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第十幕
神災(十三)
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詠唱を唱え続ける骸骨と回る魔法陣が正輝の魂を引きずり出そうとする。
力も思考も入らない正輝にこの闇の結界を破る方法がない。
気のせいだろうか、身体の奥にある魂が飛び出そうとしている。
正輝は、自分の魂が飛び出ないよう気を確かに持ちながら必死に耐える。
自分の魂を体内に留めながらも魔法陣と骸骨の詠唱で強く引っ張られつつ抗う。
今、彼の身体の中では命懸けの綱引きが行われ続けているのだ。
正輝の魂が綱となって身体から引きずり出そうとする相手チームと阻止する為に必死こいて抵抗する味方チームが綱を力強く引き合っている。
そんな感じがするのだ。
さすがの黑緋神之命も印を結びながら追加攻撃をすることはできない。
印を解けばこの魔法陣と骸骨達も消えてしまうから。
黑緋神之命の目に映るのは、しばらく正輝が抗い続ける未来。
人間はこんなにもしぶといのかと改めて思った。
意識が失いそうになりながらも正輝は必死に自分の魂を自らの体内に留めておく。
そのうえ、黑緋神之命が生まれて初めて額から汗を流した。
初めて流した一滴の汗が黒緋神之命の頬に伝う。
この呪術は、強力だがかなり魔力を消耗するみたいだ。
意識が朦朧しかけて抵抗力が失いかけそうな正輝は薄っすら猩々が最期に伝えた言葉を思い出す。
松明丸の時を思い出せ。
そうだ。松明丸と戦った時、なかなか攻撃が通じなかった。
攻撃が通じたのは、覇気の力だ。
覇気が強まれば強まるほど勝機が上がる。
だから、松明丸を倒せた。
あの時の感覚を思い出せと正輝は朦朧する中、覇気を強めようと試みるが魂の綱引きだけで精一杯だ。
それに東京へ向かう途中、猩々が教えてくれたことを思い出した。
覇気を強く保てておけば呪いなどの類を撥ね退ける。
もっと早く気づくべきだった。
そうすれば、この力と思考を無効化にする呪術を強い覇気で退ける事ができるはずだった。
今は既に窮地に陥っていて自分の魂が体内の外に出そうだ。
意識を保ち必死に魂が出ないよう抵抗しつつもそろそろ限界が近づいてきた。
もうダメだ。
そのワードが頭の奥に過った。
まだ死にたくない。
まだ中学生なのに死ぬなんてあんまりだ!
これからやりたい事があるのに僕の人生がここで終わるなんて酷すぎる!!
死を完全否定しながらも生きよう生きようと強く念じる。が、その願いは届きそうにもない。
だんだん意識が薄れてきて正輝の魂が背中まで届いた気がした。
届いた背中からポンッと身体の外を出て周りにいる骸骨達に美味しく食べられる。
魂って美味いのか?どんな味するんだろう?
縁起でもない想像が正輝の頭脳に過るも一瞬にして消えた。
僕はもうダメだ。
みんな。ごめん。
正輝の背中から青白い物体がちょっとだけ浮き出てきた。
魂だ。
瞳が消えかけ意識が無くなりかけてきた正輝は自分の最期を悟るかのように抵抗する余力が尽きた。
だんだん衰弱しもうそろそろ意識が無くなる正輝の姿を見て黑緋神之命は笑みを浮かべた。
額に汗を流した甲斐があったと自信ありそうな表情を浮かべる。
もう少しだ。
そう黑緋神之命の頭の中に浮かんだ。
魂が少しずつ身体の中から抜けていく。
正輝はもうダメだと意識が無くなり瞼を閉じようとした。
その時だ。
黑緋神之命の表情が一瞬にして変わった。
さっきまで浮かべていた笑みが消えて急に目が曇らせる。
彼が見た未来はこうだ。
何者かがトコヤミ大神の大事な部分を破壊する様子だ。
ドオォォォォォォォーーーーン!!!!
