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本編:女怪盗イヴェット・マルティネス・アンゲルブレシュト編
いい女からの誘い
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翌朝、俺は工房近くの薪小屋で目を覚ました。
驚くほど、いつもと変わらない朝。自分の息遣いや心臓の音すら聞こえてきそうな、痛いくらいの静寂に包まれた、普段通りの朝。
しかし、昨晩の記憶は鮮明に残っている。
(幸いにも爆発はしなかったようだな。ま、この広大なパプラプアにポツンと佇む鍛冶屋がある日突然消滅したとしても、世の中の動きに変化はないがな)
遠目に映る確かな存在にホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、俺は激しい自責の念に苛まれる。
(……それよりも問題なのは、命よりも大事にしていたギガースハンマーを放って逃げ出しちまったことだ。何度も命を救われた相棒の危機を、俺が救わなくてどうする?)
武器に対する恩義、礼節を欠いてしまったことを俺は心から恥じた。
また、それはイヴェットの短刀においても同じことが言える。
調合の失敗はまだしも、もし彼女が俺を非難するとしたら、間違いなく武器を置いて逃げたと言う愚行の方だろう。
「とにかく、どんな状況か確認しなきゃいけねぇな」
慣れない場所と慣れない姿勢で痛めた腰を擦りながら俺は立ち上がり、工房へと足を向けた。
「ん!? こ、これはいったいどういうことだ……」
ピンク色のおぞましい瘴気に包まれていたはずの房内。
しかし、そこはまるで何事もなかったかのようにいつも通りの静かな時を刻んでいる。
使い古された金床と炉。
血のりが付いた鍛冶用ハンマー。
薄汚れたテーブルの上には、イヴェットの短刀。
そして寸胴鍋の底には……見覚えのある紫黒色の砂。
棚のマジックマッシュルームの瓶がなくなっていることから、鍋に落としたことは間違いなさそうだが……どうやら、完全に毒と融合してしまったようだ。
「おかしな煙もなきゃ、匂いもしねぇ。いくら強力なマジックマッシュルームも、猛毒成分には勝てなかったようだな」
などと感心している場合ではない。
工房が無事なことを確認できれば、遅れた作業を急いで取り戻さなくては。
「……よし」
気持ちを入れ替えた俺は、イヴェットの短刀を手に取り天にかざす。
「この無垢な刃に猛毒の粉末を打ち込み、出血毒の短刀を錬成。これが、今の俺に課せられた仕事であり、使命だ」
カン!
カン、カン。
カン、カン、カン……!
以降、俺は憑りつかれたように猛毒粉末を擦り込ませたハンマーを打ち下ろし続けた。
食事も、風呂も、排泄さえも忘れ、ただひたすら打ち続けた。
気付いた頃には日が暮れ、気付いた頃には日が昇る。
日にちの感覚はとうに消え失せてしまったが、刀身に妖しい色光がまとっていく工程にたまらない多幸感を覚え、さらに強く錬成しようと力を込める。
(いいぞ。いよいよ完成が近づいてきたって感じがする)
気が遠くなるほどの時間をかけ鍛え上げられた刃から漂ってくるのは、恐るべき血への渇望。
獣でも人間でもいい、早く生き血を吸わせてくれと願い輝く刃は、まさに狂気そのもの。
そして、手にしただけで精神を蝕まれてしまいそうなそれを望む者の心もまた、狂気と呼ぶべきかもしれない。
「こんばんは。ムッシュ・ドナルド」
「ずいぶんとタイミングがいいじゃねぇか。たった今出来上がったところだ」
ここに初めて来たときと同じ服装……だが、フードだけは予め取ったイヴェットは、俺の言葉に軽く頷く。
「さっそく見せてもらうわね」
テーブルに置かれた出血毒の短刀を手にした彼女は刀身をじっくりと時間をかけて眺め、やがて口元を緩めた。
