ぼっちの吸血鬼は“世界”を知らない

チビッ子吸血鬼とオカン系ドン

三千年前

吸血鬼は人間と同じくらいこの世に存在していた

しかし、人間は吸血鬼を恐れほとんど殺してしまった

その一人に入るのが『レイン』

白色の短い髪に赤の瞳、フード付きの外套を羽織った子供の吸血鬼

レインは十歳の頃

両親と暮らしていた屋敷に人間が押し寄せ

両親は殺され

自分は幼いからと屋敷の地下室に封印された…

～～～

クレン目線


「もぐもぐ…で、僕は…パクパク…今日…はぐはぐ…目覚めた…ムグムグ…わけで…もきゅもきゅ…」

「食いながら喋んな！米粒が飛ぶだろうが！」

とりあえず血ぃ吸われんの嫌だからガキに飯食わせてんだけど…

まともに飯食えてねぇ！

ボロボロこぼすし、食べ方汚いし‥

そもそもマナーが分かってねぇ！

というか、コイツ…

「ング‥ぷはぁ～、ご馳走さまでした」

「待て」

～～～

レイン目線


「待て」

お兄さんにお腹いっぱいご飯もらったけど‥

このお兄さんはまだなにかしてくれるみたい

「一回風呂入れ」

‥風呂？

「聞こえなかったか？風呂に入れと言ったんだ」

「なんで？」

「…単刀直入に言う。お前、きたねぇ」

はぁ！？僕が汚い！？

確かにざっと三千年はお風呂に入ってないけど‥

「なんなら一緒に入るか？頭位なら洗ってやるぞ」

「お兄さ…」

「クレンだ」

「…クレンお兄さんが洗ってくれるならいいよ」

どうやら僕はこの人と…クレンお兄さんと一緒にお風呂に入ることになりそうです


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