1 / 7
姉 1
しおりを挟む
「君の心は美しいね。君の妹とは違う」
出会って間もない彼が言ってくれたその言葉が、どれだけ嬉しかっただろう。
彼は私を唯一理解してくれた。
妹は醜かった。
見た目ではない。外見ならばこの国のどの娘よりも美しいだろう。けれど心はそうではない。
妹は私のものを奪うことばかりだった。
幼い頃からそうだった。
両親はどういうわけか妹ばかり可愛がった。まず、愛情から妹に奪われた。私は妹に嫉妬した。なぜ、私は愛されずに妹ばかり愛されるのかと。
とくに、母からの差別は酷かった。母は私の存在をいないものとして扱い、視界にいも入れてくれない。
私はそれが悲しく、辛く、惨めで、妹が憎かった。
時々、本当に時々両親が優しくしてくれる時があった。たとえば誕生日私はケーキを作ってもらった。とても美味しそうだった。
本当の誕生日の一日前だということを両親は気づいていなかった。おめでとうの言葉はなかった。それでも嬉しかった。
けれど、そういう時に限って妹は私のケーキを奪った。妹がケーキを奪ったことを両親はとても怒ってくれたけれど、やはり妹のほうが大事なのだろう。
翌日に妹が体調を崩した時は、両親とも妹につきっきりだった。
妹を見舞いに行かないことを叱られて様子を見に行くと、ケロッといていた。私は姉の誕生日に仮病をつかう妹が憎くて仕方なかった。
「お姉さまごめんなさい。せっかくの誕生日に」
妹はそう言った。
一番嫌いな妹だけが誕生日を間違えてなかったことも頭にきた。
だけど、もし、万が一仮病ではなかったら?
そう思うと冷たくは出来ず、結局「いいのよ」といって彼女を許した。
似たようなことは、何度もあった。
妹は度々病弱なふりをして両親に構われたがった。そうすればするほど両親は私を放置した。
両親だけではない。私は婚約者も奪われた。
私は公爵家の長女だ。
それだけを理由に私は王子殿下の婚約者に選ばれた。
正直嬉しかった。
私を選んでくれたと感激した。
私は私を選んでくれた殿下に、全てを捧げると約束した。
けれど、数日後、婚約者を妹に変更したいと言われた。
愕然とした。
どうやら妹は王子殿下と密かに会い、親しくなったらしかった。
私の目を盗んで行われたそれが、私はゆるせなかった。
妹を問い詰めた。
彼女は何も言い訳をせず、ただ笑うのだ。
私を嘲笑う。
ひどい妹だ。
醜い妹だ。
王子殿下に捨てられたことは社交界でも噂になった。
殿下にとってもよくないことだったが、私にとってはさらに悪かった。
私は結婚する機会を失い、社交界では取り残された。
妹が王子殿下の元へ嫁ぎ、公爵家からいなくなると両親は本当に私をいないものとしてあつかった。
私は体調を崩すことが多くなり、それもあってさらに社交界では浮いていった。
そんな時、彼にあったのだ。
出会って間もない彼が言ってくれたその言葉が、どれだけ嬉しかっただろう。
彼は私を唯一理解してくれた。
妹は醜かった。
見た目ではない。外見ならばこの国のどの娘よりも美しいだろう。けれど心はそうではない。
妹は私のものを奪うことばかりだった。
幼い頃からそうだった。
両親はどういうわけか妹ばかり可愛がった。まず、愛情から妹に奪われた。私は妹に嫉妬した。なぜ、私は愛されずに妹ばかり愛されるのかと。
とくに、母からの差別は酷かった。母は私の存在をいないものとして扱い、視界にいも入れてくれない。
私はそれが悲しく、辛く、惨めで、妹が憎かった。
時々、本当に時々両親が優しくしてくれる時があった。たとえば誕生日私はケーキを作ってもらった。とても美味しそうだった。
本当の誕生日の一日前だということを両親は気づいていなかった。おめでとうの言葉はなかった。それでも嬉しかった。
けれど、そういう時に限って妹は私のケーキを奪った。妹がケーキを奪ったことを両親はとても怒ってくれたけれど、やはり妹のほうが大事なのだろう。
翌日に妹が体調を崩した時は、両親とも妹につきっきりだった。
妹を見舞いに行かないことを叱られて様子を見に行くと、ケロッといていた。私は姉の誕生日に仮病をつかう妹が憎くて仕方なかった。
「お姉さまごめんなさい。せっかくの誕生日に」
妹はそう言った。
一番嫌いな妹だけが誕生日を間違えてなかったことも頭にきた。
だけど、もし、万が一仮病ではなかったら?
そう思うと冷たくは出来ず、結局「いいのよ」といって彼女を許した。
似たようなことは、何度もあった。
妹は度々病弱なふりをして両親に構われたがった。そうすればするほど両親は私を放置した。
両親だけではない。私は婚約者も奪われた。
私は公爵家の長女だ。
それだけを理由に私は王子殿下の婚約者に選ばれた。
正直嬉しかった。
私を選んでくれたと感激した。
私は私を選んでくれた殿下に、全てを捧げると約束した。
けれど、数日後、婚約者を妹に変更したいと言われた。
愕然とした。
どうやら妹は王子殿下と密かに会い、親しくなったらしかった。
私の目を盗んで行われたそれが、私はゆるせなかった。
妹を問い詰めた。
彼女は何も言い訳をせず、ただ笑うのだ。
私を嘲笑う。
ひどい妹だ。
醜い妹だ。
王子殿下に捨てられたことは社交界でも噂になった。
殿下にとってもよくないことだったが、私にとってはさらに悪かった。
私は結婚する機会を失い、社交界では取り残された。
妹が王子殿下の元へ嫁ぎ、公爵家からいなくなると両親は本当に私をいないものとしてあつかった。
私は体調を崩すことが多くなり、それもあってさらに社交界では浮いていった。
そんな時、彼にあったのだ。
2
あなたにおすすめの小説
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる