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皇国の闇
傷痕
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少女を抱えたまま、ラインハルトは街道を走る。あえて街道を外れることはしないのは、これが一番速度を重視した結果であり、少しでも早く拠点を目指した結果だからだ。
背後を確認すれば既に馬車は影も形も無く、また追手らしき人影も見当たらない。そこまで確認して漸く、ラインハルトは全力で動かしていた歩みを緩めた。
「がはっ! ……ぜぇっ……ぜぇっ……」
強大な敵との戦闘に加え、満身創痍での全力疾走に、さしものラインハルトも息を荒げる。苦し気に咳と深呼吸を繰り返し、遂にその足は止まってしまった。
すると、歩みが鈍くなった期を見計らって、抱えた荷物が暴れ始める。
「ちょ、っと! いい加減に……離しなさい!!」
ばたばたと手足をばたつかせ、無理矢理身体を捩る。いつものラインハルトなら多少無理やりにでも押さえつけるのだが、この時ばかりは手を滑らせて、少女を落としてしまった。
「へ? あ痛っつぅ!!」
それまであった支えが唐突に無くなり、エリスは体を強かに打ち付ける。
暫し痛みに堪え言葉にならない悲鳴を上げる。やがて痛みが薄れ、身動きが取れるまで回復すると、エリスは声を荒げた。
「もう! いきなり離さないでよ! ……って……ちょっと、大丈夫!?」
文句をの一つでも言ってやろう、とエリスは顔を上げると、そこには地面に倒れたラインハルトの姿が。
エリスは慌ててラインハルトへと駆けより彼の身体を揺さぶった。
「ねぇ! ねぇってば!!」
返事はない。代わりに、彼女の手にぬるりと何かがくっつく。
「ひっ……何よこれ……?」
それは、夥しい量の血だった。ラインハルトの背中には、右の肩口から左の腰に掛けての大きな切り傷が出来ていたのだ。
その傷は、二人がスィックルから逃げる際に受けた、最後の一太刀によるものだ。他にも何十という切り傷を負ってはいるが、その傷が一番大きく、最も危険な傷痕となる。
エリスは手についた血を自身の服で拭いながら驚いていた。勿論、傷の大きさにも驚いたが、何よりも驚いたのは、ラインハルトの胆力だ。
これだけの大きな傷を負っていながら、少女一人を担いでここまで走ってきた。またその道中、苦し気に咳込むことはあっても、傷が痛いと喚くことは一度も無かった。
(これが……皇国に問題児と言われた戦士の姿だっていうの?)
それは違うと、エリスはきっぱりと断言できる。何故なら今の彼の姿こそ、問題児とは真逆に位置する戦士の姿に他ならないのだから。
それでも、エリスは称賛の声と感謝の声を押し留めた。そして混乱し始める思考を頭を振って冷ます。今は、あれこれ考えている場合ではない。
返事はなくとも、エリスは幾度となくラインハルトへと語り掛けた。だがエリスがどれだけ声を掛けようとも、ラインハルトからの答えは返ってこない。
背中が上下していることから呼吸はしているようで、死んではいない事は判る。だが出血が多く、このままでは命に関わるだろう。
「……いけない。急がなくちゃ」
エリスはラインハルトの身体を持ち上げようとした。このままではいつ追手が来るとも限らない。拠点までは流石に無理だとしても、せめて街道から外れた位置までは移動して隠さなければ、抜け出して早々に皇国へ逆戻りとなってしまう。
しかし、戦士でもないエリスに、大柄なラインハルトを持ち上げることは難しい。案の定、肩に担いでも上半身すら満足に持ち上がらず、身体の大部分は引きずる形となってしまった。
悪戦苦闘しつつも、エリスはやっとの思いでラインハルトの身体を街道から除ける事に成功する。欲を言えばもっと奥まで運び、木陰か岩陰に隠してしまいたかったが……たったそれだけの距離を運んだだけで、エリスの息は上がってしまっていた。
数度深呼吸を繰り返し、息を落ち着かせたエリスは、再びラインハルトを持ち上げようと手を伸ばす。しかしその時、エリスは背後の闇から駆けてくる足音を聞いた。
(嘘……まさか……追手!? どうしよう! ラインハルトさんはもう戦えないのに……!)