「へぇ。なかなかいい出来じゃない」
「生物を殺すことに特化した武器だ。ひとたび切られればたちまち出血が止まらなくなり、おまけにその傷口から毒が回る……」
「止血も解毒も間に合わず、結果のたうち回って死を待つしかない恐ろしい武器……でしょ?」
「分かってるじゃねぇか」
「とにかく、これであたしもますます仕事がやりやすくなったってことね。ふふっ……」
「どうした?」
「依頼からちょうど一週間。仕事に忠実な男は嫌いじゃないわ」
「それは重畳」
「ところで、報酬の件なのだけれど~ぉ……」
「……ん?」
妖艶に身体をくねらせたイヴェットは、甘い声とともに俺の側へと寄る。
「一晩、あたしを好きにできるってことで手を打たない?」
「お前を……?」
ふわりと漂う、異国の香水の香り。
久方ぶりの女の熱、柔肌の感触に、つい男としての劣情が芽生えそうになってしまう。
「ありがたい誘いだが止めておく。今は疲れを取る方が先だ。とにかく泥のように眠りてぇ」
「あら残念。ウワサでは現役時代、ギガースハンマーよりも凶悪なモノで夜な夜な女の子を鳴かしていた……と聞いていたから、下手したらレイプされるかもって内心ドキドキしてたのに」
「ハッ。ガキが生意気言いやがって」
「ひっどーい。これでも寝技は得意なのよ? 潜入捜査には必須のスキルだしね」
「分かった、分かったよ。気が向いたら襲ってやる」
「もう……。こんないい女からの誘いを断るなんてひどい人」
頬を膨らませて距離を離したイヴェットは、傍らにあった革袋から細長い瓶を取り出した。
「とにかく、報酬の一つ目はコレね」
「酒か」
「今年一番の出来の果実酒よ。よく眠りたいならこれが一番。手に入れるのに苦労したんだから」
「まさかとは思うが、盗んできたんじゃないだろうな」
「ちゃんと買ったわよ? お金は払わなかったけどね」
「結局盗んだんじゃねーか……」
「ふふっ♪」
「ま、腹に入っちまえば証拠ごと消えちまうがな。とにかくありがてぇ」
「そしてもう一つの報酬だけれど、さっそくこの出血毒の短刀の切れ味を試したいと思ってるの」
「今からか? もう日が暮れるぞ」
「大丈夫。活きのいいエモノを狩って、すぐに戻るから」
「お前の実力(レベル)じゃ、熊も猪も問題なく捌けると思うが……くれぐれも無理はすんなよ」
「ご忠告感謝いたしますわ、ムッシュ・ドナルド」
「ハッ。カーテシーとか、ガラにもねぇ真似しやがって」
しかし、この丁寧な言葉遣いやお手本のようなカーテシー、そして得意(?)とされる寝技もすべて、イヴェットが怪盗として厳しい世の中を渡っていく術であり武器なのだろうと考えると感慨深い。
(若くして多くの業を背負う女か。面白い)
その小さな背中を見届けた後、俺はさっそく頂いた果実酒をラッパ飲み。
ごくっ、ごくッ、ごくんっ。
(うおおおっ! こりゃ美味ぇ。五臓六腑に染み渡るぜ!!」
今年一番の出来、とはよく言ったもの。
確かにこれは最高の仕事だ。
酒も武器も本質は同じ。良いモノを作ろうとする職人のたどり着くところは変わらないのだ。
「俺も見習わなくちゃいけねぇよな。こんな良い酒を造る連中をよ」
程よく回ってきた酔いと同時に気分がよくなった俺は、美味い酒を持ってきてくれたイヴェットにも夕食を振る舞ってやろうと厨房へと向かおうとした、そのとき――。
バタンッ!
「……ッ!?」
荒々しいドアの開閉音に、ビクリと俺の肩が跳ね上がる。
(賊か、それとも獣か?)
しかし、やはりそこは元魔王討伐メンバーの一人。
現役を退いたとは言っても、不穏な気配を察するや否や武器を握ろうとする、身体に染み付いた習性は今も昔も変わらないのだ。
そして一気に距離を詰め、やられる前にやる。これが俺の現役時代からの流儀。
(なっ!?)
