地球の支配者は悪魔だ!

セントリオン

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プロローグ

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遥か昔――
大いなる精霊は、世界の広大な大地を満たすために
「四大種族」を創り出した。

それぞれの種族は、均衡と調和を保つために
特別な力と役割を授けられた。

人間には「知恵」と「魔法」の力が与えられ、
鋭く柔軟な知性を持つようになった。

デミ・ウルフは強靭で勇敢、
剣の達人として守護の役割を担った。

デミ・キャットは俊敏で狡猾、
荒野の航行者として、また秘密を守る者として生きた。

そして最後に――今で言う「悪魔(デーモン)」と呼ばれる存在がいた。
だが、彼らは最初から「悪魔」と呼ばれていたわけではない。
本来の名は時の流れの中で失われ、
堕落と恐怖の象徴として記憶された。

古の時代、彼らは「精霊の導き手」として崇められていた。
創造の調和を守るため、莫大な力を授けられた守護者たち。
彼らの力と魔法は他の種族を遥かに凌駕し、
寿命は数千年にも及んだ。
時を重ねるほどに知恵を蓄え、
彼らの導きのもとで世界は繁栄していった。

だが――
永い時の中で、その力は次第に「呪い」と化した。
長寿は傲慢を生み、孤立を招いた。
やがて、他の種族との絆は崩れ始める。

守護は支配へと変わり、
彼らは「自分たちこそがこの世界を統べるにふさわしい」と信じるようになった。
その強大な力をもって征服を始め、
世界を我が物と宣言した。

かつて導いた種族たちは、今や排除すべき障害となった。
尊敬と敬意を込めて呼ばれていた名は捨てられ、
代わりに恐怖と憎悪を込めて――こう呼ばれるようになった。

「デーモン」と。

デーモンたちは他のすべての種族に戦争を仕掛けた。
彼らの力はあまりにも圧倒的だった。
デミ・ウルフよりも強く、
人間よりも遥かに強大な魔力を操り、
その猛威は嵐のように世界を蹂躙した。

人間、デミ・ウルフ、デミ・キャット――
三種族は手を取り合い、必死に抗った。
だが、滅亡は目前に迫っていた。
都市は崩壊し、森は燃え、希望の光は消えかけていた。

そのとき――
大いなる精霊が介入した。

ひとりの人間が選ばれた。
揺るがぬ勇気と純粋な魂を持つ者。
精霊の神聖なる力の一片を託された「選ばれし者」だった。

彼は最後の希望として立ち上がったが、
それでもデーモンの力はあまりに強大だった。

追い詰められた三種族は、
「マナの領域」への門である六つの魔石にすがった。
そのうちの四つを使い、
一つの強力な神器――
特定の種族の魂を封じることができる「器」を作り出した。

選ばれし者は連合軍を率い、
その神器の力を解き放ち、
ほとんどのデーモンの魂を封じ込めることに成功した。

だが、その器にも限界があった。
ひとりのデーモン――古く、狡猾な存在がその封印を逃れた。
彼は戦いを続けることが無意味だと悟り、
やがて影の中へと消えた。

そして誓った。
「いつか、時が満ちるその日まで待とう」と。

それから四千年――
そのただ一人のデーモンは時を見つめ続け、
変わりゆく世界と進化する技術を観察していた。

そして今――現代。
彼は動き出した。
眠れる同胞たちを呼び覚まし、
かつて失われた帝国を取り戻すために。

――問おう。
彼は、今どこにいるのか?
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