大傷を受け、気も保てていない状態だというのに、この期に及んでもラインハルトに頼ろうとするエリス。その自身の弱さに気が付くと、彼女は再びぶんぶんと首を振った。
(だめよ、エリス。このままラインハルトさんが見つかってしまえば、どうなるか分からない。ならせめて私が……)
応急処置も施さずに夜の平原へ放置してしまっては、果たして無事で済むかどうか。だがエリスとしては、兵士の立場から無理矢理盗賊に引き込んだ負い目もある。ならばせめて、自信が身代わりとなって彼を逃がす事で、皇国の手から匿えないだろうかと考えた。
エリスはラインハルトへ伸ばしていた手を戻すと、街道の脇に生える草むらにラインハルトを横たえ、街道の上へと引き返す。
足音が近づく。数は……五よりも多い。仮に追手が一人だけであったのなら、色仕掛けでも何でもして隙をつき、突き胸元に潜ませた短剣で一矢報い得ることも出来たかもしれない。だが相手が二人以上になった時点で、彼女の中から戦う選択肢が潰えた。少女が多少癇癪を起こしたところで、大の男数人が相手では話にならない。それが生粋の戦士ともなれば、歯向かうだけ無駄という物だ。
ところが、エリスは聞こえる足音に、ある違和感を感じていた。その違和感とは、『戦士が出す特有の音』が聞こえないことだ。例えば剣と鞘の擦れる音。例えば鞘と金属鎧がかち合う音。そういったがちゃがちゃと喧しい音が、殆ど聞こえないのだ。
拠点の方角をみるエリスには、迫る影が何者なのか、確認する術がない。だが着実に、その足はエリスの下へと近寄っている。
足音が迫るにつれ心を埋め尽くす恐怖。だが次に放たれた言葉が、その全てを払拭してくれた。
「お嬢!? 良かった! ご無事でしたか!」
彼女をお嬢と呼ぶのは、同じ義賊団に属する仲間たちだけだ。つまり、背後から迫る足音の持ち主は、エリスらとは別で動いていた、義賊団員らということになる。
エリスは声に驚き振り向く。するとそこには、十人に及ぶ仲間たち。皆滝のように汗を流し、息を荒げてはいるが、目立った外傷も無く少女の前に傅いている。
「はぁっ、はぁっ……も、申し訳ありません! メルビアの財を盗む策……失敗してしまいました!」
それは、エリスの中でも既に予想していた結果であった。だから必要以上に気を落とすようなことはしない。ただ、一つだけ気がかかりなことだけは確認しなくてはならないが。
「……そう、分かったわ。それでポトムはどうしたの? 姿が見えないけれども……」
「ふ、副団長は……」
失敗したことをはっきりと告げた団員が、今度は言い淀む。
団員の手前気丈にふるまってはいるが、エリスとしても然程余裕があるわけではない。故に自ずと、その曖昧な態度に苛立ちが募る。
「はっきり言いなさい!」
「は、はい! 申し上げます! 副団長は、皇国軍に捕まってしまいました!」
衝撃の報告に、少女は言葉を失くす。
時は少し過ぎ、一同は洞窟内の洋館へと戻ってきていた。皆食堂に会し、既に会議が始まっている。
戻ってきたのは副団長を覗く十人の団員たち。それに気絶したラインハルトとエリスを加えた、計十二名の義賊たちだ。当初拠点を出立した人員は全部で十三なので、一人足りない形となる。
会議が行われる部屋の中には、全て合わせても十一人しかいない。この場にいない二人とは、副団長ポトムと、気を失っているラインハルトだ。前者は先程団員が報告した通り、皇国にて囚われの身となっており、後者は応急処置を受け、別室に手眠りについている。
メルビア邸に忍び込んだ男たちの報告を受け、エリスは神妙な面持ちで腕を組む。
「……じゃあ貴方たちの方にも、皇国の兵士が護衛についていたのね?」
「ああ。あの純白の鎧は、皇国の軍に属する兵士に与えられた物だった。数は俺たちの半分で僅かに五人。数だけで言えば十対五で俺たちが有利だったが……その中に一人『英雄の卵』と呼ばれる輩が混じっていたんだ」
「『英雄の卵』!?」
驚くエリスに、一番近くに座っていた団員が話しかける。
「知っているのですか?」
「知っているも何も、ラインハルトさんをあれだけ痛めつけたのもその英雄の卵よ。……これは本格的に、皇国を敵に回さなきゃならなそうね」
英雄の卵は、皇国が誇る最高戦力である。それが二人も動員されているのであれば、メルビアの行っていた取引は皇国にとってもそれだけ重要な物であると推察できる。ならば、今後同質の案件に手を出す際には、再び彼らとの戦闘を覚悟しなければならない。
団員が語る。
