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アキとハル
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「……ル! ハル! 早く起きろって」
「んー」
早く早く!、と体を揺すってくるアキに渋々目を開けると、ニカーと歯を見せて満面の笑みを浮かべていた。
瞼を閉じたらすぐ眠りにおちていっちまうくらいに眠いんだけど今何時なんだ?、とサイドテーブルに手を伸ばして携帯を取ると、07:25と並ぶ文字が見えた。
確か昨日寝たのって、四時過ぎだったような気がするんだけど……。
「もう寝たい」って頼んでも、「明日休みだからいいじゃん」って精根尽き果てるまで付き合わされたんだよな。
何でこんな馬鹿に惚れちまったんだろうな、と無理矢理待受にされた本人曰く「クールな俺」に溜め息を漏らす。
まぁ、変えずにずっとそのままにして、時々見つめてはクールなその表情にニヤけているオレもオレなんだけどさ。
「今日休みなんだから、ゆっくり寝てよーぜ」
「何言ってんだよ。折角の休みなんだから満喫しないと。ほら、早く出かける準備して」
「どこ行くんだ?」
「いいとこ」
腕を引っ張られ、心地好い布団に別れを告げる。
フラフラと歩く俺を支えているつもりなのか、背中にべたーっとくっついてくる大きな体。
どこに行くのか何度聞いても「いいとこ」としか答えず、何かを企んでいるような気持ち悪い位の笑顔にちょっと不安になったけれど、アキと一緒ならどこでもいいか、なんて思ってしまっている自分に、また溜め息が漏れる。
「はい、お姫様どうぞ」
「姫とか言うな」
瞼を半分閉じたままで準備を終えると、手を引かれて駐車場まで連れていかれ、アキがドアを開けてくれた車のシートに崩れ落ちるように沈み込む。
まだ低い太陽の光は優しくオレを包み、心地好い振動もあってすぐに視界がぼやけだした。
「寝てもいいよ」
「ん……」
あれ、ここはどこだろう? 真っ暗で何も見えない。
目を開けてるのか閉じてるのかも、分からなくなってきた。どうしよう、怖い……
「おいで」
微かに声が聞こえると、すーっと恐怖感が消えていった。
一言でこんなにもオレを安心させてくれるのは、誰でもない愛しい人だけ。
「こっちこっち」
声の導く方向に、無我無中で駆けていく。怖さはあったけれど、それ以上にアキに会いたいって気持ちの方が大きかった。
あれ、これは潮の香り? 海に向かって走っているのか?
「んー……」
「おはよ」
ふーっと遠退いていった意識が再び浮上してくると、オレはアキの車の助手席にいて、運転席には優しい笑顔があった。そしてその向こうには、真っ青な空と海が広がっている。
段々と記憶が戻ってくる。
そうだ、朝早く起こされて連れ出されたんだ。きっと窮屈な車の中で寝ちまったから、あんな夢を見たんだ。
ちょっとムカッとして、無言の圧力をかけるべくアキを睨みつけると、ガサッと目の前に差し出された紙袋。
「はい、朝飯」
ぷーんっといい香りが鼻をくすぐり、一気に腹の虫が動き始める。
ガサガサと袋を開けるとバーガーとドリンクが入っていて、どちらもオレが一番好きなヤツで、ちゃんとアキは俺の事を分かってくれているんだな、といつの間にか目尻は下がっていた。
窓を開けて潮風を感じながら、朝食を食べ始める。
「アキは食わないのか?」
「俺はもう食ったから」
「いつ店に入ったんだ? 全然気付かなかった」
「気持ち良さそうに寝てたもんなー。俺だけの可愛いハルの寝顔を誰かに見られちゃかなわないって急いで注文したら、『もう一回言っていただけますぅ?』なんて言われちまってさ、結局時間くっちゃったんだよ」
ガハハと笑うアキに、いつもの癖で照れ隠しに「馬鹿野郎」と言いそうになったけれど、バーガーと一緒に飲み込んだ。
「はい、到着」
暫く海沿いを走っていた車は海を見渡せる丘に登っていき、その中腹にある古びた建物の前で止まった。
あまり大きくない駐車場には、三台の車が止まっている。
何なんだろう?と薄汚れた外壁を見ると、入口の上に『水族館』とゴシック体で書かれてある。
水族館? 一見、公民館って感じなのに。
「ここさ、俺がガキの頃よく来てたんだ」
懐かしそうに目を細め、くたびれた建物を見つめるアキ。
どんな楽しい思い出が、ここには詰まっているのだろう?
オレの知らないアキを知っているこの建物に、ちょっとジェラシーを抱いてしまった。
「九月いっぱいで閉館しちゃうんだってさ」
寂しそうに一瞬目を伏せると、行こう、と大きくて温かな掌が俺の掌に重なる。
こくりと頷いて車を降り、建物へと入っていく。
「いやー、全然変わってねーなー」
嬉しそうに館内を見渡すアキ。
外観同様に中も渋くて、人目を引く派手な魚はおらず地元の海に住む魚中心の展示だ。
四方の壁に並ぶ小さな水槽を、順路に沿って眺めていく。
薄暗い空間にユラユラと揺れる光が神秘的だ。
気持ち良さそうに泳いだり岩の上で休憩したり、それぞれ安心できる自分の住処で限りある命を謳歌しているのに、木々が色づき始めた頃に彼らはどんな運命を辿るのだろう?
なんか、ちょっと悲しくなってきちまった……。
「なぁ、この魚旨そうじゃねぇ?」
「はぁ?」
オレとは正反対の事を楽しそうに言うアキに、館内に響き渡る位の大声をあげてしまった。
イソギンチャクの水槽にべったりとくっついている男の子のお母さんが、何事だろう、とこちらを見遣る。
恥ずかしくなって俯いてしまうと、すすっと死角になる柱の陰に俺を引っ張る大きな手。
「ごめん、嘘だってば」
「……」
アキの、そういうデリカシーのないとこも愛しいなとは思っているのだけど、流石に度が過ぎると頭にくる。
優しい声で謝ったって、すぐには許さないからな。
「ハルがさ、悲しそうな顔してるから、笑わせてやろうかなって思っただけなんだけど……」
段々と小さくなっていく弱々しい声。
口を一文字に結んで俯むいたままだった顔をあげると、しゅんと背中を丸めて情けない位に眉を下げた顔が俺を見つめていた。
その不器用な優しさが嬉しくて、フッと笑ってしまったのに安心したのか、アキにも笑顔が戻った。
「続き見よっか?」
「あぁ」
ここからだっけ?と頭を掻きながら水槽に向かう大きな背中の後を追う。
昔話をお願いするオレに、懐かしそうに「この魚が好きで、ここに来ると一番最初に見にいってた」とか、「ここの前で、こういう事があって……」とか、アキ少年の横で少年時代のオレが一緒にここに来ていたかのような錯覚に陥り、ジェラシーを抱いていたこの建物がとても愛しく思えてきた。
「はい、お疲れ様」
さほど広くない館内だけど、一つ一つの水槽をしっかり焼きつけるようにじっくり眺めていたので、全て見終わると既に昼過ぎだった。
「腹減った?」
「いや、そんなに減ってねぇ」
「俺も。じゃあ、なんか飲もうか?」
「あぁ」
土産屋を過ぎると昭和といった感じの食堂が現れて、年季の入ったテーブルに座る。
さっきイソギンチャクに夢中になっていた男の子は今度はお子様ランチに夢中になっていて、ケチャップで真っ赤に汚れた口元をお母さんが愛しそうに見つめて拭いてあげている。
端っこのテーブルでは、純朴そうな中学生位の男の子と女の子が恥ずかしそうに向かい合っている。
白い三角巾がとても似合っているふくよかで人の良さそうな食堂のおばちゃんと何やら話していたアキが、青い液体の入ったグラスを持って帰ってきた。
「はい、一番人気の『アクアソーダ』だって」
ことんとテーブルに置かれたグラスの中の青い世界では、底の氷から次々と泡が浮き上がり、ピンクのゼリーで作られた魚がプカプカと泳いでいる。
その可愛らしい小さな海を暫し眺めていると、おかしな事に気付いた。
「あれ、アキの分は?」
「ん?」
ニカーっと気持ち悪い位の笑みを浮かべたアキは、手品師みたいに掌からストロー出して、オレの方に向けられたストローの向かいにポチョンと差した。
え……、これって一緒に飲むって事か!?
「おい、どうしたんだよ」
ガタンと突然席を立ったオレを、焦りながら追ってくるアキ。
二十歳を越えた大人が、しかも男同士が、人前でそんなこと出来る訳ねぇだろ?