大きな爆音が大広間に響く。
爆音と共に大広間が激しく揺らぎ黑緋神之命は結んでいた印を解いてしまった。
突然の地震で印を解いてしまった事で魔法陣と詠唱を唱えていた骸骨達の姿形が一瞬にして消えた。
呪術が消えた途端、正輝の魂は体の中へ戻った。
そして同時に正輝の意識が戻り咳き込んだ。
険しい表情を浮かべる黑緋神之命は独り言のように呟いた。
「まさか、奴らだけでなく他にもいたのか・・・・!」
まさかの予想外に黑緋神之命は驚きを隠せなかった。
本来なら未来予知で敵の動きを先に読み取りすぐ対処できるはずが、まさかトコヤミ大神の体内に正輝達の他に別の人物が潜り込んでる未来だけは予知できなかったみたいだ。
未来予知が決して万能とは言えないのだろう。
しかし、まさかの予想外の展開に正輝の命は救われたのだ。
正輝は一体何が起きたのか全く分からなかった。
でも今がチャンスだと正輝は対松丸との戦いを思い出しながら力と思考を無効化する呪術を解こうと覇気を強めた。
覇気は気持ちの強さだと猩々に教わった。
身体の中に流れる血が沸々と熱くなり気持ちが高まってきた気がした。
集中し覇気を高めているとみるみる失わていた力が戻ったような感覚を感じた。
正輝の身体には微かに光が見える。
本人と離れた所にある天帝主の宝玉も光る。
掛けた呪術が消えていくことに気づいた黑緋神之命は右手に魔力を溜めた。
来い!!!
正輝は手を伸ばし心の中で強く天帝主に声をかけた。
そうはさせまいと黑緋神之命は掌から光線を解き放った。
天帝主は自ら正輝の方へ飛んで行く。
光線が迫り来る中、正輝は避ける事もせず天帝主が手元に届くまで待機していた。
ドカーーーン!!
解き放たれた光線が正輝を襲い爆発
濃い煙が立ち上り黑緋神之命は彼の最期を見届けた。が、黑緋神之命は不満げな表情で一面煙で覆われている景色を眺める。
すると、煙から爆炎が上がった。
太陽のように光る金色の炎が舞い上がり濃い煙を大きく払う。
金色の炎の中には天帝主を持った正輝の姿が見えた。
復活を遂げた正輝に冷静かつ無表情だった黑緋神之命は、今ではうち秘められていた別の感情を表に出している。
不満そうで険しい表情を浮かべている彼を見るのは初めてだ。
予想だにしない展開に黑緋神之命は自分の未来予知が外れた事を納得していない。
正輝はさっきの爆音はなんだったのか分からなかった。
しかし、初めて見せる黑緋神之命の険しい顔を見て何となく理解した。
あの顔は、何かよくない事があったに違いないと。
「お前がそんな顔をするなんて珍しいな」
表情が変わっている事を正輝に言及された黑緋神之命は険しい顔をしつつも冷静な口調を出した。
しかも、その冷静な口調に微かだが厳かさが混ざっている。
「人間と妖怪にトコヤミ大神の心臓を壊しやがった」
彼が出す冷静な口調の中に微かな厳かさが交わっている。
人間と妖怪?
自分の他にも誰かいたのかと正輝は思う。
「壊したのは、人間の大人と木綿の妖怪だ」
人間の大人と木綿の妖怪。
どこかで会ったような気がしたが、その二人が何者なのかすぐに気づいた。
「小日向さんと一反木綿が?!」
球体は無数の鉄パイプに突き刺されていた。
ブシュ―ッブシューッ
球体から白い煙が噴き出し穴が開いて空気が漏れているような音を立てていた。
煙を噴出している球体の近くには小日向と一反木綿がいた。
どうやって、球体に鉄パイプを刺したのか。
それは一反木綿の尻尾を使って入り組んでいたパイプを切り刺したのだ。
ギャオオオオオオーー!!!