「副団長は俺たちを逃がすために、一人で奴らに向かっていったんだ。一人でも多く拠点に戻り、このことを報せてほしいと言って……」
不甲斐ないと思っているのか、団員らは大人しく項垂れてしまった。
大体の情報が交換されると、エリスは席を立ちあがる。
「うん、大体こんな所か……では今後の我々の方針を述べる。まず、ラインハルトさんの傷が癒えるまで、大きな行動は控える。彼無しで私たちが皇国に勝てる見込み何て、悔しいけど万が一にもないもの。だから当面はラインハルトさんの回復を待ちつつ、慎重に情報収集に徹しましょ」
席に座る各団員は、各々頷くことで理解したことを伝える。
皆がうなずいたと確認すると、エリスは一人一人に労いの言葉を贈り、この日は解散となった。
背後を確認すれば既に馬車は影も形も無く、また追手らしき人影も見当たらない。そこまで確認して漸く、ラインハルトは全力で動かしていた歩みを緩めた。
「がはっ! ……ぜぇっ……ぜぇっ……」
強大な敵との戦闘に加え、満身創痍での全力疾走に、さしものラインハルトも息を荒げる。苦し気に咳と深呼吸を繰り返し、遂にその足は止まってしまった。
すると、歩みが鈍くなった期を見計らって、抱えた荷物が暴れ始める。
「ちょ、っと! いい加減に……離しなさい!!」
ばたばたと手足をばたつかせ、無理矢理身体を捩る。いつものラインハルトなら多少無理やりにでも押さえつけるのだが、この時ばかりは手を滑らせて、少女を落としてしまった。
「へ? あ痛っつぅ!!」
それまであった支えが唐突に無くなり、エリスは体を強かに打ち付ける。
暫し痛みに堪え言葉にならない悲鳴を上げる。やがて痛みが薄れ、身動きが取れるまで回復すると、エリスは声を荒げた。
「もう! いきなり離さないでよ! ……って……ちょっと、大丈夫!?」
文句をの一つでも言ってやろう、とエリスは顔を上げると、そこには地面に倒れたラインハルトの姿が。
エリスは慌ててラインハルトへと駆けより彼の身体を揺さぶった。
「ねぇ! ねぇってば!!」
返事はない。代わりに、彼女の手にぬるりと何かがくっつく。
「ひっ……何よこれ……?」
それは、夥しい量の血だった。ラインハルトの背中には、右の肩口から左の腰に掛けての大きな切り傷が出来ていたのだ。
その傷は、二人がスィックルから逃げる際に受けた、最後の一太刀によるものだ。他にも何十という切り傷を負ってはいるが、その傷が一番大きく、最も危険な傷痕となる。
エリスは手についた血を自身の服で拭いながら驚いていた。勿論、傷の大きさにも驚いたが、何よりも驚いたのは、ラインハルトの胆力だ。
これだけの大きな傷を負っていながら、少女一人を担いでここまで走ってきた。またその道中、苦し気に咳込むことはあっても、傷が痛いと喚くことは一度も無かった。
(これが……皇国に問題児と言われた戦士の姿だっていうの?)
それは違うと、エリスはきっぱりと断言できる。何故なら今の彼の姿こそ、問題児とは真逆に位置する戦士の姿に他ならないのだから。
それでも、エリスは称賛の声と感謝の声を押し留めた。そして混乱し始める思考を頭を振って冷ます。今は、あれこれ考えている場合ではない。
返事はなくとも、エリスは幾度となくラインハルトへと語り掛けた。だがエリスがどれだけ声を掛けようとも、ラインハルトからの答えは返ってこない。
背中が上下していることから呼吸はしているようで、死んではいない事は判る。だが出血が多く、このままでは命に関わるだろう。
「……いけない。急がなくちゃ」
エリスはラインハルトの身体を持ち上げようとした。このままではいつ追手が来るとも限らない。拠点までは流石に無理だとしても、せめて街道から外れた位置までは移動して隠さなければ、抜け出して早々に皇国へ逆戻りとなってしまう。
しかし、戦士でもないエリスに、大柄なラインハルトを持ち上げることは難しい。案の定、肩に担いでも上半身すら満足に持ち上がらず、身体の大部分は引きずる形となってしまった。
悪戦苦闘しつつも、エリスはやっとの思いでラインハルトの身体を街道から除ける事に成功する。欲を言えばもっと奥まで運び、木陰か岩陰に隠してしまいたかったが……たったそれだけの距離を運んだだけで、エリスの息は上がってしまっていた。
数度深呼吸を繰り返し、息を落ち着かせたエリスは、再びラインハルトを持ち上げようと手を伸ばす。しかしその時、エリスは背後の闇から駆けてくる足音を聞いた。
(嘘……まさか……追手!? どうしよう! ラインハルトさんはもう戦えないのに……!)
