ぎゅっ。

桜花(sakura)

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明日からまた二人で、頑張りましょう?

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   PM20:00   気づけば結構な時間をファストフード店にて過ごしてた。 

 『遅くなっちゃったね。家まで送るよ』  


『近いので、大丈夫ですから!』  


『女の子をさ。一人で帰すなんて男として無しでしょ!』  

『はぁ……』    

って押しきられ。   


ファストフード店から10分位の、マンションまで送ってもらい。  



『俺んち、こっから15分位の。ファストフード店の少し先の所だから。俺たち、近場に住んでいたんだね! じゃ、またね!』   

(また……?) 

 『……ありがとうございました』  


 手をヒラヒラと振って、爽やかに、再びファストフード店の方向へ去って行った拓眞。  


 そして。ハンバーガーセットの代金を払ってもらったままなのを思い出したマミ。  


 -ガチャ-  

「ただいま……」  

「お帰りマミ。珍しいわね。貴女が一人。外で食べて帰ってくるなんて」    


  リビングに入ると、そう声を掛けて来たのは。マミに面差しの良く似た母のナミ。   


  母と二人暮らしのマミ。心配させないよう。ショートメールで。   


   《 面白い本を見つけた》   


〈あら~良かったね〉   

《 止まらなくて。 ○○で少し読んで帰るから》   〈了解! 〉  

  ──    と。ちょっとウソをついてしまったマミ。   


「うん……こんな時なのに……」  

 「マミの事だから、しっかり予防したんでしょ? 二人でご飯行く事もあるじゃない。たまには、ちょっとの息抜きにさ」 

 「うん」   

   ソファに座る、ナミの隣に掛けてきた娘を。自分のほうに向けると。目を合わせてゆっくりと言うと。  

  「楽しかった? リフレッシュ出来た? 明日からまた二人で、ルールを守って頑張りましょう?」 


 「ママぁ」   


  マミは、甘えるようにナミに、ぎゅっ。って抱きつくと。   


  「あらあら、 大っきな赤ちゃんだこと」  

 ぎゅっ。って、笑いながら抱きしめ返してくれて。  

  「 リフレッシュできたよ。明日からまた頑張る!」


  「 ママはマミが元気だと嬉しいわ。私も明日からまた頑張ろう!」  

 二人で抱き合いながら、なんでか泣き笑いしちゃってた。   



    借りてきた推理モノの本を、マミが見せると。  

「なるほど。止まらないヤツだ。マミはあっという間に読み終わっちゃうでしょうから。次、ママに貸して」  

「うん」  


「じゃあ、ガス代がもったいないから、お風呂に入っちゃって?」   

「うん!」    


  ちょっと、ママ に嘘ついちゃった事。チクリと心が痛んだマミ。  


 いつもなら、ちょっとムッて、しちゃうよな。ママのセリフだけど。   


  何でか今日は、素直に聞けちゃう。って。

  
    笑ってしまった。     


      

         マミはお風呂に浸かりながら、不意に。  


「また……が、あるの?」   心臓がバクバクする 。   



  慌てたりして。スマホを風呂に落とさないように慎重に、しっかり持って。  


 お風呂の蓋の上で スマホを操作して。   


「メールアドレス登録してある……」     


ボーゼンと呟いてた。
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