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第二話 初フレンド
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視界がはっきりしてきて焦点があってきた。
僕は魅力的な光景に目を輝かせていた。
街の名前は知らないが、街の至る所に桜の木が存在しており、全ての木がピンク色の花で埋まっていた。
(いつ見ても綺麗だな!)現実では学校の入学式の時期にしか見れない光景が夏に見えるとは……。温度もポカポカしていて地面に横になったらすぐに眠れそうだ。
(あの頃はどんな気持ちだったけな……)高校に入学式の時をついつい思い出してしまった。
「花見したくなってきたなぁ……」
うっそりと呟き、歩き出した。
やっぱりすごい、手足が現実世界の自分のように自由に動く。ゲームの中にいると言う意識を消し去ってしまうほどに……。
「ゲームを始めて最初に何をやればいいのだろうか……聞いてみよっかな……」
僕はキョロキョロしながら周囲に人がいないか確認する。
「あの人たちに聞いてみよう」
僕は近くに歩いていた女性の二人組に駆け寄る。
「……あのぉ。すいません……」
勇気を出して声をかけて見たが、やっぱり女性に声を掛ける時は胸がどきどき張り詰めてくるのを感じる。
「どうしたんですか?」
右側に歩いていた女性が優しく諭すような口調で言ってきた。
(優しい人でよかった!)僕は体がほぐれるように安心する。
「ゲームを始めたばっかり何ですけど……最初に何をやればいいのか、教えてください」
「私たちも昨日始めたばっかりなので、合っているか分からないのですが……レベル上げから始めた方がいいと思いますよ!」
「レベル上げって何ですか?」
「……へっ?」
女性二人組にそんなのも知らないでゲーム始めたのかというような表情で驚かれた。
(僕、何かおかしいこと言ったのかな……)さっきまで優しかった女性も態度を急変させ、二人でひそひそ話を始めた。
「あの人、変人だよ……関わらないほうがいいかも……」
「そうだね……変人だね……あっちに行こ」
「うん」
「もしもぉーし! 聞こえていますよ――!」
僕はこのまま聞こえないと勘違いされては困るので、優しく声をかける。
「……あっ! 変人が喋ったよ!」
「あっちに行きましょ!」
「小声が聞こえるからって、大きい声で言うな!」
と突っ込んでみたものの、女性二人組は全く気にする様子もなく足早にどっかに行ってしまった。
それにしても変人呼ばわりされるとは、少しショックだ……。
「スルーされてしまった……レベ上げって何だ?」
僕がボソボソ呟いていると背後から肩を叩かれた。
「何かお困り! 私なら答えるわよ!」
僕は声のする方に顔を向ける。
(ヤバイ……めっちゃ、可愛い!)顔を向けた先にいたのは僕と同い年くらいで、イエローブラウンの長髪を肩にかけ、薄い茶色の瞳をしたシュッとした体型の女性だった。
満開になっている桜と同じような美しさを放っており、瞬きをするのも忘れるほどまじまじと見てしまった。
「何よ! そんなに見られると恥ずかしいじゃない!」
女性は少し顔を赤らめていた。
「……あっ! ごめんなさい! 本名を教えてもらっても……?」
ゲーム世界で本名を聞くのは御法度と友哉が言っていたが、この際いいや。
「いいわよ!」
「……えっ! マジ⁉」
まさか教えてくれるとは思いもしなかった……。
女性は僕の耳元に顔を近づけて、小声で名前を教えてくれた。
心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「本名は月城玲奈《つきしろれいな》……ゲームでの名前は《ツキナ》よ」
(名前も可愛らしい! 神だ! この子!)僕は心の中で一人で興奮する。
「れい——じゃなかった、ツキナさんよろしくお願いします」
「私が本名を教えたんだから、あなたも教えてくれるわよね?」
(ここで意外な返しが来た! いや……やっぱり普通か……)僕もツキナの耳に顔を近づけて小声で教える。
こんな可愛い子に本名を教えることになるなんて、僕はさっきよりも心臓の鼓動が早くなったのを感じる。
それもそのはずでこんな可愛い子に近づく時に緊張しない男はいないと思う。