咆哮を放つ準備をしていたトコヤミ大神が大声を出して鳴いた。
その鳴き声はまるで断末魔みたいで苦しんでいるようにも見えた。
トコヤミ大神の断末魔は、地上まで届いた。
そして、断末魔によって一瞬、地面が大きく揺れた。
突然の揺れと大きな断末魔に地上にいたぬらりひょん達は驚き空を見上げていた。
突然、大広間が揺れ始め正輝と黑緋神之命は体勢を整えた。
小日向と一反木綿がトコヤミ大神の心臓を鉄パイプで刺したりしたことで大きな揺れが生じたのだ。
これでトコヤミ大神は咆哮を撃てなくなったはずだ。
正輝はこの揺れている大広間の中で体勢を崩さず天帝主を強く握った。
黑緋神之命は思ってもみなかったあまりの大事態に強く怒りを抱き拳を震わせた。
「私の未来予知を欺く為に、余計な鼠を引き連れて潜り込ませたのか?お前が、あの2匹にトコヤミ大神の心臓を破壊するよう指示したのか?」
その問いに正輝は何が何だかさっぱり分からなかった。それに、そんな支持を出した憶えはない。
小日向と一反木綿がトコヤミ大神に来ていたとは全く知らなかったうえ、トコヤミ大神に心臓があるとは思ってもいなかったので今の話を聞いて初めて知った。
黑緋神之命は野望を抱きながらも長年この日が来るのをずっと待ち準備をしてきた。
現世を滅ぼし自分の考えを否定し無の界へ陥れた全ての神々を討つ。そして、天照大神の代わりに自分が最高神となってこの世とあの世を支配するという野望が打ち砕かれようとしていた。
長年培ってきた努力と立てた計画が水の泡になろうとしているのだ。
トコヤミ大神も現世を滅ぼし神々を討つ最強兵器として計画に入れていた。
その大事なカードが今、失おうとしているのだ。
長い長い月日と年月を得てこの計画を今日まで温めてきた黑緋神之命は切り札となるトコヤミ大神が墜ちようとなると今までの冷静さを失い怒り一色に染まり出していた。
人間と妖怪という下等種族の分際で、最高神になる神に歯向かうなんて絶対許されることではない。
黑緋神之命の冷静な表情が一気に怒りに満ちた閻魔顔に変わった。
「どいつもこいつも、下等種族の分際で最高神の私に歯向かい立てつきやがって・・・・!許さん、許さん!!」
怒りが頂点に達した黑緋神之命は鋭い目で正輝を睨んだ。
同時に凄まじい気迫が正輝を襲う。
力も思考も入らない正輝にこの闇の結界を破る方法がない。
気のせいだろうか、身体の奥にある魂が飛び出そうとしている。
正輝は、自分の魂が飛び出ないよう気を確かに持ちながら必死に耐える。
自分の魂を体内に留めながらも魔法陣と骸骨の詠唱で強く引っ張られつつ抗う。
今、彼の身体の中では命懸けの綱引きが行われ続けているのだ。
正輝の魂が綱となって身体から引きずり出そうとする相手チームと阻止する為に必死こいて抵抗する味方チームが綱を力強く引き合っている。
そんな感じがするのだ。
さすがの黑緋神之命も印を結びながら追加攻撃をすることはできない。
印を解けばこの魔法陣と骸骨達も消えてしまうから。
黑緋神之命の目に映るのは、しばらく正輝が抗い続ける未来。
人間はこんなにもしぶといのかと改めて思った。
意識が失いそうになりながらも正輝は必死に自分の魂を自らの体内に留めておく。
そのうえ、黑緋神之命が生まれて初めて額から汗を流した。
初めて流した一滴の汗が黒緋神之命の頬に伝う。
この呪術は、強力だがかなり魔力を消耗するみたいだ。
意識が朦朧しかけて抵抗力が失いかけそうな正輝は薄っすら猩々が最期に伝えた言葉を思い出す。
松明丸の時を思い出せ。
そうだ。松明丸と戦った時、なかなか攻撃が通じなかった。
攻撃が通じたのは、覇気の力だ。
覇気が強まれば強まるほど勝機が上がる。
だから、松明丸を倒せた。
あの時の感覚を思い出せと正輝は朦朧する中、覇気を強めようと試みるが魂の綱引きだけで精一杯だ。
それに東京へ向かう途中、猩々が教えてくれたことを思い出した。
覇気を強く保てておけば呪いなどの類を撥ね退ける。
もっと早く気づくべきだった。
そうすれば、この力と思考を無効化にする呪術を強い覇気で退ける事ができるはずだった。
今は既に窮地に陥っていて自分の魂が体内の外に出そうだ。
意識を保ち必死に魂が出ないよう抵抗しつつもそろそろ限界が近づいてきた。
もうダメだ。
そのワードが頭の奥に過った。
まだ死にたくない。
まだ中学生なのに死ぬなんてあんまりだ!
これからやりたい事があるのに僕の人生がここで終わるなんて酷すぎる!!
死を完全否定しながらも生きよう生きようと強く念じる。が、その願いは届きそうにもない。
だんだん意識が薄れてきて正輝の魂が背中まで届いた気がした。
届いた背中からポンッと身体の外を出て周りにいる骸骨達に美味しく食べられる。
魂って美味いのか?どんな味するんだろう?
