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ドジっ子ルース登場
25 その頃のリアム
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「父上、こちらは僕の友人のクロードです。」
「初めまして国王様。」
「ほう、リアムが友人を紹介するとは珍しいな。」
「急に友人を連れてくるなんてマネーがなっていないな。これだから、側室の子供は嫌なんだ。」
「よさんか、シモン。」
クロードはリアムに国王の謁見の間に案内をさせた。クロードは外面の笑みを浮かべて形式ばかりの礼をする。国王は滅多に友人を作らないリアムがわざわざ自分に紹介する程仲が良いのだと、クロードに好印象を抱いた。
だが、国王の隣に居た第1王子のシモンは違った。クロードを敵意丸出しで睨んでいる。シモンは王妃の息子の為、王位継承権は1位だが、自分より時期国王に相応しいと噂されるリアムに嫉妬していた。その為、シモンはリアムがする事の全てが気に入らないのだ。シモンの態度に隣に居る国王すら呆れている。
「実は父上にお願いがあります。クロードの雇い主が、商会を作りたいとの事でその許可が欲しいのです。」
「お前がそんな事を言うとは本当に珍しい。今日は氷でも降るのか。」
「父上、真面目に聞いて下さい。」
「分かっておる。だが、先に商品を見せろ。商会を立ち上げる価値があるかはわしが決める。」
たまに冗談を言う国王だが、仕事には真面目のようだ。クロードを試すような視線が射貫く。国王の許可がある商会は国に認められた、信頼のある商品を扱っているという証明になる。国王はリアムの友人とはいえ簡単に許可を出す気は無いようだ。だが、その程度の事はクロードには想定内だった。
「お断りします。私はリアムは信用しますが、初対面の国王と隣に居る坊やを信用していません。商会が完成する前に商品の流出をする可能性を無くす為、商品をこの場に出すことは出来ません。」
しかし、クロードは商品を出すことはしない。この態度に国王は眉を動かすが、それ以外は先程と変わらない。
(流石は国王だ。感情を隠すのが上手い。)
内心は驚きで満ちているだろう。なのに表情に一切出さない国王にクロードは好感を持つ。相手に自分の手の内を悟らせないのは、事を有利に運ぶのに重要なことだ。実際、国王は中々の切れ者だった。クロードが商品を出さなくても国王の信用を得られる何かを持っていると推測して、クロードの次の言葉を待っていた。
だが、クロードが次の言葉を発する前に思わぬ邪魔者が入った。
「それで国王の許可が出るはず無いだろう。所詮は側室の子供の友人。物事を簡単に考えすぎなんだよ。」
「失礼ですが、貴方はなぜ私が商品を出さないか分からないのですか?」
「そんなの商品が父上の許可を得るにはほど遠い、不良品だからに決まっているだろう。」
「すいません。シモンはクロードのことをよく知らないんです。おい、早くクロードに謝れ。」
兄のシモンの発言にリアムは顔を青くして慌てる。国王はリアムの反応から、クロードがただ者ではないと確信したようだが、シモンは違った。自分を怒るリアムを生意気だと、王子が平民に簡単に謝れるかと憤慨する。
「先程から何様のつもりですか。会話に口を挟むだけの知識がないのに、言葉を発して会話の邪魔をする。今の国王は優秀なようですが、これでは次の代でこの国は終わりですね。」
「誰かこいつを捕らえろ。時期国王を侮辱した罪で牢屋にいれろ。」
クロードの周囲を側に控えていた騎士たちが取り囲む。シモンは勝ち誇ったように笑う。
「感情に任せての発言。やはり、商品を持ってこないで正解でした。あれ も少なく側に居るのも不快です。私は貴方が嫌いです。だから、貴方と敵対します。」
クロードの言葉を最後に、騎士たちが吹き飛ばされる。シモンと国王は驚く。だが、それは一瞬だった。シモンの顔が恐怖の色に染まる。
「…ダ、ダークウルフ。」
「リアムからルナ仮面という最上級使い魔使いと出会い友人になったと言う話は聞いたが、まさか彼が最上級使い魔なのか。」
国王の言葉にリアムは頷く。シモンは自分がしでかした事態の重要さをやっと理解した。シモンはこの世界で絶対に敵にしてはいけない人物(使い魔)を敵に回したのだ。
「この姿を見せれば、商会が無くても信用を得られると確信していました。最上級使い魔が販売する商品。絶対に売れますよね。」
「ああ、直ぐに商会の許可証を作ろう。」
「ありがとうございます。」
クロードは人間の姿に戻ると、国王からの許可をもらう。そして、恐怖で動けないシモンの前に移動した。
「それから、貴方は私たちの商会の商品を絶対に使わないで下さいね。もし、貴方が遣っているのを見たら、私自身が何をするなか分かりませんので。」
「はい。」
「宜しい。それと、リアムはあの件を頼みましたよ。」
「ああ。」
人形のように何度も頷くシモンを確認して、クロードは満足する。そして、リアムに挨拶を終えると何事もなかったように謁見の間から去っていった。