動き出してから二秒。
実戦であれば、とっくに相手の自由を奪い、命すら奪っているはずの時間。
にもかかわらず、俺は未だ目の前の人間を仕留められずにいた。
なぜなら、見覚えのある顔だったから――。
驚くほど、いつもと変わらない朝。自分の息遣いや心臓の音すら聞こえてきそうな、痛いくらいの静寂に包まれた、普段通りの朝。
しかし、昨晩の記憶は鮮明に残っている。
(幸いにも爆発はしなかったようだな。ま、この広大なパプラプアにポツンと佇む鍛冶屋がある日突然消滅したとしても、世の中の動きに変化はないがな)
遠目に映る確かな存在にホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、俺は激しい自責の念に苛まれる。
(……それよりも問題なのは、命よりも大事にしていたギガースハンマーを放って逃げ出しちまったことだ。何度も命を救われた相棒の危機を、俺が救わなくてどうする?)
武器に対する恩義、礼節を欠いてしまったことを俺は心から恥じた。
また、それはイヴェットの短刀においても同じことが言える。
調合の失敗はまだしも、もし彼女が俺を非難するとしたら、間違いなく武器を置いて逃げたと言う愚行の方だろう。
「とにかく、どんな状況か確認しなきゃいけねぇな」
慣れない場所と慣れない姿勢で痛めた腰を擦りながら俺は立ち上がり、工房へと足を向けた。
「ん!? こ、これはいったいどういうことだ……」
ピンク色のおぞましい瘴気に包まれていたはずの房内。
しかし、そこはまるで何事もなかったかのようにいつも通りの静かな時を刻んでいる。
使い古された金床と炉。
血のりが付いた鍛冶用ハンマー。
薄汚れたテーブルの上には、イヴェットの短刀。
そして寸胴鍋の底には……見覚えのある紫黒色の砂。
棚のマジックマッシュルームの瓶がなくなっていることから、鍋に落としたことは間違いなさそうだが……どうやら、完全に毒と融合してしまったようだ。
「おかしな煙もなきゃ、匂いもしねぇ。いくら強力なマジックマッシュルームも、猛毒成分には勝てなかったようだな」
などと感心している場合ではない。
工房が無事なことを確認できれば、遅れた作業を急いで取り戻さなくては。
「……よし」
気持ちを入れ替えた俺は、イヴェットの短刀を手に取り天にかざす。
「この無垢な刃に猛毒の粉末を打ち込み、出血毒の短刀を錬成。これが、今の俺に課せられた仕事であり、使命だ」
カン!
カン、カン。
カン、カン、カン……!
以降、俺は憑りつかれたように猛毒粉末を擦り込ませたハンマーを打ち下ろし続けた。
食事も、風呂も、排泄さえも忘れ、ただひたすら打ち続けた。
気付いた頃には日が暮れ、気付いた頃には日が昇る。
日にちの感覚はとうに消え失せてしまったが、刀身に妖しい色光がまとっていく工程にたまらない多幸感を覚え、さらに強く錬成しようと力を込める。
(いいぞ。いよいよ完成が近づいてきたって感じがする)
気が遠くなるほどの時間をかけ鍛え上げられた刃から漂ってくるのは、恐るべき血への渇望。
獣でも人間でもいい、早く生き血を吸わせてくれと願い輝く刃は、まさに狂気そのもの。
そして、手にしただけで精神を蝕まれてしまいそうなそれを望む者の心もまた、狂気と呼ぶべきかもしれない。
「こんばんは。ムッシュ・ドナルド」
「ずいぶんとタイミングがいいじゃねぇか。たった今出来上がったところだ」
ここに初めて来たときと同じ服装……だが、フードだけは予め取ったイヴェットは、俺の言葉に軽く頷く。
「さっそく見せてもらうわね」
テーブルに置かれた出血毒の短刀を手にした彼女は刀身をじっくりと時間をかけて眺め、やがて口元を緩めた。
「へぇ。なかなかいい出来じゃない」
「生物を殺すことに特化した武器だ。ひとたび切られればたちまち出血が止まらなくなり、おまけにその傷口から毒が回る……」
「止血も解毒も間に合わず、結果のたうち回って死を待つしかない恐ろしい武器……でしょ?」
