惑星レグルス 〜理想郷にて〜

サレルノのエルマンノ

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第5話:平和の価値

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この惑星は至って平和だ。
殺したり殺されたりもせず、毎日をただ生きている。
僕らは海から遠く離れた森の中の、小さな泉が湧き出る草地に住んでいる。
この星は少し暑いくらいの気温だ。
大体30度から32度、乾季には少し下がって25度くらいだ。
森には美しい蘭の花が咲き乱れている。
この星には人間が住めない。
この星の特殊な環境でしか存在しない、ウイルスがそれを阻んでいる。
僕たちは人間とは少し違った遺伝子を持っていて、そのウイルスが体内で増えないような免疫系を持っているんだ。
だからあとから資源目的で人間がやって来ることはない。
惑星の表面積の90%が海に覆われている。
土地の殆どはサンゴが隆起した島と、少しの山地からできている。
活火山もあるけど、そういう土地には研究者しか近寄らない。
この島の中央部には山脈がそびえ立っていて、その裾野にある昔この山が生きていた頃にできた洞窟にはエネルギー鉱と呼ばれている鉱物の結晶ができる場所がある。
炭素エネルギー資源もあるんだろうけど、地面を掘り返すようなことは基本的にしない。
この星の生態系は特殊で、動物らしいものがほとんどいない。
花の蜜を吸う昆虫や鳥はいるけど、植物を食べる動物がほとんどいない。
その代わり植物同士が戦って、互いの繁茂を制限している。
僕たちの食生活は、食べられる植物と魚類がメインだ。
争いがないから、安心して創作活動ができる。
文化的な発展は緩やかだけど、科学的な研究は盛んだ。
みんな好きなことをして暮らしているんだ。
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