ネオン

にゃんちら

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プロローグ

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日が沈んでいく。

首都高を駆け抜ける。

助手席にはすやすやと女性が寝ている。

俺は着ていたコートを脱ぎ、起こさないようにそっと掛けた。

大橋のJCTを抜けたあたりでようやく助手席から声が聞こえた。

「懐かしいね、ここ」

「うん」

二子玉川を通り過ぎたところだった。

「康太が初めて連れてってくれたとこ」

「うん、免許取り立ての頃な」

「慣れないのに、マニュアル車レンタルして、大変だったもう」

2人の笑い声が車内に響き渡る。

「また行こうね、ここ」

「うん」

俺に微笑みかけると、また目を閉じてしまった。

高速を降り、実家が近くなってきた。

「彩、もう着くよ」

「うん、もう起きてる」

実家に着くと、父と母がすでに門の前にいた。

「おかえり」

母が嬉しそうに微笑みながら言った。

「ただいま」

「とりあえず、2人とも上がりなさい」

家に入り、ダイニングを見ると、沢山の料理が並べられていた。

「ほら、細かいことは抜きにして、まずは乾杯にしよう」

父親が音頭を取る。

「乾杯!」

グラスの音が家中に響く。

「父さん、母さん、こちら、婚約者の宮島彩さん」

「宮島彩です、本日は結婚のあいさ…」

「いいんだ、かしこまったことはしなくていい、とりあえず食べよう」 

食事が終わり、晩酌が始まると、父親が急に、

「康太が世話になってる。これからもよろしく頼む」

大きく頭を下げた。

「こちらこそ、結婚を認めてくださってありがとうございます」

彩も頭を下げた。

晩酌も終わり、昔の自分の部屋に2人寝そべっていた。

「ここが、康太が暮らした部屋かー」

「うん」

彩が、俺の右手を強く握る。

「初めて会った時も、康太の手は本当に温かった」

そう言って、彩は目を閉じた。

いつもと変わらない部屋の景色。

変わったことは、隣に家族となる女性と手を握っている。

ここまでが本当に長かった。










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