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ドジっ子ルース登場
24 その頃のリアム
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使い魔園の事件から数日が経った。あの日からリアムの周囲では使い魔園の話題が絶えなかった。
「知っていますか。ルリアミーナ家が作られた幻のドレス。」
「ええ、わたくしも1度見てみたいですわ。」
「あの有名な料理人が捕らえられたって噂は本当かよ。」
「本当だよ。それより、リーフル公爵家の噂知っているか。」
「当然だろう。娘を王子の婚約者にする為に、上級使い魔使いを騙して屋敷の牢屋に入れたんだろう。」
「怖いよな。でもあのワガママ娘に上級使い魔を従わせる力はないって、皆話していたもんな。」
城のどこを歩いても、誰もが使い魔園の噂を口にする。何度も話して飽きないのかとリアムは呆れてしまう。
「そう言えば、ルナ仮面って知っているか?」
「最上級使い魔を従える少女だろう。でも、あれはウソだって聞いたぜ。」
「ウソではない。ルナ仮面は本当に居るぞ。」
リアムの突然の乱入に先程まで、笑いながら会話を楽しんでいた騎士が慌てて敬礼をする。ソフィアの話しをしていたので、つい口を挟んでしまったとリアムは反省する。
使い魔園の事件の中にはこの騎士達のように、噂だけでは全てを信じない者がいた。そして、多くの者がルナ仮面はいないと言う。最上級使い魔を従えているのが、リアムと同い年位の少女と言う目撃者の証言が信じられないのだろう。
『ルナ仮面か。俺も会ってみたいな。』
「そうだな。次に会ったときはゴウにも紹介するからな。」
『ああ。』
リアムは歩きながら、自分の使い魔のゴウと会話をする。ゴウは最近契約したリアムの使い魔だ。しかも上級使い魔であり、同年代の男からは嫉妬と欲望を、女からは尊敬の目差しをリアムはもらっている。特に女は王子という肩書きに加えて、上級使い魔使いになったリアムの婚約者になろうと躍起になっている。その背景にはリアムの婚約者確実と言われていたローズが消えたことが大きいだろう。
だが、リアムには既に好きな人がいる。ソフィア以外に婚約したい相手はいない。ソフィアは今は何をしているかな。ふと、リアムは窓の外を見上げる。
「ソフィア様なら現在、新しい商品開発をしていますよ。」
「ク、クロード‼なぜここに居る。」
窓の外から突然クロードが現れて、リアムは大声で叫ぶ。だがクロードは気にした様子はなく、逆さになり、木の枝に足を掛けて窓からリアムを見つめている。リアム以外の人に見付かれば、確実に通報されて捕らえられるくらい不審である。
「取り敢えず、中に入れ。」
「お邪魔しますね。」
慌ててリアムが窓を開けると、クロードが待っていたとばかりに直ぐに城の中に入る。リアムはしまったと後悔する。普通に考えれば、あの不審な状態でずっと居ればリアムより先に別の人が見付けている。それが見付からなかったのは、クロードがリアムが来るのをその場所で隠れて待っていたからだ。咄嗟の事態だったとはいえ、頭が働かなかった自分が恨めしかった。
「何をしに来たんだ。」
「リーフル公爵家を捕まえるのに、協力したというのにリアムは冷たいですね。」
「ローズの件に関しては感謝はしている。だが、城に勝手に来る理由には「あっ、この子がローズの件を解決したことで、リアムが契約をするのを許された火の上級使い魔ですか。」話を聞け。」
クロードはリアムの話を聞く気が全く無いようだ。しかもクロードはリアムがゴウと契約した経緯を知っているようだ。リアムは前々からゴウを自分の使い魔にしようとしていた。ゴウもリアムを主人だと認めていた。リアムは直ぐに契約を結ぼうとしたが、国王が反対したのだ。
「ローズだけが幼い間に上級使い魔と契約している方が、リーフル公爵家は大胆に動く。考えても見ろ。将来優良物件のローズ。お近づきになりたい奴は多い。だが、そこにローズ以上の優良物件が現れて見ろ。全てが台無しだ。ローズの件が片付くまで、リアムは上級使い魔との契約は禁止だ。」
王命には逆らえない。だけど、ゴウとは直ぐにでも契約をしたい。リアムは自分の力でローズの件を解決しようと決めたのだった。
だが、それは過去の話。ゴウと無事に契約を結べただけではなく、本気で手に入れたいと感じた初恋も出来た。それに苦労したからこそ、今ゴウと共に居られる事に喜びを感じられる。ローズの我が儘に付き合ったり、ご機嫌を取ったりした黒歴史を除いても、あの時間は無駄ではないと思う。
「黒歴史ですか。是非詳しく聞きたいですね。」
「なんで、知っている。」
『心の声漏れてたぞ。』
「ウソだろう。」
(やはり、彼の魔力はハンナより高いですね。しかも、使い魔と会話が出来るだけの能力がある。)
クロードはゴウと会話をするリアムを見る。クロードは最上級使い魔である。通常なら知ることのない事実を知っていた。
(ソフィア様より低いとはいえ、これだけ魔力を持つ者が2人。いや、私が出会っていないだけで、まだ力を隠し持つ子供が居るはずです。世界を導く子供たち。早く、全員に会いたいものだ。)
目を閉じてクロードは自分がここに居る意味を考える。そして、考えるのをやめた。今はそれを考える時ではないのだ。クロードにはそれを考えるよりも先に、やらないといけない目的が会ってリアムに会いに来たのだ。
「それでクロードはなんで、ここに居るんだ?」
「そんなのリアムを脅しに来たからに決まっているでしょう。」
「はぁ!?」
「悪いですが、協力してもらいますよ。」