「分かってるじゃねぇか」
「とにかく、これであたしもますます仕事がやりやすくなったってことね。ふふっ……」
「どうした?」
「依頼からちょうど一週間。仕事に忠実な男は嫌いじゃないわ」
「それは重畳」
「ところで、報酬の件なのだけれど~ぉ……」
「……ん?」
妖艶に身体をくねらせたイヴェットは、甘い声とともに俺の側へと寄る。
「一晩、あたしを好きにできるってことで手を打たない?」
「お前を……?」
ふわりと漂う、異国の香水の香り。
久方ぶりの女の熱、柔肌の感触に、つい男としての劣情が芽生えそうになってしまう。
「ありがたい誘いだが止めておく。今は疲れを取る方が先だ。とにかく泥のように眠りてぇ」
「あら残念。ウワサでは現役時代、ギガースハンマーよりも凶悪なモノで夜な夜な女の子を鳴かしていた……と聞いていたから、下手したらレイプされるかもって内心ドキドキしてたのに」
「ハッ。ガキが生意気言いやがって」
「ひっどーい。これでも寝技は得意なのよ? 潜入捜査には必須のスキルだしね」
「分かった、分かったよ。気が向いたら襲ってやる」
「もう……。こんないい女からの誘いを断るなんてひどい人」
頬を膨らませて距離を離したイヴェットは、傍らにあった革袋から細長い瓶を取り出した。
「とにかく、報酬の一つ目はコレね」
「酒か」
「今年一番の出来の果実酒よ。よく眠りたいならこれが一番。手に入れるのに苦労したんだから」
「まさかとは思うが、盗んできたんじゃないだろうな」
「ちゃんと買ったわよ? お金は払わなかったけどね」
「結局盗んだんじゃねーか……」
「ふふっ♪」
「ま、腹に入っちまえば証拠ごと消えちまうがな。とにかくありがてぇ」
「そしてもう一つの報酬だけれど、さっそくこの出血毒の短刀の切れ味を試したいと思ってるの」
「今からか? もう日が暮れるぞ」
「大丈夫。活きのいいエモノを狩って、すぐに戻るから」
「お前の実力(レベル)じゃ、熊も猪も問題なく捌けると思うが……くれぐれも無理はすんなよ」
「ご忠告感謝いたしますわ、ムッシュ・ドナルド」
「ハッ。カーテシーとか、ガラにもねぇ真似しやがって」
しかし、この丁寧な言葉遣いやお手本のようなカーテシー、そして得意(?)とされる寝技もすべて、イヴェットが怪盗として厳しい世の中を渡っていく術であり武器なのだろうと考えると感慨深い。
(若くして多くの業を背負う女か。面白い)
その小さな背中を見届けた後、俺はさっそく頂いた果実酒をラッパ飲み。
ごくっ、ごくッ、ごくんっ。
(うおおおっ! こりゃ美味ぇ。五臓六腑に染み渡るぜ!!」
今年一番の出来、とはよく言ったもの。
確かにこれは最高の仕事だ。
酒も武器も本質は同じ。良いモノを作ろうとする職人のたどり着くところは変わらないのだ。
「俺も見習わなくちゃいけねぇよな。こんな良い酒を造る連中をよ」
程よく回ってきた酔いと同時に気分がよくなった俺は、美味い酒を持ってきてくれたイヴェットにも夕食を振る舞ってやろうと厨房へと向かおうとした、そのとき――。
バタンッ!
「……ッ!?」
荒々しいドアの開閉音に、ビクリと俺の肩が跳ね上がる。
(賊か、それとも獣か?)
しかし、やはりそこは元魔王討伐メンバーの一人。
現役を退いたとは言っても、不穏な気配を察するや否や武器を握ろうとする、身体に染み付いた習性は今も昔も変わらないのだ。
そして一気に距離を詰め、やられる前にやる。これが俺の現役時代からの流儀。
(なっ!?)
動き出してから二秒。
実戦であれば、とっくに相手の自由を奪い、命すら奪っているはずの時間。
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なぜなら、見覚えのある顔だったから――。
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