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AクラスVSBクラス
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「あ、貴方は証拠を出せるの。」
震える声でミルクが尋ねる。
「出せるわけ無いでしょう。」
「証拠があるの?ないの?どっちよ!?」
スイレンの発言にミルクは内心ホッとする。そんな変な人の話しは誰も信じない。スイレンには証拠なんて最初から存在しない。周囲の観客は先程のスイレンの発言にポカーンとしている。ミルクはイケると確信した。
「私には証拠がない。だが、このドレスがルリアミーナ家の名を語る偽者の作ったドレスだと、証明できる人物を知っている。」
スイレンは不敵に笑うと、ミルクから視線を離して、ソフィアの隣を見た。その視線に周囲の人はドキリとする。スイレンの魅惑的な瞳は全ての人を釘付けにした。
「それは…、こいつだ。水縄。」
「きゃ~。」
「ルース‼」
スイレンはダンスを踊るような流れるような動きで、水の縄を発動してルースを捕らえる。ルースの一本釣りだ。ソフィアの隣に居たルースがスイレンの水のロープに釣られて、スイレンにお姫さま抱っこされる。美形な2人の光景はとても絵になり、周囲から幾つもの感嘆のため息が漏れる。
だが周囲の反応とは違い、釣られたルースは大変だ。早く下ろしてと、水縄の中で暴れる。
「離して下さい。」
「証拠は暴れない。これが片付いたら、直ぐに降ろすから、もう少し待っていてね。」
スイレンがルースを咎めるように注意する。だが何故ルースが証拠を持っているのか。疑問に感じたソフィアだが、その答えは直ぐに明かされた。スイレンが懐から1枚の紙を取り出すと、高らかにそれを掲げた。
「これは国王から貰ったルリアミーナ商会の設立を許可する王命文だ。ここには、商会を王家のご用達と認めること。そして、ルース・エンジェリングをルリアミーナ商会の会長として任命すると書かれている。」
「あれは本物なのか。」
「ソフィア説明してくれ。」
「私も初めて知ったから説明のしようがないよ。」
話が噛み合っていない。ルースがルリアミーナ家の会長になることは、ハンナから説明を受けていてソフィアも当然知っていた。だが、彼女の本名はルース・エンジェリングと言うのか。それを初めて知ったソフィアは、イオ様の質問の意味を誤解して答えてしまった。
イオ様もソフィアは絶対に何かを誤解していると思ったが、スイレン達の様子が気になり言葉を続けるのを止めた。
「そんな紙は偽物よ。それにエンジェリングなんて家の名は聞いたこと無いわ。そんな子をルリアミーナ家が会長に任命するはずが無いわ。」
「偽物では無いよ。それは僕の目の前で父上が書いたものだからな。」
「リ、リアム!?」
「「リアム王子様!?」」
「「「えっ。」」」
3人の言葉がハモる。イオとリオはソフィアが王子を普通に呼び捨てにしたことに驚き、ソフィアはリアムが王子だったことに驚いていた。目をパチクリさせてお互いを見る。その様子を遠くから眺めていたリアムは軽く苦笑すると、目の前の少女に向き合った。
「な、なんでリアム王子がこんな所に護衛も無しに来るんですか。」
「ルリアミーナ家に勤めている友人から、招待状があるから一緒に行こうと誘われたんだ。父上も彼の事を信用していてね。護衛は彼だけで大丈夫だろうと、笑顔で送り出してくれたよ。」
ミルクの、周囲の人が一斉に息を飲む。リアムの横にはおとぎ話でしか知らない伝説の最上級使い魔がいた。
震える声でミルクが尋ねる。
「出せるわけ無いでしょう。」
「証拠があるの?ないの?どっちよ!?」
スイレンの発言にミルクは内心ホッとする。そんな変な人の話しは誰も信じない。スイレンには証拠なんて最初から存在しない。周囲の観客は先程のスイレンの発言にポカーンとしている。ミルクはイケると確信した。
「私には証拠がない。だが、このドレスがルリアミーナ家の名を語る偽者の作ったドレスだと、証明できる人物を知っている。」
スイレンは不敵に笑うと、ミルクから視線を離して、ソフィアの隣を見た。その視線に周囲の人はドキリとする。スイレンの魅惑的な瞳は全ての人を釘付けにした。
「それは…、こいつだ。水縄。」
「きゃ~。」
「ルース‼」
スイレンはダンスを踊るような流れるような動きで、水の縄を発動してルースを捕らえる。ルースの一本釣りだ。ソフィアの隣に居たルースがスイレンの水のロープに釣られて、スイレンにお姫さま抱っこされる。美形な2人の光景はとても絵になり、周囲から幾つもの感嘆のため息が漏れる。
だが周囲の反応とは違い、釣られたルースは大変だ。早く下ろしてと、水縄の中で暴れる。
「離して下さい。」
「証拠は暴れない。これが片付いたら、直ぐに降ろすから、もう少し待っていてね。」
スイレンがルースを咎めるように注意する。だが何故ルースが証拠を持っているのか。疑問に感じたソフィアだが、その答えは直ぐに明かされた。スイレンが懐から1枚の紙を取り出すと、高らかにそれを掲げた。
「これは国王から貰ったルリアミーナ商会の設立を許可する王命文だ。ここには、商会を王家のご用達と認めること。そして、ルース・エンジェリングをルリアミーナ商会の会長として任命すると書かれている。」
「あれは本物なのか。」
「ソフィア説明してくれ。」
「私も初めて知ったから説明のしようがないよ。」
話が噛み合っていない。ルースがルリアミーナ家の会長になることは、ハンナから説明を受けていてソフィアも当然知っていた。だが、彼女の本名はルース・エンジェリングと言うのか。それを初めて知ったソフィアは、イオ様の質問の意味を誤解して答えてしまった。
イオ様もソフィアは絶対に何かを誤解していると思ったが、スイレン達の様子が気になり言葉を続けるのを止めた。
「そんな紙は偽物よ。それにエンジェリングなんて家の名は聞いたこと無いわ。そんな子をルリアミーナ家が会長に任命するはずが無いわ。」
「偽物では無いよ。それは僕の目の前で父上が書いたものだからな。」
「リ、リアム!?」
「「リアム王子様!?」」
「「「えっ。」」」
3人の言葉がハモる。イオとリオはソフィアが王子を普通に呼び捨てにしたことに驚き、ソフィアはリアムが王子だったことに驚いていた。目をパチクリさせてお互いを見る。その様子を遠くから眺めていたリアムは軽く苦笑すると、目の前の少女に向き合った。
「な、なんでリアム王子がこんな所に護衛も無しに来るんですか。」
「ルリアミーナ家に勤めている友人から、招待状があるから一緒に行こうと誘われたんだ。父上も彼の事を信用していてね。護衛は彼だけで大丈夫だろうと、笑顔で送り出してくれたよ。」
ミルクの、周囲の人が一斉に息を飲む。リアムの横にはおとぎ話でしか知らない伝説の最上級使い魔がいた。
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