不気味に笑いながら、クロードはリアムとゴウを壁に追い詰める。平和なはずの城内で悪魔が動き出した。
「知っていますか。ルリアミーナ家が作られた幻のドレス。」
「ええ、わたくしも1度見てみたいですわ。」
「あの有名な料理人が捕らえられたって噂は本当かよ。」
「本当だよ。それより、リーフル公爵家の噂知っているか。」
「当然だろう。娘を王子の婚約者にする為に、上級使い魔使いを騙して屋敷の牢屋に入れたんだろう。」
「怖いよな。でもあのワガママ娘に上級使い魔を従わせる力はないって、皆話していたもんな。」
城のどこを歩いても、誰もが使い魔園の噂を口にする。何度も話して飽きないのかとリアムは呆れてしまう。
「そう言えば、ルナ仮面って知っているか?」
「最上級使い魔を従える少女だろう。でも、あれはウソだって聞いたぜ。」
「ウソではない。ルナ仮面は本当に居るぞ。」
リアムの突然の乱入に先程まで、笑いながら会話を楽しんでいた騎士が慌てて敬礼をする。ソフィアの話しをしていたので、つい口を挟んでしまったとリアムは反省する。
使い魔園の事件の中にはこの騎士達のように、噂だけでは全てを信じない者がいた。そして、多くの者がルナ仮面はいないと言う。最上級使い魔を従えているのが、リアムと同い年位の少女と言う目撃者の証言が信じられないのだろう。
『ルナ仮面か。俺も会ってみたいな。』
「そうだな。次に会ったときはゴウにも紹介するからな。」
『ああ。』
リアムは歩きながら、自分の使い魔のゴウと会話をする。ゴウは最近契約したリアムの使い魔だ。しかも上級使い魔であり、同年代の男からは嫉妬と欲望を、女からは尊敬の目差しをリアムはもらっている。特に女は王子という肩書きに加えて、上級使い魔使いになったリアムの婚約者になろうと躍起になっている。その背景にはリアムの婚約者確実と言われていたローズが消えたことが大きいだろう。
だが、リアムには既に好きな人がいる。ソフィア以外に婚約したい相手はいない。ソフィアは今は何をしているかな。ふと、リアムは窓の外を見上げる。
「ソフィア様なら現在、新しい商品開発をしていますよ。」
「ク、クロード‼なぜここに居る。」
窓の外から突然クロードが現れて、リアムは大声で叫ぶ。だがクロードは気にした様子はなく、逆さになり、木の枝に足を掛けて窓からリアムを見つめている。リアム以外の人に見付かれば、確実に通報されて捕らえられるくらい不審である。
「取り敢えず、中に入れ。」
「お邪魔しますね。」
慌ててリアムが窓を開けると、クロードが待っていたとばかりに直ぐに城の中に入る。リアムはしまったと後悔する。普通に考えれば、あの不審な状態でずっと居ればリアムより先に別の人が見付けている。それが見付からなかったのは、クロードがリアムが来るのをその場所で隠れて待っていたからだ。咄嗟の事態だったとはいえ、頭が働かなかった自分が恨めしかった。
「何をしに来たんだ。」
「リーフル公爵家を捕まえるのに、協力したというのにリアムは冷たいですね。」
「ローズの件に関しては感謝はしている。だが、城に勝手に来る理由には「あっ、この子がローズの件を解決したことで、リアムが契約をするのを許された火の上級使い魔ですか。」話を聞け。」
クロードはリアムの話を聞く気が全く無いようだ。しかもクロードはリアムがゴウと契約した経緯を知っているようだ。リアムは前々からゴウを自分の使い魔にしようとしていた。ゴウもリアムを主人だと認めていた。リアムは直ぐに契約を結ぼうとしたが、国王が反対したのだ。
「ローズだけが幼い間に上級使い魔と契約している方が、リーフル公爵家は大胆に動く。考えても見ろ。将来優良物件のローズ。お近づきになりたい奴は多い。だが、そこにローズ以上の優良物件が現れて見ろ。全てが台無しだ。ローズの件が片付くまで、リアムは上級使い魔との契約は禁止だ。」
王命には逆らえない。だけど、ゴウとは直ぐにでも契約をしたい。リアムは自分の力でローズの件を解決しようと決めたのだった。
だが、それは過去の話。ゴウと無事に契約を結べただけではなく、本気で手に入れたいと感じた初恋も出来た。それに苦労したからこそ、今ゴウと共に居られる事に喜びを感じられる。ローズの我が儘に付き合ったり、ご機嫌を取ったりした黒歴史を除いても、あの時間は無駄ではないと思う。
「黒歴史ですか。是非詳しく聞きたいですね。」
「なんで、知っている。」
『心の声漏れてたぞ。』
「ウソだろう。」
(やはり、彼の魔力はハンナより高いですね。しかも、使い魔と会話が出来るだけの能力がある。)
クロードはゴウと会話をするリアムを見る。クロードは最上級使い魔である。通常なら知ることのない事実を知っていた。
(ソフィア様より低いとはいえ、これだけ魔力を持つ者が2人。いや、私が出会っていないだけで、まだ力を隠し持つ子供が居るはずです。世界を導く子供たち。早く、全員に会いたいものだ。)
目を閉じてクロードは自分がここに居る意味を考える。そして、考えるのをやめた。今はそれを考える時ではないのだ。クロードにはそれを考えるよりも先に、やらないといけない目的が会ってリアムに会いに来たのだ。
「それでクロードはなんで、ここに居るんだ?」
「そんなのリアムを脅しに来たからに決まっているでしょう。」
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不気味に笑いながら、クロードはリアムとゴウを壁に追い詰める。平和なはずの城内で悪魔が動き出した。
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