「俺、クロードの友人続けられるかな。」
心労で倒れるかも知れないと、将来を不安になるリアムだった。
「初めまして国王様。」
「ほう、リアムが友人を紹介するとは珍しいな。」
「急に友人を連れてくるなんてマネーがなっていないな。これだから、側室の子供は嫌なんだ。」
「よさんか、シモン。」
クロードはリアムに国王の謁見の間に案内をさせた。クロードは外面の笑みを浮かべて形式ばかりの礼をする。国王は滅多に友人を作らないリアムがわざわざ自分に紹介する程仲が良いのだと、クロードに好印象を抱いた。
だが、国王の隣に居た第1王子のシモンは違った。クロードを敵意丸出しで睨んでいる。シモンは王妃の息子の為、王位継承権は1位だが、自分より時期国王に相応しいと噂されるリアムに嫉妬していた。その為、シモンはリアムがする事の全てが気に入らないのだ。シモンの態度に隣に居る国王すら呆れている。
「実は父上にお願いがあります。クロードの雇い主が、商会を作りたいとの事でその許可が欲しいのです。」
「お前がそんな事を言うとは本当に珍しい。今日は氷でも降るのか。」
「父上、真面目に聞いて下さい。」
「分かっておる。だが、先に商品を見せろ。商会を立ち上げる価値があるかはわしが決める。」
たまに冗談を言う国王だが、仕事には真面目のようだ。クロードを試すような視線が射貫く。国王の許可がある商会は国に認められた、信頼のある商品を扱っているという証明になる。国王はリアムの友人とはいえ簡単に許可を出す気は無いようだ。だが、その程度の事はクロードには想定内だった。
「お断りします。私はリアムは信用しますが、初対面の国王と隣に居る坊やを信用していません。商会が完成する前に商品の流出をする可能性を無くす為、商品をこの場に出すことは出来ません。」
しかし、クロードは商品を出すことはしない。この態度に国王は眉を動かすが、それ以外は先程と変わらない。
(流石は国王だ。感情を隠すのが上手い。)
内心は驚きで満ちているだろう。なのに表情に一切出さない国王にクロードは好感を持つ。相手に自分の手の内を悟らせないのは、事を有利に運ぶのに重要なことだ。実際、国王は中々の切れ者だった。クロードが商品を出さなくても国王の信用を得られる何かを持っていると推測して、クロードの次の言葉を待っていた。
だが、クロードが次の言葉を発する前に思わぬ邪魔者が入った。
「それで国王の許可が出るはず無いだろう。所詮は側室の子供の友人。物事を簡単に考えすぎなんだよ。」
「失礼ですが、貴方はなぜ私が商品を出さないか分からないのですか?」
「そんなの商品が父上の許可を得るにはほど遠い、不良品だからに決まっているだろう。」
「すいません。シモンはクロードのことをよく知らないんです。おい、早くクロードに謝れ。」
兄のシモンの発言にリアムは顔を青くして慌てる。国王はリアムの反応から、クロードがただ者ではないと確信したようだが、シモンは違った。自分を怒るリアムを生意気だと、王子が平民に簡単に謝れるかと憤慨する。
「先程から何様のつもりですか。会話に口を挟むだけの知識がないのに、言葉を発して会話の邪魔をする。今の国王は優秀なようですが、これでは次の代でこの国は終わりですね。」
「誰かこいつを捕らえろ。時期国王を侮辱した罪で牢屋にいれろ。」
クロードの周囲を側に控えていた騎士たちが取り囲む。シモンは勝ち誇ったように笑う。
「感情に任せての発言。やはり、商品を持ってこないで正解でした。あれ も少なく側に居るのも不快です。私は貴方が嫌いです。だから、貴方と敵対します。」
クロードの言葉を最後に、騎士たちが吹き飛ばされる。シモンと国王は驚く。だが、それは一瞬だった。シモンの顔が恐怖の色に染まる。
「…ダ、ダークウルフ。」
「リアムからルナ仮面という最上級使い魔使いと出会い友人になったと言う話は聞いたが、まさか彼が最上級使い魔なのか。」
国王の言葉にリアムは頷く。シモンは自分がしでかした事態の重要さをやっと理解した。シモンはこの世界で絶対に敵にしてはいけない人物(使い魔)を敵に回したのだ。
「この姿を見せれば、商会が無くても信用を得られると確信していました。最上級使い魔が販売する商品。絶対に売れますよね。」
「ああ、直ぐに商会の許可証を作ろう。」
「ありがとうございます。」
クロードは人間の姿に戻ると、国王からの許可をもらう。そして、恐怖で動けないシモンの前に移動した。
「それから、貴方は私たちの商会の商品を絶対に使わないで下さいね。もし、貴方が遣っているのを見たら、私自身が何をするなか分かりませんので。」
「はい。」
「宜しい。それと、リアムはあの件を頼みましたよ。」
「ああ。」
人形のように何度も頷くシモンを確認して、クロードは満足する。そして、リアムに挨拶を終えると何事もなかったように謁見の間から去っていった。
「俺、クロードの友人続けられるかな。」
心労で倒れるかも知れないと、将来を不安になるリアムだった。
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