最強使い魔軍団を従えて

K.K

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使い魔園

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「ソフィア様、素晴らしかったですよ。あの態度、あの言動、本当に素晴らしい悪役でした。」

「恥ずかしいから言わないでよ。私も少しやり過ぎたって反省しているんだよ。」

「…これが、先程の少女なのか。」

 ドレスと茶色のかつらをかぶり直したソフィアは羞恥心で震えていた。人前であんな風に振る舞った事実が恥ずかしくて仕方がないのだ。

「私と出会った時は、もう少し立派な人間に見えましたけどね。」

 リアムから自分の姿を隠すように、木の陰から此方を伺うソフィアの姿にクロードがタメ息を吐く。

「ソフィアさんでしたか。貴女は本当に上級使い魔と契約をしたんですか。」

「うん。」

 ソフィアは確かにクロードと契約した。イヤ違う。クロードだけではない。今はこの場所にいないがソフィアは全ての最上級使い魔と契約を結んでいた。

 
 あれは本当に偶然だった。モコがいつものようにエレナ達のお願いで、ソフィアのドレスを作っていた時のことだった。

「本当にモコ様の魔法は素晴らしいわ。確かモコ様が使えるのは調合の魔法だったわよね。私も調合の魔法を使える使い魔が欲しいわ。」

『えへへ。でも僕の魔法は調合だけではないよ。もっと凄い魔法を使えるんだ。』

「モコは調合以外の魔法も使えるの。」

『うん。』

 そう言われると見たくなるのが人間の心理である。ソフィアはドレス作りを中断させて、モコに魔法を見せて欲しいとお願いした。

『分かった。確かに彼等もソフィアに会いたいって、言っていたもんね。』

「彼等?会いたい?モコ、少し待って。モコの『行くよ。皆出てきて。』」

 使う魔法はどんな魔法なの。ソフィアがその言葉を言う前にモコは魔法を発動させた。モコの使用した魔法は『仲間を呼ぶ』。モコ曰く、自分の友達を呼ぶ魔法であった。
 しかし、召喚されたのはモコの友達と呼ぶにはほぼ遠い者達だった。

『お呼びでしょうか、主人様。』

『モコ様呼んだ。俺たち眷属を全員召喚するなんて、珍しいな。』

『あわわ、人間がいます。もしかして、あの子がソフィアちゃんですか。』

『そうだよ。』

『では人間の姿で挨拶をした方がいいだろう。』

『そうですわね。』

 こうして現れたのが最上級使い魔の集団であった。彼等は自分はモコの眷属である。モコの契約主であるソフィアとは強制的に使い魔、使い魔使いの関係になっているから宜しく。と言い、ソフィアは自分の意思とは関係なく、最強の使い魔達を従わせる権利を得たのだった。

「本当にあの時は驚いたよ。押し掛け女房ならぬ、押し掛け最上級使い魔。現実は何が起こるか分からない。そう実感させられたよ。」

「それは私の台詞です。まさか私のパートナが9才の少女とは、本当に現実は何が起こるか分からないものですね。」

「…9才、押し掛け最上級使い魔だと。」

 日常会話のように話すソフィア達の横でリアムは頭を抱える。上級使い魔の件を抜きにしても、目の前に居るソフィアの話し方、行動、その全てが自分と同い年とは思えなかった。自分もかなり大人びていると周囲に言われているが、上には上が居る。リアムはその事を実感した。だが不思議とソフィアに対する劣等感は産まれない。寧ろ、ソフィアと出会った事が本気で神に感謝した。

「あはははは、ソフィア。君は本当に面白い子だね。」

「はぁ。」

 突然笑い出すリアムにソフィアは少し間抜けな声を出す。その声にリアムは更に大声で笑う。

「ごめんな。でも嬉しかったんだ。俺より凄い人物なんて、同年代ではいないと思って居たからな。」

「えっ、私はそんなに凄い人ではないよ。」

「それ本気で言っているの。ごめん。お腹痛い。」

 当然だがソフィアは本気で言っていた。凄いのはクロードでありソフィアではない。だが、そんな事はリアムには伝わらない。

「ソフィア、本気で気に入った。僕の婚約者にならないか。」

「すいません。遠慮します。」

 さらりと告白するリアムとずばりと断るソフィア。事件はまだ終わっていない。
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