「僕の本名は日比谷悠斗。ゲームでの名前はヒビトです」
「やっぱりお互い安易な名前なのね! フレンド登録しましょ!」
「フレンド登録って?」
「そんなことも知らないの?」
「……はい」
「仕方ないわね! 教えてあげるわ!」
「ありがとうございます……」
「ゲームの中で友達になることよ! ログインしたら分かるし、LINEみたいにメールも送れるの! それから敬語やめて! 堅苦しいの嫌いなの!」
「……はい! ゲームでそんなことができるのか」
頭の中にどんどん知識が入っていく。下調べしなくても何とかなるかもしれない。
「どうやってやるんだ?」
「今から教えるわ! 少し待って!」
「了解!」
僕はツキナに言われた通りにじっと待つ。
数秒後、ツキナが説明を始めた。僕は聞く姿勢をとる。
「まずは、右手をこうして!」
僕はツキナの動作を真似して、右手を左から右に動かす。すると音を立てながら何かが出てきた。
「——何だ?」
「これはリングメニューと言って、全ての操作をここから行うのよ!」
「なるほど……」
「このリングメニューの中からコミュニティという項目をタップして!」
「了解!」
僕はツキナが言った通りにリングメニューを操作する。すると項目が複数個出現した。
上からフレンド検索、プレイ中のフレンド、フレンドリスト、ブラックリストなどと表示されていた。
「出た項目の中からフレンド検索をタップするとユーザー名という項目が出てくると思うから、そこに私の名前を打ち込んで検索を押して!」
すごく分かりやすい説明だ。僕はツキナに言われた通りに操作して、ユーザー名を打ち込み検索を押す。
検索を押すとツキナという名前が表示された。
「このゲームはユーザー名が被ることがないから表示されたのが私よ! 名前をタップして申請というボタンを押して!」
「了解!」
僕はツキナを選択し、申請ボタンを押す。そしてツキナという名前の下に申請待ちと表示された。
「あとは私が承諾と押せば、完了よ! 簡単でしょ?」
「そうだな! ありがとう!」
「礼には及ばないわよ! フレンドになりたいと言ったのが私だから!」
「ツキナ! 改めてよろしく!」
「こちらこそ!」
こうしてゲームを始めて最初のフレンドができた。
僕は魅力的な光景に目を輝かせていた。
街の名前は知らないが、街の至る所に桜の木が存在しており、全ての木がピンク色の花で埋まっていた。
(いつ見ても綺麗だな!)現実では学校の入学式の時期にしか見れない光景が夏に見えるとは……。温度もポカポカしていて地面に横になったらすぐに眠れそうだ。
(あの頃はどんな気持ちだったけな……)高校に入学式の時をついつい思い出してしまった。
「花見したくなってきたなぁ……」
うっそりと呟き、歩き出した。
やっぱりすごい、手足が現実世界の自分のように自由に動く。ゲームの中にいると言う意識を消し去ってしまうほどに……。
「ゲームを始めて最初に何をやればいいのだろうか……聞いてみよっかな……」
僕はキョロキョロしながら周囲に人がいないか確認する。
「あの人たちに聞いてみよう」
僕は近くに歩いていた女性の二人組に駆け寄る。
「……あのぉ。すいません……」
勇気を出して声をかけて見たが、やっぱり女性に声を掛ける時は胸がどきどき張り詰めてくるのを感じる。
「どうしたんですか?」
右側に歩いていた女性が優しく諭すような口調で言ってきた。
(優しい人でよかった!)僕は体がほぐれるように安心する。
「ゲームを始めたばっかり何ですけど……最初に何をやればいいのか、教えてください」
「私たちも昨日始めたばっかりなので、合っているか分からないのですが……レベル上げから始めた方がいいと思いますよ!」
「レベル上げって何ですか?」
「……へっ?」
女性二人組にそんなのも知らないでゲーム始めたのかというような表情で驚かれた。
(僕、何かおかしいこと言ったのかな……)さっきまで優しかった女性も態度を急変させ、二人でひそひそ話を始めた。
「あの人、変人だよ……関わらないほうがいいかも……」
「そうだね……変人だね……あっちに行こ」
「うん」
「もしもぉーし! 聞こえていますよ――!」
僕はこのまま聞こえないと勘違いされては困るので、優しく声をかける。
「……あっ! 変人が喋ったよ!」
「あっちに行きましょ!」