席に戻った俺。
向かいには、恨めしそうに俺を見るアキ。
テーブルには、二つのアクアソーダ。
「何だよー。二人でチューチューしたかったのにぃー」
ちぇって嘆きながらストローを啜る姿が、なんだか可愛くて笑えてきた。
「何、笑ってんだよー」
「本当にアキは馬鹿だなと思ってさ。今日はいいところに連れてきてくれたお礼に、家に帰ったら……その……チューチューだっけ? それをしてやってもいいぞ」
「マジ!? あっ、でも家なんだから口移しのがいい!」
「ばっ……馬鹿野郎」
授業参観で張り切っている小学生のように右手をピンと挙げ、大声で叫ぶアキ。
真っ赤になってソーダをこぼしそうになってしまったオレの肩を、冗談だって、と大きな掌が豪快にバシバシと叩いてくる。
だーもー、仕方ねぇから、それがアキの望みだって言うならしてやるよ。
ソーダの味と一緒で、甘くて擽ったくて幸せなデートを、ありがとな。
「んー」
早く早く!、と体を揺すってくるアキに渋々目を開けると、ニカーと歯を見せて満面の笑みを浮かべていた。
瞼を閉じたらすぐ眠りにおちていっちまうくらいに眠いんだけど今何時なんだ?、とサイドテーブルに手を伸ばして携帯を取ると、07:25と並ぶ文字が見えた。
確か昨日寝たのって、四時過ぎだったような気がするんだけど……。
「もう寝たい」って頼んでも、「明日休みだからいいじゃん」って精根尽き果てるまで付き合わされたんだよな。
何でこんな馬鹿に惚れちまったんだろうな、と無理矢理待受にされた本人曰く「クールな俺」に溜め息を漏らす。
まぁ、変えずにずっとそのままにして、時々見つめてはクールなその表情にニヤけているオレもオレなんだけどさ。
「今日休みなんだから、ゆっくり寝てよーぜ」
「何言ってんだよ。折角の休みなんだから満喫しないと。ほら、早く出かける準備して」
「どこ行くんだ?」
「いいとこ」
腕を引っ張られ、心地好い布団に別れを告げる。
フラフラと歩く俺を支えているつもりなのか、背中にべたーっとくっついてくる大きな体。
どこに行くのか何度聞いても「いいとこ」としか答えず、何かを企んでいるような気持ち悪い位の笑顔にちょっと不安になったけれど、アキと一緒ならどこでもいいか、なんて思ってしまっている自分に、また溜め息が漏れる。
「はい、お姫様どうぞ」
「姫とか言うな」
瞼を半分閉じたままで準備を終えると、手を引かれて駐車場まで連れていかれ、アキがドアを開けてくれた車のシートに崩れ落ちるように沈み込む。
まだ低い太陽の光は優しくオレを包み、心地好い振動もあってすぐに視界がぼやけだした。
「寝てもいいよ」
「ん……」
あれ、ここはどこだろう? 真っ暗で何も見えない。
目を開けてるのか閉じてるのかも、分からなくなってきた。どうしよう、怖い……
「おいで」
微かに声が聞こえると、すーっと恐怖感が消えていった。
一言でこんなにもオレを安心させてくれるのは、誰でもない愛しい人だけ。
「こっちこっち」
声の導く方向に、無我無中で駆けていく。怖さはあったけれど、それ以上にアキに会いたいって気持ちの方が大きかった。
あれ、これは潮の香り? 海に向かって走っているのか?
「んー……」
「おはよ」
ふーっと遠退いていった意識が再び浮上してくると、オレはアキの車の助手席にいて、運転席には優しい笑顔があった。そしてその向こうには、真っ青な空と海が広がっている。
段々と記憶が戻ってくる。
そうだ、朝早く起こされて連れ出されたんだ。きっと窮屈な車の中で寝ちまったから、あんな夢を見たんだ。
ちょっとムカッとして、無言の圧力をかけるべくアキを睨みつけると、ガサッと目の前に差し出された紙袋。
「はい、朝飯」
ぷーんっといい香りが鼻をくすぐり、一気に腹の虫が動き始める。
ガサガサと袋を開けるとバーガーとドリンクが入っていて、どちらもオレが一番好きなヤツで、ちゃんとアキは俺の事を分かってくれているんだな、といつの間にか目尻は下がっていた。
窓を開けて潮風を感じながら、朝食を食べ始める。
「アキは食わないのか?」
「俺はもう食ったから」
「いつ店に入ったんだ? 全然気付かなかった」
「気持ち良さそうに寝てたもんなー。俺だけの可愛いハルの寝顔を誰かに見られちゃかなわないって急いで注文したら、『もう一回言っていただけますぅ?』なんて言われちまってさ、結局時間くっちゃったんだよ」
ガハハと笑うアキに、いつもの癖で照れ隠しに「馬鹿野郎」と言いそうになったけれど、バーガーと一緒に飲み込んだ。
「はい、到着」
暫く海沿いを走っていた車は海を見渡せる丘に登っていき、その中腹にある古びた建物の前で止まった。
あまり大きくない駐車場には、三台の車が止まっている。
何なんだろう?と薄汚れた外壁を見ると、入口の上に『水族館』とゴシック体で書かれてある。
水族館? 一見、公民館って感じなのに。
「ここさ、俺がガキの頃よく来てたんだ」
懐かしそうに目を細め、くたびれた建物を見つめるアキ。
どんな楽しい思い出が、ここには詰まっているのだろう?
