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第3話:算術奇譚
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さてアリスが見つけた村で使っていた暗号の作者はヴィジュネルであった。
アリスはヴィジュネル暗号の攻撃方法を公開すべきかどうか悩んでいた。
開発者本人に伝えるのはいいかもしれないが、方法をほかの人に見られて拡散するかもしれないし、
それを考えると何より皇帝が怒るかもしれない。
このまま黙っていようか?
アリスは自分も強い暗号が作れるのではないか、と試しに暗号らしきものを作ってみたのだ。
アリスは数秘術を使い、新しい暗号を作れるかどうかを確かめたかった。
ヴィジュネル暗号は皇帝ロマーニャのお墨付きの安全な暗号であったので、これが解読できたと知られると大騒ぎになる。
アリスの暗号はまず魔法陣の作り方から始まるのだった。
魔法陣とは数秘術の世界では数字が行と列に整然と並んだ四角形のことを指していた。
白魔法陣と黒魔法陣は互いに正反対の性質を持っていてかけると0になってしまう。
これをヴィジュネル方陣のように黒魔法陣を使って暗号を作ろうと考えたのだ。
アリスが考えた方法も弱い暗号かもしれない。
素人の暗号使いも居るのだが、彼らの多くは偽物であり、通称ガマの油と言われていた。
物直しの技の魔法陣を右からメッセージにかけたときと、また左からかけたとき、それらがどういう意味で違っているのだろうか?
左からかけてうまくいくのは、それが暗号同士を足すだけで済むからだが、右からかけるとそれはもはや復号できない数列になってしまうようだった。
やっぱり思い付きはよくない。
この失敗を教訓に、まず守りの数秘術という本を図書館でちゃんと読んで勉強しなければならないとアリスは思った。
ビジュネル暗号が解読できるという話は、黙っていよう。
このまま何もしなくても暗号を解読する方法があるというのは私のせいではないし、代わりになる方法がないのに言っても混乱するだけだと思った。
アリスが勉強をするために図書館に行ってみると、村の外れにある修道院の僧侶アルルが来ていた。
アルルがアリスに気がつくと、アリスが持っている本を見て、
「あれ?君も数秘術を調べに来たの?」
といった。アリスは言いにくそうに答えた。
「そうなんだけど、アルルに会うとは思わなかったわ。ちょっと悩みを抱えていて、図書館に来れば分かると思って。」
と、自分の暗号の失敗について話し始めた。
モノ直しの技と守りの数秘術を使って新しい暗号を作ろうとしたけどだめだったと話した。
それと、その原因である魔法陣が暗号として機能しなくなる理由も説明した。
アルルは少し考えてこう言った。
「確かに列を足すのは無理があるけど、列の向きを変えて行にしたら右からかけてもうまくいくかもしれないね」
おお、すごいわアルル。ちょっと考えただけでそんなことを思いつくなんてさすがだわ。
確かに縦はモノ直しの術、横が連立数秘術になっているわ。
修道院で密使から受け取る暗号を毎日解読してるんでしょう?
もっと教えてよ、数秘術のこと。
だめだめ、ここから先は立ち入り禁止。
なんで?
一子相伝だから。それに院長は女の子には近づくなって言われているんだ。
あっそ。
わかったわ、ここから先は自分で考えることにする。
アルルまたね。
さて、アリスの暗号はどうなるのでしょうか。
アリスはヴィジュネル暗号の攻撃方法を公開すべきかどうか悩んでいた。
開発者本人に伝えるのはいいかもしれないが、方法をほかの人に見られて拡散するかもしれないし、
それを考えると何より皇帝が怒るかもしれない。
このまま黙っていようか?
アリスは自分も強い暗号が作れるのではないか、と試しに暗号らしきものを作ってみたのだ。
アリスは数秘術を使い、新しい暗号を作れるかどうかを確かめたかった。
ヴィジュネル暗号は皇帝ロマーニャのお墨付きの安全な暗号であったので、これが解読できたと知られると大騒ぎになる。
アリスの暗号はまず魔法陣の作り方から始まるのだった。
魔法陣とは数秘術の世界では数字が行と列に整然と並んだ四角形のことを指していた。
白魔法陣と黒魔法陣は互いに正反対の性質を持っていてかけると0になってしまう。
これをヴィジュネル方陣のように黒魔法陣を使って暗号を作ろうと考えたのだ。
アリスが考えた方法も弱い暗号かもしれない。
素人の暗号使いも居るのだが、彼らの多くは偽物であり、通称ガマの油と言われていた。
物直しの技の魔法陣を右からメッセージにかけたときと、また左からかけたとき、それらがどういう意味で違っているのだろうか?
左からかけてうまくいくのは、それが暗号同士を足すだけで済むからだが、右からかけるとそれはもはや復号できない数列になってしまうようだった。
やっぱり思い付きはよくない。
この失敗を教訓に、まず守りの数秘術という本を図書館でちゃんと読んで勉強しなければならないとアリスは思った。
ビジュネル暗号が解読できるという話は、黙っていよう。
このまま何もしなくても暗号を解読する方法があるというのは私のせいではないし、代わりになる方法がないのに言っても混乱するだけだと思った。
アリスが勉強をするために図書館に行ってみると、村の外れにある修道院の僧侶アルルが来ていた。
アルルがアリスに気がつくと、アリスが持っている本を見て、
「あれ?君も数秘術を調べに来たの?」
といった。アリスは言いにくそうに答えた。
「そうなんだけど、アルルに会うとは思わなかったわ。ちょっと悩みを抱えていて、図書館に来れば分かると思って。」
と、自分の暗号の失敗について話し始めた。
モノ直しの技と守りの数秘術を使って新しい暗号を作ろうとしたけどだめだったと話した。
それと、その原因である魔法陣が暗号として機能しなくなる理由も説明した。
アルルは少し考えてこう言った。
「確かに列を足すのは無理があるけど、列の向きを変えて行にしたら右からかけてもうまくいくかもしれないね」
おお、すごいわアルル。ちょっと考えただけでそんなことを思いつくなんてさすがだわ。
確かに縦はモノ直しの術、横が連立数秘術になっているわ。
修道院で密使から受け取る暗号を毎日解読してるんでしょう?
もっと教えてよ、数秘術のこと。
だめだめ、ここから先は立ち入り禁止。
なんで?
一子相伝だから。それに院長は女の子には近づくなって言われているんだ。
あっそ。
わかったわ、ここから先は自分で考えることにする。
アルルまたね。
さて、アリスの暗号はどうなるのでしょうか。
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