「小声が聞こえるからって、大きい声で言うな!」
と突っ込んでみたものの、女性二人組は全く気にする様子もなく足早にどっかに行ってしまった。
それにしても変人呼ばわりされるとは、少しショックだ……。
「スルーされてしまった……レベ上げって何だ?」
僕がボソボソ呟いていると背後から肩を叩かれた。
「何かお困り! 私なら答えるわよ!」
僕は声のする方に顔を向ける。
(ヤバイ……めっちゃ、可愛い!)顔を向けた先にいたのは僕と同い年くらいで、イエローブラウンの長髪を肩にかけ、薄い茶色の瞳をしたシュッとした体型の女性だった。
満開になっている桜と同じような美しさを放っており、瞬きをするのも忘れるほどまじまじと見てしまった。
「何よ! そんなに見られると恥ずかしいじゃない!」
女性は少し顔を赤らめていた。
「……あっ! ごめんなさい! 本名を教えてもらっても……?」
ゲーム世界で本名を聞くのは御法度と友哉が言っていたが、この際いいや。
「いいわよ!」
「……えっ! マジ⁉」
まさか教えてくれるとは思いもしなかった……。
女性は僕の耳元に顔を近づけて、小声で名前を教えてくれた。
心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「本名は月城玲奈《つきしろれいな》……ゲームでの名前は《ツキナ》よ」
(名前も可愛らしい! 神だ! この子!)僕は心の中で一人で興奮する。
「れい——じゃなかった、ツキナさんよろしくお願いします」
「私が本名を教えたんだから、あなたも教えてくれるわよね?」
(ここで意外な返しが来た! いや……やっぱり普通か……)僕もツキナの耳に顔を近づけて小声で教える。
こんな可愛い子に本名を教えることになるなんて、僕はさっきよりも心臓の鼓動が早くなったのを感じる。
それもそのはずでこんな可愛い子に近づく時に緊張しない男はいないと思う。
「僕の本名は日比谷悠斗。ゲームでの名前はヒビトです」
「やっぱりお互い安易な名前なのね! フレンド登録しましょ!」
「フレンド登録って?」
「そんなことも知らないの?」
「……はい」
「仕方ないわね! 教えてあげるわ!」
「ありがとうございます……」
「ゲームの中で友達になることよ! ログインしたら分かるし、LINEみたいにメールも送れるの! それから敬語やめて! 堅苦しいの嫌いなの!」
「……はい! ゲームでそんなことができるのか」
頭の中にどんどん知識が入っていく。下調べしなくても何とかなるかもしれない。
「どうやってやるんだ?」
「今から教えるわ! 少し待って!」
「了解!」
僕はツキナに言われた通りにじっと待つ。
数秒後、ツキナが説明を始めた。僕は聞く姿勢をとる。
「まずは、右手をこうして!」
僕はツキナの動作を真似して、右手を左から右に動かす。すると音を立てながら何かが出てきた。
「——何だ?」
「これはリングメニューと言って、全ての操作をここから行うのよ!」
「なるほど……」
「このリングメニューの中からコミュニティという項目をタップして!」
「了解!」
僕はツキナが言った通りにリングメニューを操作する。すると項目が複数個出現した。
上からフレンド検索、プレイ中のフレンド、フレンドリスト、ブラックリストなどと表示されていた。
「出た項目の中からフレンド検索をタップするとユーザー名という項目が出てくると思うから、そこに私の名前を打ち込んで検索を押して!」
すごく分かりやすい説明だ。僕はツキナに言われた通りに操作して、ユーザー名を打ち込み検索を押す。
検索を押すとツキナという名前が表示された。
「このゲームはユーザー名が被ることがないから表示されたのが私よ! 名前をタップして申請というボタンを押して!」
「了解!」
僕はツキナを選択し、申請ボタンを押す。そしてツキナという名前の下に申請待ちと表示された。
「あとは私が承諾と押せば、完了よ! 簡単でしょ?」
「そうだな! ありがとう!」
「礼には及ばないわよ! フレンドになりたいと言ったのが私だから!」
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「こちらこそ!」
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