ぎゅっ。

桜花(sakura)

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メールでやりとり

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      その頃の拓眞  

 1Kのアパートでの、気ままな一人暮らし。     

  部屋を広く使うため、 ソファーベッドを使っている拓眞。   

  シャワーを浴びてから。   ソファーにもたれて胡座をかいて床に座り、スーパーで買った刺し身を酒の肴にして、昨日と今日の出来事に思いを馳せていた。  

 テレビは付けているけど、流している状態。   

   気持ちは、マミに向いていたから。   


    図書館で何度か、見かけていて。一方的に自分だけが彼女を知っている状態。  

 悲しいかな。諸事情により、彼女は スーパーで逢った男が、図書館で逢ってる男。と。一致してなかったからね。 


  そう考えると、昨日今日の展開の持って行き方って、すげぇ。強引だったんじゃないか 。    大胆な自分の行動を。今更ながらに…… ちょっと、青くなってしまった拓眞。

  「けどさ。 きっ掛けなんて、少しくらい強引に行かなきゃ掴めないじゃん?」 
 

 なんて、 自分の行動を正当化してた。   健やかな人と。助けを必要としている人。の共存……  

  「元気な人とハンディキャップを持った人?」    

   言葉で表す持って難しいよね……  


 まずは表し方から人に。  


    少し前まで使われていた表現は、使わないようにしましょう。 


 (そう、認識してもらう所から始めなきゃなんないんだよな……)  

 マミと出逢った意味……   

  図書館で働いてる自分だからこそ、伝えられる方法があるんじゃないか? 

 〈紙芝居? 〉  

《そ、イベントでさ子供たちに紙芝居で伝えたらさ》  

 〈 私も月1で通ってる病院で、入院しながら院内学級で学んでいる子供たちに。紙芝居で語りかけたら伝わるんじゃないかな? って考えてました〉 

 《それじゃあ、まず、図書館に通ってくれている子供たち。院内学級で学んでいる子供たちからさ。紙芝居に招待してみようか?》

   〈はい〉  

《マメちゃん、物語好きじゃん。ゴメンね。生活する上で困っている事? まとめられる? 俺は、紙芝居の作り方とか調べてみるから》 

  〈出塚さん。凄いこだわるタイプなんですね。……それから、私マミですってば! 〉 

 《アハハ!》  

 拓眞は、強引にでもメルアド交換して良かったって思った。

  「メールでのやり取り。なんかいいよね」  

 こうして、また繋がりを持てたから。  

 マミには、悪いけど。マメちゃん! っていじっちゃうのがさ。  

「言い返したり、反論してくるのがさ。可愛いよね」  

 そのやり取りが、楽しくなっちゃった拓眞だった。   


     一方マミは。  

「遊ばれてる」   


と思いつつ。このやり取りも、なんかイヤじゃないな。って思ってる 自分がいて……  


「生活していく上で、 困っていることか……」   


どんな 形に。物語にまとめたら。子供たち分かってくれるかな?   


 楽しんでくれるかしら?   


 マミは真剣に考え始めた。         
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