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僕と彼女1
2話
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病院に緊急搬送された次の日、僕は小児外科の病室の四人部屋に移ることになった。
と言っても、この病室には僕ともう一人の患者しかいないらしい。病室の前につくと、女性の看護師さんの人がボソッと
「ここの部屋の子、女の子だから優しくしてあげてね」と一言。
病室の扉を開けると、そこにはベッドの背もたれに寄り掛かりながら本を読んでいるニット帽を被った華奢な女の子がいた。
僕に気がついた彼女は嬉しそうに笑い、話しかけてきた。
「君が新しい同部屋の子かぁ!よろしくね!」
彼女の声はとても病人とは思えないくらい生き生きとしていた。
「よろしくお願いします。」
と素っ気なく挨拶した。居心地の悪そうな僕を見ると、クスッと笑った。
「ねぇねぇ君は何歳なの?なんの病気なの?あ、名前は?」
まるで新種の生物を見たかのような好奇心の塊の目をしながら容赦なく質問をぶつけてきた。
「十四歳、中学三年生の春。春の字は春夏秋冬の春。心臓の病気」
面倒臭そうに答えると、彼女は相変わらずのテンションで会話を続けた。
「えぇ!じゃあ同学年だね!私はとっくに十五歳になったけど、同じ中学三年生だよ!
いやぁ嬉しいなぁ同学年の子が同じ部屋なんて!」
満面の笑みで喜ぶ彼女。少し鬱陶しいとは思うが、あそこまで嬉しそうにされると悪い気はしない。それに、もしかしたら仲良くなれるかもしれない。そう思い、出来るだけ明るく振る舞った。
「よかったですね」
口角を少しあげて彼女に返すと少し頬を膨らませた。
「ねぇ!暗くない?もっと明るく行こうよ!」
甲高い声が耳に刺さる。前言撤回、やはり 鬱陶しいし、面倒くさい。彼女とは友達になれる気がしない。ていうかなんで病気なのにこんなに明るいのか。彼女はどんな病気で入院しているのか。少し彼女のことが気になってきた。
と言っても、この病室には僕ともう一人の患者しかいないらしい。病室の前につくと、女性の看護師さんの人がボソッと
「ここの部屋の子、女の子だから優しくしてあげてね」と一言。
病室の扉を開けると、そこにはベッドの背もたれに寄り掛かりながら本を読んでいるニット帽を被った華奢な女の子がいた。
僕に気がついた彼女は嬉しそうに笑い、話しかけてきた。
「君が新しい同部屋の子かぁ!よろしくね!」
彼女の声はとても病人とは思えないくらい生き生きとしていた。
「よろしくお願いします。」
と素っ気なく挨拶した。居心地の悪そうな僕を見ると、クスッと笑った。
「ねぇねぇ君は何歳なの?なんの病気なの?あ、名前は?」
まるで新種の生物を見たかのような好奇心の塊の目をしながら容赦なく質問をぶつけてきた。
「十四歳、中学三年生の春。春の字は春夏秋冬の春。心臓の病気」
面倒臭そうに答えると、彼女は相変わらずのテンションで会話を続けた。
「えぇ!じゃあ同学年だね!私はとっくに十五歳になったけど、同じ中学三年生だよ!
いやぁ嬉しいなぁ同学年の子が同じ部屋なんて!」
満面の笑みで喜ぶ彼女。少し鬱陶しいとは思うが、あそこまで嬉しそうにされると悪い気はしない。それに、もしかしたら仲良くなれるかもしれない。そう思い、出来るだけ明るく振る舞った。
「よかったですね」
口角を少しあげて彼女に返すと少し頬を膨らませた。
「ねぇ!暗くない?もっと明るく行こうよ!」
甲高い声が耳に刺さる。前言撤回、やはり 鬱陶しいし、面倒くさい。彼女とは友達になれる気がしない。ていうかなんで病気なのにこんなに明るいのか。彼女はどんな病気で入院しているのか。少し彼女のことが気になってきた。
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