BLUE DREAMS

オトバタケ

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要くんと唯斗さん

温泉

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「今度、温泉に行きましょうか」
「えっ?」

 僕の提案を聞き、ぱっと明るくなる唯斗さんの顔。
 僕の前では、決して「痛い」なんて口にしないけれど、時々辛そうに足をさすっている姿が痛々しい。
 少しでも、その痛みを和らげてあげたくて、唯斗さんを温泉旅行に誘ったのだ。

「どこ行くの?」
「紅葉が綺麗で、静かな素敵な宿を探しますね」
「楽しみ!」

 子供の様にはしゃいで僕に抱きついてきた唯斗さんの、柔らかな髪に指を通す。

「一緒に入ろうね」

 温泉に浸かっている唯斗さんを想像してしまって、顔がかーっと熱くなっていくのを感じる。

「照れてるの?」

 クスクスと笑う唯斗さんのおでこと僕のおでこがくっつき、正に目の前に見える唯斗さんの大きな瞳がゆっくり閉じたので、僕も目を閉じて唇を合わせる。


 待ちに待った温泉旅行の日がきた。
 昨日は、興奮と緊張で眠れなかった。
 まだ、唯斗さんと体を繋げた事はない。勿論、唯斗さんの裸を見た事もない。
 いやらしい想像ばかりしてしまう僕の隣にいる唯斗さんは、終始笑顔で時折鼻唄なんかを歌っている。

「うわー」

 僕が必死で探した宿の部屋に通されると、その空間に唯斗さんはいたく感動してくれて、嬉しそうに部屋の中を歩き回っている。
 全体が焦げ茶でまとめられた純和風のその部屋は、部屋の中心に囲炉裏があって、とても穏やかな時を刻んでいる。
 部屋に面した、この部屋専用の庭は秋色に色づいた木々達に囲まれていて、その中心には岩で囲まれた乳白色の湯が湯気をたてている。

「凄い、素敵な部屋だね」
「ゆっくり過ごしましょうね」

 眩しくて直視出来ないほどの笑顔になった唯斗さんに、お茶を差し出す。
 お茶をすすって温泉饅頭を食べながら、まったりした時間を過ごす。

「早速、温泉に入っちゃおうかな」

 ゆっくり立ち上がった唯斗さんが、襖を開けて浴衣とタオルを取り出した。
 入るという事は、あそこしかないよな。見てしまってもいいんだろうか……。
 ドキドキしながら、庭に目をやる。

「僕……その……ロビーに行ってますね」

 やっぱり唯斗さんの入浴シーンを見る自信はないと判断して、部屋を出て行こうとする。

「一緒に入ろうよ」

 唯斗さんの手が僕の手首を掴んでそれを阻止し、はい、と浴衣とタオルを渡してくる。
 愛しい人の頼みを断ることはできず、それを受け取る。
 意を決して、壁際を向いてゆっくり服を脱いでいく。

 バシャ バシャ

 背後から、唯斗さんがお湯に浸かる音が聞こえてきた。
 それだけで興奮してしまって、唯斗さんに見せられない体になってしまう。

「いいお湯だよー。早くおいでよー」

 恥ずかしくて、もじもじしている僕に業を煮やしたのか、唯斗さんが声を掛けてきた。
 唯斗さんを感じてしまったそこをタオルで隠して、それがバレない様に急いで湯に浸かる。

「大丈夫?」

 浸かったばかりなのに、もう真っ赤になっているのだろう僕の顔を、心配そうに見つめてくる唯斗さん。

「気持ち良いねー。凄く和むねー」

 幸せそうに爽やかな秋の空を見上げる唯斗さんの横で、和むどころか、どんどん動悸が早くなっていく僕。

「ねぇ、背中流してあげよっか」

 色っぽい瞳で、僕に近づいてくる唯斗さん。

「いや……いいです……」

 湯からあがったら、欲望まみれの僕がバレてしまう。

「何? もう勃っちゃった?」

 益々色っぽくなった瞳の唯斗さんの手が、そんなあなたのせいでそういう状態になってしまった僕自身を握る。
 恥ずかしくて固く目を閉じていると、唯斗さんの手が上下し始めた。

「はっ……」

 初めて他人にされるその感覚に、我慢出来ずに声が漏れてしまう。

「もっと気持ち良くしてあげるよ」

 欲情で掠れたその声に目を開くと、今までに見た事ないほど妖艶な唯斗さんがいて、唯斗さんの奴隷と化した僕は言われるがままに岩の上に腰掛ける。
 湯に浸かったままの唯斗さんの顔がちょうど僕自身の前にあって、恥ずかしくてまた目を閉じようとすると、

「あっ……」

 僕自身を口に含んだ唯斗さん。
 唯斗さんが動く度に、ピチャピチャと湯と唯斗さんの唾液の音が響く。
 唯斗さんの舌遣いが、段々激しくなっていく。
 こんな事をされたのは初めてだし、このシチュエーションが更にかきたてて、

「……だめ、ですっ……」

 唯斗さんの口の中に、温泉と同じ色の液体を出してしまった。

「……すいません」

 謝る僕に軽く首を振った唯斗さんは、嬉しそうに僕の快楽の証を飲み込むとニコッと笑った。
 その顔を見たら、今さっき欲望を吐き出したそこが熱を持ち始めてしまった。

「要くんは、若いねぇ」

 嬉しそうに、またあなたに感じてしまった僕を舐める唯斗さん。
 暫し、また何とも言えない快感を味わっていると、僕自身を口から離して僕の顔を見上げた唯斗さんが、

「俺も気持ち良くしてよ」

 眩暈すら覚えるその色香に、唯斗さんを引き寄せ唇を奪う。
 唇を下げていき、唯斗さんの白肌に赤い花を咲かせていく。

「はぁんっ……」

 可愛い声に煽られて、体も頭もどんどん熱くなっていき、研究してきた映像と同じように、唯斗さんの胸に実る可愛らしいピンクの果実を口に含み転がす。

「ふぁ……要くぅん……」

 甘い声で呼ばれて、益々、熱くなっていく。
 唯斗さんの体を手でまさぐると、微かに触れた唯斗さん自身は僕と同じ状態で、僕に感じてくれていると思うと本当に幸せで、それだけでも満足だと思えるほどだった。

「ねぇ、触ってぇ」

 唯斗さんの左手が僕の右手を掴み、唯斗さん自身に当てる。
 さっきしてもらったように、唯斗さんを握って上下に動かす。

「あっ……いいよぉ……」

 僕の首に両腕を巻き付け、耳元で甘い吐息を吐く唯斗さん。

「その下も触って」

 唯斗さんの要求に頷き、僕と唯斗さんを繋いでくれるそこに指を入れる。
 初めは固く締まっていたそこも、段々と一本、また一本と指が入る様になる。

「そこっ……いい……」

 唯斗さんの体が跳ねたその場所を、指に覚えさせるように何度も触れる。

「要くんと、ひとつになりたいよぉー」

 甘い吐息に混じり聞こえる声。

「僕も」

 指を抜くと、唯斗さんをきつく抱きしめる。
 座って、と言う唯斗さんに従い、さっきと同じ様に岩の上腰掛ける。
 全身に沢山の雫を垂らした唯斗さんが、いやらしい手付きで僕自身にボディーソープを塗り、僕の上にまたがる。
 そして、白い膜が張った僕自身を、さっきまで僕の指が入っていたそこに当て、ゆっくりと沈んでくる。

「あっ……」

 初めて経験するその締め付けに、既に終わりが見え始めてきた。

「腰、動かしてよ」

 唯斗さんの為に我慢して、懸命に腰を振る。

「はあっ……要くぅん……すきぃ……」

 耳元に響く唯斗さんの嬌声。

「僕も……唯斗さんが……すきですぅ……」

 それに必死で応える。

「んっ……もぉ……イッちゃう……」
「僕も……」

 僕の初めては、唯斗さんも一緒に迎えてくれた。

 再び愛し合って、夕飯を食べて、温泉に浸かって、また愛し合って。
 二つ仲良く並んだ布団の中で、愛しいその手を握って、幸せを噛み締めながら天井の梁を眺める。

「今日は、本当ありがとね」

 小さな声が、心地好い静寂の中に響く。

「また、来ましょうね」
「うん」

 繋いだ掌を、より強く握り合い眠りに就いた。
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