オレの知らないアキを知っているこの建物に、ちょっとジェラシーを抱いてしまった。
「九月いっぱいで閉館しちゃうんだってさ」
寂しそうに一瞬目を伏せると、行こう、と大きくて温かな掌が俺の掌に重なる。
こくりと頷いて車を降り、建物へと入っていく。
「いやー、全然変わってねーなー」
嬉しそうに館内を見渡すアキ。
外観同様に中も渋くて、人目を引く派手な魚はおらず地元の海に住む魚中心の展示だ。
四方の壁に並ぶ小さな水槽を、順路に沿って眺めていく。
薄暗い空間にユラユラと揺れる光が神秘的だ。
気持ち良さそうに泳いだり岩の上で休憩したり、それぞれ安心できる自分の住処で限りある命を謳歌しているのに、木々が色づき始めた頃に彼らはどんな運命を辿るのだろう?
なんか、ちょっと悲しくなってきちまった……。
「なぁ、この魚旨そうじゃねぇ?」
「はぁ?」
オレとは正反対の事を楽しそうに言うアキに、館内に響き渡る位の大声をあげてしまった。
イソギンチャクの水槽にべったりとくっついている男の子のお母さんが、何事だろう、とこちらを見遣る。
恥ずかしくなって俯いてしまうと、すすっと死角になる柱の陰に俺を引っ張る大きな手。
「ごめん、嘘だってば」
「……」
アキの、そういうデリカシーのないとこも愛しいなとは思っているのだけど、流石に度が過ぎると頭にくる。
優しい声で謝ったって、すぐには許さないからな。
「ハルがさ、悲しそうな顔してるから、笑わせてやろうかなって思っただけなんだけど……」
段々と小さくなっていく弱々しい声。
口を一文字に結んで俯むいたままだった顔をあげると、しゅんと背中を丸めて情けない位に眉を下げた顔が俺を見つめていた。
その不器用な優しさが嬉しくて、フッと笑ってしまったのに安心したのか、アキにも笑顔が戻った。
「続き見よっか?」
「あぁ」
ここからだっけ?と頭を掻きながら水槽に向かう大きな背中の後を追う。
昔話をお願いするオレに、懐かしそうに「この魚が好きで、ここに来ると一番最初に見にいってた」とか、「ここの前で、こういう事があって……」とか、アキ少年の横で少年時代のオレが一緒にここに来ていたかのような錯覚に陥り、ジェラシーを抱いていたこの建物がとても愛しく思えてきた。
「はい、お疲れ様」
さほど広くない館内だけど、一つ一つの水槽をしっかり焼きつけるようにじっくり眺めていたので、全て見終わると既に昼過ぎだった。
「腹減った?」
「いや、そんなに減ってねぇ」
「俺も。じゃあ、なんか飲もうか?」
「あぁ」
土産屋を過ぎると昭和といった感じの食堂が現れて、年季の入ったテーブルに座る。
さっきイソギンチャクに夢中になっていた男の子は今度はお子様ランチに夢中になっていて、ケチャップで真っ赤に汚れた口元をお母さんが愛しそうに見つめて拭いてあげている。
端っこのテーブルでは、純朴そうな中学生位の男の子と女の子が恥ずかしそうに向かい合っている。
白い三角巾がとても似合っているふくよかで人の良さそうな食堂のおばちゃんと何やら話していたアキが、青い液体の入ったグラスを持って帰ってきた。
「はい、一番人気の『アクアソーダ』だって」
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その可愛らしい小さな海を暫し眺めていると、おかしな事に気付いた。
「あれ、アキの分は?」
「ん?」
ニカーっと気持ち悪い位の笑みを浮かべたアキは、手品師みたいに掌からストロー出して、オレの方に向けられたストローの向かいにポチョンと差した。
え……、これって一緒に飲むって事か!?
「おい、どうしたんだよ」
ガタンと突然席を立ったオレを、焦りながら追ってくるアキ。
二十歳を越えた大人が、しかも男同士が、人前でそんなこと出来る訳ねぇだろ?
席に戻った俺。
向かいには、恨めしそうに俺を見るアキ。
テーブルには、二つのアクアソーダ。
「何だよー。二人でチューチューしたかったのにぃー」
ちぇって嘆きながらストローを啜る姿が、なんだか可愛くて笑えてきた。
「何、笑ってんだよー」
「本当にアキは馬鹿だなと思ってさ。今日はいいところに連れてきてくれたお礼に、家に帰ったら……その……チューチューだっけ? それをしてやってもいいぞ」
「マジ!? あっ、でも家なんだから口移しのがいい!」
「ばっ……馬鹿野郎」
授業参観で張り切っている小学生のように右手をピンと挙げ、大声で叫ぶアキ。
真っ赤になってソーダをこぼしそうになってしまったオレの肩を、冗談だって、と大きな掌が豪快にバシバシと叩いてくる。
だーもー、仕方ねぇから、それがアキの望みだって言うならしてやるよ。
ソーダの味と一緒で、甘くて擽ったくて幸せなデートを、ありがとな。
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