あの日いたのは自分では無い自分だった

またいつか出会えると信じて

1章
自分の人生を振り返る。という作文を書くことになった。何があっただろうか。
けして何もなかった訳じゃない。
    ただ普通の人生だったと思うと中学3年14歳の時に書いた。


   僕にはいつも遊ぶ友達がいた。
幼稚園の時そいつとは出会った。
そいつの名前はかのん。親同士がが僕が生まれる前から知り合いだったらしい。
   
   小学校に上がる前そいつはいなくなった。親からは転勤ときかされた
その頃転勤という意味も知らない幼稚園児にとっては
何が起きたのかさっぱり分からなかった。
   
   小学生になった。学習発表会の時真面目にやらなくて怒られた。その記憶しかない。
   
   中学生になった。小さな村だったので中学校がなく
電車で1時間かけて中学校に通っていた。
この日も電車に乗ろうとして待っていると黒い服の人が沢山会館に入っていった。
  かのんのおばーちゃんの葬儀が夜あるんだ。と思い出した。小さい村だから皆知り合いみたいなものだった。
  かのんのおばーちゃんは僕が小さい頃から寝たきりで顔を見たことがなかった。僕はふと思った。かのんが帰って来るかも。そう考えるといつもはだるい学校も楽しく感じてきた。