優しさ・気遣いポイントを使った男の異世界ゆっくり生活

シオジオスイッチ

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25話 期限当日

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「シャニ、カイル、イルナおはよう」

「おはようございます。」

「「おはよう」」

僕達は、いつもより少し早くに起きた。

「それじゃあ、行こうか。」

「はい」

「「うん」」

そうして、宿を出た僕達が向かう先はもちろん孤児院だ。
そう、ついに期限の日が来たのだ。
僕達は、この孤児院を助けるために協力をしてもらう人や資金もたくさん準備してきた。
きっと、大丈夫なはずだ。
僕は、ふぅっと一息ついてから孤児院の扉を開け中に入った。

「ショウ様シャニ様カイル様とイルナ様もおはようございます。」

「本当に来てくれたんですね。」

「リーナさんラーファさん、おはようございます。もちろん来ますよ、この孤児院を助けると約束しましたからね。」

「信じてくれなかったのですか。」

リーナさんもラーファさんも元気そうでよかった。
だから、ラーファさんが冗談を言ったせいかシャニが悲しそうな顔をしていた。シャニの耳がいつもより元気がなさそうな感じがした。

「シャ、シャニ今のはラーファさんの冗談だと思うから気にしなくていいと思うよ。」

「もぉ~    お姉ちゃんが冗談を言うからシャニ様が本気にしちゃったじゃないですか。」

「ご、ごめんね、シャニちゃん今のは冗談だから許して。」

僕とリーナさんがフォローをしつつラーファさんも謝ったのでシャニは元気を取り戻した。

「そ、そうですよね。冗談だとわたしも思っていたのですが。つい、すいません」

「いやいや、シャニ様は悪くありません今のはお姉ちゃんが悪いです。」

「ほ、本当にごめんってば~」

そんな状況の中でその場にいた皆が笑ってしまった。

そうして、集まる時間が来たのか孤児院の扉が開き鋼の心の皆さんやハールさんやルイドさんが来た。

「ショウ、約束通り来たぞ」

ハールさんが代表して声をかけてきてくれた。

「ハールさん頼りにしてますよ 」

「おう、任せとけ」

「リーナさん、ラーファさんこちらが今回の件について協力してくれる皆さんです」

僕は、リーナさんやラーファさんに1人1人紹介していった。

「皆様どうかよろしくお願いします」

リーナさんがそう言うと鋼の心の皆さんやハールさんやルイドさんは任せてほしいと言った。

「それでは、皆さん作戦通りにお願いします」

そうして、貴族が来る時間まで待つことにした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

もうそろそろ時間かな。僕がそう思っているとガタンッと扉を開けた。
体型が太めで豪華な服の男が入ってきた、たぶんこの人がドルード男爵だろう。その後ろに使用人と思われる人が2人ほどいる。
なんかいかにもって感じだな。

「リーナ約束通り金貨100枚は用意できたのかね。」

「は、はい何とか隣にいるショウ様のおかげで集めることができました。」

「どうぞ、確認してください。」

僕が金貨100枚入っている袋を差し出した。
ドルード男爵は、使用人達に金貨の数を確認をさせていた。ちょうど100枚数え終わったところで一瞬、ドルード男爵の眉がピクリと動き嫌な顔をした気もするが、気のせいではないだろう。

「ほぅ、君がその金貨を集めたのか」

「はい、僕と仲間で集めました。」

「そうか、よくこれだけの金貨を集めたものだな、でも利息分がないな~」

「そ、そんなの聞いてないです」

利息分を払ってないと約束をしたはずがないような嘘を言ってきた。
それには、リーナさんも驚いて否定した。
僕も、ある程度は予想しておいたのだがドルード男爵という男は、やはりずるい貴族なようだ。

「利息分はいくらですか?」

「3日も待ってやったんだ倍は払えるよな。払えないのであれば約束通りリーナ分かってるよか?」

倍、今この人は倍の額を払えって言ってきたのかさすがにこれは予想をしていなかった。
僕がリーナさんの方を見るとリーナさんは、言葉を発せずに絶望した表情でいた。
今僕の手持ちには、渡した分を含めないと残りは金貨が77枚しかない。
それでは、利息分は払えない。
さて、どうしたものか·····

「あなたは、本当にそんな約束をしたのですか?」

突然シャニが奥からでてきてそう言った。

「ああ、言ったさ。そちらが忘れているだけであろう」

「もし、そうだとしてもリーナさん達が金貨を盗んだというのは、本当なのですか?」

「ああ、こいつらは、私が置いていただけの箱に入った金貨を盗み使ったんだ。」

「じゃあ、何故あのような場所に置いといたのですか?」

シャニが言ったあのような場所とは、扉の前に置いてあった寄付金のことだろう。
ドルード男爵は、言葉を詰まらせていた。
本当にシャニには敵わないな。

「なんで置いといたのですか?」

僕が確認するように聞いた。

「うるさい、うるさい、うるさい獣人族のくせに。こうなったら、無理やりにでもリーナを連れていく。」

ドルード男爵がそう言うと使用人達が武器を取り戦闘の準備をしていた。
僕は、すかさず拘束魔法を使用人3人とドルード男爵に念じた。

「なに、これはどういう事だ。」

拘束魔法で拘束されているドルード男爵はかなり慌てている。
僕のやることは、終わった後は皆さんに任せよう。

「ハールさん、ルイドさんあとはお願いします。」

「ああ、任せろ。あんたは、確かガルドルド国の貴族だよな。」

「そうだ、私はガルドルド国の貴族で男爵の地位を頂いてるのだぞ。お前達は、誰だ。」

「俺は、ハール・ラジリスタ伯爵家の次男だ。」

「そして僕は、ルイド・ロンラグタ子爵家の三男です。」

2人がそう言うと、ドルード男爵は何も言えなくなり2人に連れてかれた。
使用人達も鋼の心皆さんに連れてかれた。
ハールさんが後は任せろと言わんばかりにウインクをしていた。
どうやら、後は国の問題らしい。

僕がリーナさんの元に向かうと、凄く涙を流していた。

「ありがとうございます、ありがとうございます」

そう言って彼女は泣きながら頭を何度も僕達に下げた。

「皆さんの元に行きましょう。」

そうして、ラーファさんやカイルとイルナと孤児院の子供達の元に向かった。

「本当に本当に解決したんですね?」

「はい、終わりましたよ。」

ラーファさんが何度も聞いてきたので僕はその度に何度も答えた。

こうして、孤児院の問題は無事に解決した。
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