最強使い魔軍団を従えて

K.K

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使い魔園

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「どうしてだ。なんで俺の告白を断るんだ。自分で言うのはあれだが、顔も良い、勉強も出来る、運動神経も良くて将来も安泰の超優良物件だぜ。」

「リアムのことを知らないし、それにリアムって言うほど格好良いとは思えないよ。」

 酷い言いようである。リアムの目は信じられないとばかりに大きくなる。だが、ソフィアはリアムが王子だとは知らない。リアムの顔も本気で平凡より少し上くらいだと思っていた。

「自分より美形でないと結婚出来ないと言いたいのか。」

「何を言っているの?私は美形ではないよ。お世辞はいらないよ。」

「えっ。」

「えっ。」

 ここでソフィアとリアムの両者に認識の違いが発生した。何度でも言おう。ソフィアは美少女である。変装をしてもその事実は変わらない。だがソフィアは自分を平凡だと思い込んでいた。それはソフィアは育てられた環境に理由があった。
 ソフィアの屋敷の使用人は美男美女しか勤めていない。それこそ周囲がルリアミーナ伯爵家の当主は使用人を実力ではなく、顔で選んでると噂されるほどだ。実際は噂は出鱈目であり偶然顔もよく実力も備わった使用人が集まっただけだった。
 しかし、この環境が日常であったソフィアは、自分の顔が平凡だと思い込んでしまっていた。自分が美少女だと言われても、ソフィアにはお世辞にしか捉えられないのだ。

「それに私くらいの顔や能力を持った女の子なら、探せば簡単に見付かるよ。」

「見付かるわけ無いだろう!?」

 どこのコントだ。2人のやり取りを眺めて居ただけのクロードは心の中で突っ込む。この状況はソフィアの方に全面的に非がある。誰が考えても最上級使い魔を従わせるだけの力を持った少女はソフィアしかいない。(実際、全ての最上級使い魔と契約している)
 だが、殆んど偶然のように最上級使い魔と契約をして、クリスが溺愛する故に滅多に屋敷から出ない為に常識はずれに育ってしまったソフィアが全て悪いと言えないのも事実であった。

「ソフィア様が迷惑を掛けてすいません。ただ、ソフィア様の周囲には私と同格の顔偏差値を持つ者が大勢居るんです。」

「…何だろう。悔しいが何も言い返せない。」

 見ていられないクロードは、ソフィアに助け船を出す。リアムは悔しそうにするが、あれだけの説明で全てを納得した。実際に顔だけで見れば、クロードはリアムの上を行っていた。
 黒い髪は艶々と輝き、眼鏡の奥から覗く瞳は鋭く多くの者を魅了する姿をしていた。対するリアムも美形ではあるが、未だに幼さの残る容姿ではクロードには敵わなかった。

「とにかく、私は結婚は好きな人としたいんです。だから、ごめんなさい。」

 話が分からないソフィアは取り敢えずもう一度謝る。リアムはタメ息を吐き、その場にしゃがみこむ。

「ウソだろう。一応初恋なんだぞ。なのに、俺に興味が無いなんて、普通の女の子は自分から寄って来るのに何でだよ。」

『…ドンマイ。』

 軽く自暴自棄になるリアムをモコが励ます。言葉は通じないが、気持ちは伝わったようでリアムは少し元気になったようで、うっすら笑みを浮かべる。

「そうだよな。切り替えないとな。俺もソフィアが俺に興味を示さない子だから、好きになったのかも知れないしな。」

 リアムが何かを決意したように立ち上がる。

「ソフィア、僕は必ず君に相応しい男になる。だから、俺が君を好きでいるのを許して欲しい。」

「はぁ。」

 この瞬間、男達の心はひとつになる。ソフィアは恋愛に興味が無さすぎだろう。クロードとモコもこれにはリアムに同情する。だが、リアムは強かった。

「俺は諦めない。ソフィアを必ず向か「させるか。」ぇ。」

『リアム。』
「お父様。」

 ソフィアの手を握り愛の告白を続けるリアムに、クリスの拳が炸裂する。子供なのに手加減をしないクリスの拳に、リアムは気絶をする。

「ソフィアは絶対に嫁にはやらん。」

「放してよ。クロード、リアムの怪我の手当てをお願いね。」

『凄いね。』

「ええ、私たちも早く戻りましょうか。」

 お姫様だっこで連れ去られるソフィアを見ながら、クロードは彼女と婚約するにはクリスを倒さないとダメだといけない事実を知る。

(だが、私には関係のないことですね。頑張れ、少年。)

 リアムの可能性の低さに同情しながら、クロードは心の中でエールを送るのだった。
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