若者たち

ザボン

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第四章◆◆◆淳

第三十一話

電話をかけ終えた俺は、「さて、と」といい、駅のトイレでボストンバッグからじみなズボンとジャンパーをだして着替え始めた。
鏡をみて、「まじヤベー」と呟いた。絶対に選ばないファッションだ。
それと付髭、薄い色のサングラスと、キャップをかぶりどこから見ても別人の男が完成した。
うまく行くかな、と考えながら撮影現場に向かった。

指定の撮影現場は繁華街の地下のバーだった。
回りは昼間なので閑散としている。
ドアを開けて入って行った。
黒いスエットの男が「お、きたか」と言ってから、「誰だお前」と言った。
「おれは進藤夏輝の親友だ」と言った。
黒スエットは、「で、進藤は?」と聞くので、「夏輝は来ない、だから代わりに話をつけに来た」
と言ったが、内心ドキドキしていた。
話をつけるってどうするのか、見当もつかない。須藤さんはどうするつもりだったのか、あの状況の電話だったのでまったく聞けなかった。
すると、ゾロゾロとスタッフと思われる男たちと、まだ若い男が入り口から入ってきた。
「あ、来ましたか。なら撮影を始めましょう」と、その中の一人が言った。
「いや、こいつは違うんだ、今日のモデルの親友だって」と、黒スエットが説明した。
スタッフが少しざわめき、「モデルはまだですか、早くしないと次の撮影に影響が出ますよ」と言うと、「そいつでもいいじゃないですか」と言った。
黒スエットがじっと僕を見て「まあ、悪くないな、そうするか」と、僕に同意を求めてきた。
僕はブルブルと首をふった。

(さて、どうやってウンと言わせるかな)
髭をつけてスタッフに変装した俺は、舌なめずりをした。

黒スエットがスタッフに「急いで寮に行って進藤を連れてこい、首に縄をつけてでも引っ張ってこい」
と指示を出すので、僕は「やめろ、こんな違法な事をして、警察呼ぶぞ」と叫んだ。
すると黒スエットの顔がみるみる赤くなり、「なんだと、もういっぺん言ってみろ!俺たちは遊びでやってんじゃねーんだ。ビジネスだ。進藤とも契約してるんだ」と、契約書のコピーを見せられた。
そこには夏輝の署名がされていた。
昔から見ている癖のある夏輝の筆跡だ。

黒スエットに凄まれ、ビビりまくった僕は、契約書まで見せられ、警察に言ってもダメだ、と分かり、八方塞がりだ。

スタッフは寮に向かえにいった。
すると、スマホにLINEが来た。
見ると須藤さんからで、(状況どうだ、俺はまだかかる。何とか夏輝を守ってくれ)
それを見た僕は黒スエットに「僕が出演すれば夏輝の契約はなしだな」と聞いた。
黒スエットは、「動画を見せてもらったが進藤はなかなか顔も良いし体も良いから契約した。お前が代わりになるかは、全身見てからだ。顔は、、まぁギリギリ合格としてやろう」

スタッフに連絡をいれ、その場で待機させ、僕のモデル採用試験となった。

(あらら、ずいぶん簡単に落ちちゃったな。もう少し頑張るかと思って、夏輝のスマホ隠して寮からも追い出しといたのに。さてと、タップリ昭和の男の体を拝ませてもらおうか)
俺はニヤリとしてカメラを回した。

「じゃあまず全部脱いでみて。」
試験なのに照明があてられ、撮影されている。
「試験に合格しなければ、今撮影している動画は削除するから、気にするな」
僕の心を見透かしたように、黒スエットが言った。
僕は着ている服をバーのステージの上で脱ぎだした。
全裸になると黒スエットを見た。
「足を30センチほど開いて、両手は頭の後ろで組んで」

俺は撮影をしながら淳の体を観察した。
ペニスは縮こまっている。まあ、黒スエットに怒鳴られたのでまだ怯えて緊張してるのだろう。この状態では当たり前だ。
なかなか毛深い。
伸一には劣るが、腹毛は陰毛と繋がっている。
太股からすねにかけては、それほど濃くはないが、夏輝よりはある。それより、太ももが太くて、そそられる。上腕金筋ももりあがっている。
胸板はガッチリしていて、腹筋も割れている。
「ではそのまま後ろを向いて」
言われた通り淳は後ろを向く。
おしりがプリッとしまっていて、とても形が良い。
ただ、右側に怪我をしたあとがある。
「はい、じゃあ足をもう少し開いて、腕を前に倒して前屈」
俺の目には淳のやらしい肛門が飛び込んできた。
肛門の回りには毛が繁っている。
伸一を思い出す。
「では、こちらを向いて、最後に勃起させて。合格ならこのまま撮影だからくれぐれもイかないでな」
そう言われると、淳はペニスをシゴキだした。
目を閉じて、必死にシゴキ始めた。
「勃ちました」ずいぶん経って、淳は恥ずかしそうに、小さな声で言った。
黒スエットは近より、ペニスをつまみ上げ、上にあげたり横にしたり見回した。
そして、こう言った。
「残念だけど、君には進藤の代わりは無理だ。尻のキズと毛深さがダメだ。勃起したペニスがもっと大きかったら、合格にしたのだが」
ここまでやらせて、不合格となった。
黒スエットはスタッフに改めて夏輝を寮から連れてくるように連絡を入れた。

僕は焦った。やはり僕では夏輝の代わりになれないのか。茫然としていると、スタッフと一緒にいた若い男がまっ裸で茫然としている僕をスミに引っ張っていき、耳元で囁いた。
「事情は知らないけど、どうしても自分が代わりたいなら、“何でもやります”って土下座すれば、まだ可能性はあると思うよ、あの言い方ならば」
そう言われると、僕はバッと黒スエットに駆け寄り土下座して「何でもやります」と言っていた。
黒スエットは、少し考え電話をした。
「とりあえず寮の近くまで移動して、待機してろ。また連絡する」
そういうと、淳に話しかけた。
「何でもやりますって言ったよな」
僕は汗が吹き出した。夏輝の元へ行くスタッフを止めないと、と思い若いやつに言われた通りにしてしまったが、“何でもやります”なんて、危険すぎる。
「あ、あ、えーと」と口ごもってると「やっぱりダメだな」と言って電話を取り出したので、黒スエットの足にすがり、「何でもやりますから許してください」と泣きすがり、黒スエットが出してきた新しい契約書にサインをした。
そして、サインの横に(何でもやります)と、追記もさせられた。

そして、これは年間契約であることが説明された。1年間、この契約書の条件で、僕は撮影に参加しなければならないが、仕方がない。夏輝を守るためだ。
黒スエットは、夏輝の契約書をその場で破り捨てた。
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