大傷を受け、気も保てていない状態だというのに、この期に及んでもラインハルトに頼ろうとするエリス。その自身の弱さに気が付くと、彼女は再びぶんぶんと首を振った。
(だめよ、エリス。このままラインハルトさんが見つかってしまえば、どうなるか分からない。ならせめて私が……)
応急処置も施さずに夜の平原へ放置してしまっては、果たして無事で済むかどうか。だがエリスとしては、兵士の立場から無理矢理盗賊に引き込んだ負い目もある。ならばせめて、自信が身代わりとなって彼を逃がす事で、皇国の手から匿えないだろうかと考えた。
エリスはラインハルトへ伸ばしていた手を戻すと、街道の脇に生える草むらにラインハルトを横たえ、街道の上へと引き返す。
足音が近づく。数は……五よりも多い。仮に追手が一人だけであったのなら、色仕掛けでも何でもして隙をつき、突き胸元に潜ませた短剣で一矢報い得ることも出来たかもしれない。だが相手が二人以上になった時点で、彼女の中から戦う選択肢が潰えた。少女が多少癇癪を起こしたところで、大の男数人が相手では話にならない。それが生粋の戦士ともなれば、歯向かうだけ無駄という物だ。
ところが、エリスは聞こえる足音に、ある違和感を感じていた。その違和感とは、『戦士が出す特有の音』が聞こえないことだ。例えば剣と鞘の擦れる音。例えば鞘と金属鎧がかち合う音。そういったがちゃがちゃと喧しい音が、殆ど聞こえないのだ。
拠点の方角をみるエリスには、迫る影が何者なのか、確認する術がない。だが着実に、その足はエリスの下へと近寄っている。
足音が迫るにつれ心を埋め尽くす恐怖。だが次に放たれた言葉が、その全てを払拭してくれた。
「お嬢!? 良かった! ご無事でしたか!」
彼女をお嬢と呼ぶのは、同じ義賊団に属する仲間たちだけだ。つまり、背後から迫る足音の持ち主は、エリスらとは別で動いていた、義賊団員らということになる。
エリスは声に驚き振り向く。するとそこには、十人に及ぶ仲間たち。皆滝のように汗を流し、息を荒げてはいるが、目立った外傷も無く少女の前に傅いている。
「はぁっ、はぁっ……も、申し訳ありません! メルビアの財を盗む策……失敗してしまいました!」
それは、エリスの中でも既に予想していた結果であった。だから必要以上に気を落とすようなことはしない。ただ、一つだけ気がかかりなことだけは確認しなくてはならないが。
「……そう、分かったわ。それでポトムはどうしたの? 姿が見えないけれども……」
「ふ、副団長は……」
失敗したことをはっきりと告げた団員が、今度は言い淀む。
団員の手前気丈にふるまってはいるが、エリスとしても然程余裕があるわけではない。故に自ずと、その曖昧な態度に苛立ちが募る。
「はっきり言いなさい!」
「は、はい! 申し上げます! 副団長は、皇国軍に捕まってしまいました!」
衝撃の報告に、少女は言葉を失くす。
時は少し過ぎ、一同は洞窟内の洋館へと戻ってきていた。皆食堂に会し、既に会議が始まっている。
戻ってきたのは副団長を覗く十人の団員たち。それに気絶したラインハルトとエリスを加えた、計十二名の義賊たちだ。当初拠点を出立した人員は全部で十三なので、一人足りない形となる。
会議が行われる部屋の中には、全て合わせても十一人しかいない。この場にいない二人とは、副団長ポトムと、気を失っているラインハルトだ。前者は先程団員が報告した通り、皇国にて囚われの身となっており、後者は応急処置を受け、別室に手眠りについている。
メルビア邸に忍び込んだ男たちの報告を受け、エリスは神妙な面持ちで腕を組む。
「……じゃあ貴方たちの方にも、皇国の兵士が護衛についていたのね?」
「ああ。あの純白の鎧は、皇国の軍に属する兵士に与えられた物だった。数は俺たちの半分で僅かに五人。数だけで言えば十対五で俺たちが有利だったが……その中に一人『英雄の卵』と呼ばれる輩が混じっていたんだ」
「『英雄の卵』!?」
驚くエリスに、一番近くに座っていた団員が話しかける。
「知っているのですか?」
「知っているも何も、ラインハルトさんをあれだけ痛めつけたのもその英雄の卵よ。……これは本格的に、皇国を敵に回さなきゃならなそうね」
英雄の卵は、皇国が誇る最高戦力である。それが二人も動員されているのであれば、メルビアの行っていた取引は皇国にとってもそれだけ重要な物であると推察できる。ならば、今後同質の案件に手を出す際には、再び彼らとの戦闘を覚悟しなければならない。
団員が語る。
「副団長は俺たちを逃がすために、一人で奴らに向かっていったんだ。一人でも多く拠点に戻り、このことを報せてほしいと言って……」
不甲斐ないと思っているのか、団員らは大人しく項垂れてしまった。
大体の情報が交換されると、エリスは席を立ちあがる。
「うん、大体こんな所か……では今後の我々の方針を述べる。まず、ラインハルトさんの傷が癒えるまで、大きな行動は控える。彼無しで私たちが皇国に勝てる見込み何て、悔しいけど万が一にもないもの。だから当面はラインハルトさんの回復を待ちつつ、慎重に情報収集に徹しましょ」
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