6 / 7
妹 1
しおりを挟む
「マリアンヌのようにはなるな」
それが両親の口癖でした。
私はいつもそれに頷きました。そして心の中で嫌悪しました」。
私は姉を愛していたのです。
優しい人でした。
臆病で、強く出れなくて、いつも誰かの後ろに隠れて、1人で悲しんでいて。
なのに、私には憎しみの篭った笑顔を見せる。
子供なのに、そんな姿が私の心を打ちました。
嫌われていても構わなかったのです。ただ私は愛する姉を守ろうときめました。
姉は、母の子ではありませんでした。
姉はそれを知らなかったけれど、私はこっそり知ってしまったのです。姉はだから母に嫌われていたのです。
父が姉に冷たくするのは、母に嫌われないためです。そのためなら、娘のことなど蹴りつけることもできる邪悪な人だったのです。
いつもいつも冷たくて、暴力を振るう。
けれど時々、母が姉に優しくすることがありました。
私はそれが恐ろしかった。
なぜなら姉に優しくする時はいつも、恐ろしい策略があるからです。
誕生日のプレゼント。そう言って渡されたケーキを私は奪うように食べました。
体が重くなり、吐き気はひどく、熱もでて、起きていることおも苦痛でした。
毒が入っていたのです。
姉が見舞いに来てくれました。うれしかった。私は気丈に振る舞いました。
母が姉に毒をもったことを気づかれたくなかった。
これ以上悲しんでほしくなかった。
でもそれは姉の私への憎しみを高めるだけ。
それでも私は、同じことを繰り返しました。
姉を守るためです。
私は頻繁に身体を壊すようになりました。毒のせいでしょう。それでも私は姉を守りました。
もはや使命でした。
他にできることも何もなかったのです。
私はそのためだけに生きていたのです。
そんな私を邪魔する存在がいました。
王太子です。
最初、王太子が姉を選んでくれたことを私は心から喜びました。
これで、姉は恐ろしい地獄のような公爵家から解放されると。しかしそれは間違いでした。
ある伯爵が言いました。
王太子は狂人であると。
私は半信半疑で王太子に近づきました。
そしてすぐに気づきました。
目が笑っていない。私を見る目のなんと恐ろしいこと。殺人鬼のような目でした。
姉のどこが気に入ったのかと訊ねると、清楚で優しいところと言いました。
私には「大人しく従いそうで、愚鈍そうなところ」そう言っているように聞こえました。
姉に恨まれるのは覚悟の上で、私は王太子を誘惑しました。
王太子が私に夢中になるのはすぐでした。
そして姉が私を恨むのもすぐでした。
王太子は私を叩きました。ひどく楽しそうに。
なんでこんなに恐ろしい人なのか、私にはわかりません。
彼は手ひどく私を扱いました。けれど私はそれでもよかった。姉を守れたから。
もはやこれも狂気だと気づきながら、わたしは姉を守ったことに満足していました。
姉から手紙が届いた時。私は恐ろしかった。
姉があの伯爵と恋人になっていることも、その伯爵の言葉を全て鵜呑みにしていることも、王太子を失脚しようとしていることも。
私は恐ろしかった。
私はもうだめだと思いました。
きっと何をいっても姉は聞いてくれないでしょう。でも私は姉を救いたくて、正直に手紙を書きました。
わかってほしかった。
無事でいてほしかった。
笑っていてほしかった。
でも無理でした。
それが両親の口癖でした。
私はいつもそれに頷きました。そして心の中で嫌悪しました」。
私は姉を愛していたのです。
優しい人でした。
臆病で、強く出れなくて、いつも誰かの後ろに隠れて、1人で悲しんでいて。
なのに、私には憎しみの篭った笑顔を見せる。
子供なのに、そんな姿が私の心を打ちました。
嫌われていても構わなかったのです。ただ私は愛する姉を守ろうときめました。
姉は、母の子ではありませんでした。
姉はそれを知らなかったけれど、私はこっそり知ってしまったのです。姉はだから母に嫌われていたのです。
父が姉に冷たくするのは、母に嫌われないためです。そのためなら、娘のことなど蹴りつけることもできる邪悪な人だったのです。
いつもいつも冷たくて、暴力を振るう。
けれど時々、母が姉に優しくすることがありました。
私はそれが恐ろしかった。
なぜなら姉に優しくする時はいつも、恐ろしい策略があるからです。
誕生日のプレゼント。そう言って渡されたケーキを私は奪うように食べました。
体が重くなり、吐き気はひどく、熱もでて、起きていることおも苦痛でした。
毒が入っていたのです。
姉が見舞いに来てくれました。うれしかった。私は気丈に振る舞いました。
母が姉に毒をもったことを気づかれたくなかった。
これ以上悲しんでほしくなかった。
でもそれは姉の私への憎しみを高めるだけ。
それでも私は、同じことを繰り返しました。
姉を守るためです。
私は頻繁に身体を壊すようになりました。毒のせいでしょう。それでも私は姉を守りました。
もはや使命でした。
他にできることも何もなかったのです。
私はそのためだけに生きていたのです。
そんな私を邪魔する存在がいました。
王太子です。
最初、王太子が姉を選んでくれたことを私は心から喜びました。
これで、姉は恐ろしい地獄のような公爵家から解放されると。しかしそれは間違いでした。
ある伯爵が言いました。
王太子は狂人であると。
私は半信半疑で王太子に近づきました。
そしてすぐに気づきました。
目が笑っていない。私を見る目のなんと恐ろしいこと。殺人鬼のような目でした。
姉のどこが気に入ったのかと訊ねると、清楚で優しいところと言いました。
私には「大人しく従いそうで、愚鈍そうなところ」そう言っているように聞こえました。
姉に恨まれるのは覚悟の上で、私は王太子を誘惑しました。
王太子が私に夢中になるのはすぐでした。
そして姉が私を恨むのもすぐでした。
王太子は私を叩きました。ひどく楽しそうに。
なんでこんなに恐ろしい人なのか、私にはわかりません。
彼は手ひどく私を扱いました。けれど私はそれでもよかった。姉を守れたから。
もはやこれも狂気だと気づきながら、わたしは姉を守ったことに満足していました。
姉から手紙が届いた時。私は恐ろしかった。
姉があの伯爵と恋人になっていることも、その伯爵の言葉を全て鵜呑みにしていることも、王太子を失脚しようとしていることも。
私は恐ろしかった。
私はもうだめだと思いました。
きっと何をいっても姉は聞いてくれないでしょう。でも私は姉を救いたくて、正直に手紙を書きました。
わかってほしかった。
無事でいてほしかった。
笑っていてほしかった。
でも無理でした。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
【完結済】25年目の厄災
紫
恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。
だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは……
25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる