッドの上から立てないほどになることもあった。
「何度抱いても、その都度新鮮な気持ちになる。一体どこまで私を夢中にさせたら気が済むんだ……!」
「あああっ……! そんな……っ、激しいっ……」
妻の両手を引いて後ろから挿入したセルジュは、すっかり自分になじんだ穴をこれでもかと激しく蹂躙する。がくがくと揺さぶられながら、ミラはただひたすらに与えられる快楽に喘ぐことしかできなかった。
妻を迎えてからも、変わらずセルジュは賢明で優れた為政者だ。これからも女王の右腕として、国を末永く統治していくことだろう。
ただ公務が終わり二人きりになると、王弟殿下は普段の優美な姿とは打って変わって最愛の妻のことを彼女が困り果てるほどぐずぐずに溺愛するのであった。
――彼がただの庶民の娘一人を手に入れるため、盛大な遠回りと空回りをしたこと。
それは妻であるミラしか知らない。
◇
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ポイント・しおり・感想、とても励みになります!
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