縁起でもない想像が正輝の頭脳に過るも一瞬にして消えた。
僕はもうダメだ。
みんな。ごめん。
正輝の背中から青白い物体がちょっとだけ浮き出てきた。
魂だ。
瞳が消えかけ意識が無くなりかけてきた正輝は自分の最期を悟るかのように抵抗する余力が尽きた。
だんだん衰弱しもうそろそろ意識が無くなる正輝の姿を見て黑緋神之命は笑みを浮かべた。
額に汗を流した甲斐があったと自信ありそうな表情を浮かべる。
もう少しだ。
そう黑緋神之命の頭の中に浮かんだ。
魂が少しずつ身体の中から抜けていく。
正輝はもうダメだと意識が無くなり瞼を閉じようとした。
その時だ。
黑緋神之命の表情が一瞬にして変わった。
さっきまで浮かべていた笑みが消えて急に目が曇らせる。
彼が見た未来はこうだ。
何者かがトコヤミ大神の大事な部分を破壊する様子だ。
ドオォォォォォォォーーーーン!!!!
大きな爆音が大広間に響く。
爆音と共に大広間が激しく揺らぎ黑緋神之命は結んでいた印を解いてしまった。
突然の地震で印を解いてしまった事で魔法陣と詠唱を唱えていた骸骨達の姿形が一瞬にして消えた。
呪術が消えた途端、正輝の魂は体の中へ戻った。
そして同時に正輝の意識が戻り咳き込んだ。
険しい表情を浮かべる黑緋神之命は独り言のように呟いた。
「まさか、奴らだけでなく他にもいたのか・・・・!」
まさかの予想外に黑緋神之命は驚きを隠せなかった。
本来なら未来予知で敵の動きを先に読み取りすぐ対処できるはずが、まさかトコヤミ大神の体内に正輝達の他に別の人物が潜り込んでる未来だけは予知できなかったみたいだ。
未来予知が決して万能とは言えないのだろう。
しかし、まさかの予想外の展開に正輝の命は救われたのだ。
正輝は一体何が起きたのか全く分からなかった。
でも今がチャンスだと正輝は対松丸との戦いを思い出しながら力と思考を無効化する呪術を解こうと覇気を強めた。
覇気は気持ちの強さだと猩々に教わった。
身体の中に流れる血が沸々と熱くなり気持ちが高まってきた気がした。
集中し覇気を高めているとみるみる失わていた力が戻ったような感覚を感じた。
正輝の身体には微かに光が見える。
本人と離れた所にある天帝主の宝玉も光る。
掛けた呪術が消えていくことに気づいた黑緋神之命は右手に魔力を溜めた。
来い!!!
正輝は手を伸ばし心の中で強く天帝主に声をかけた。
そうはさせまいと黑緋神之命は掌から光線を解き放った。
天帝主は自ら正輝の方へ飛んで行く。
光線が迫り来る中、正輝は避ける事もせず天帝主が手元に届くまで待機していた。
ドカーーーン!!
解き放たれた光線が正輝を襲い爆発
濃い煙が立ち上り黑緋神之命は彼の最期を見届けた。が、黑緋神之命は不満げな表情で一面煙で覆われている景色を眺める。
すると、煙から爆炎が上がった。
太陽のように光る金色の炎が舞い上がり濃い煙を大きく払う。
金色の炎の中には天帝主を持った正輝の姿が見えた。
復活を遂げた正輝に冷静かつ無表情だった黑緋神之命は、今ではうち秘められていた別の感情を表に出している。
不満そうで険しい表情を浮かべている彼を見るのは初めてだ。
予想だにしない展開に黑緋神之命は自分の未来予知が外れた事を納得していない。
正輝はさっきの爆音はなんだったのか分からなかった。
しかし、初めて見せる黑緋神之命の険しい顔を見て何となく理解した。
あの顔は、何かよくない事があったに違いないと。
「お前がそんな顔をするなんて珍しいな」
表情が変わっている事を正輝に言及された黑緋神之命は険しい顔をしつつも冷静な口調を出した。
しかも、その冷静な口調に微かだが厳かさが混ざっている。
「人間と妖怪にトコヤミ大神の心臓を壊しやがった」
彼が出す冷静な口調の中に微かな厳かさが交わっている。
人間と妖怪?
自分の他にも誰かいたのかと正輝は思う。
「壊したのは、人間の大人と木綿の妖怪だ」
人間の大人と木綿の妖怪。
どこかで会ったような気がしたが、その二人が何者なのかすぐに気づいた。
「小日向さんと一反木綿が?!」
球体は無数の鉄パイプに突き刺されていた。
ブシュ―ッブシューッ
球体から白い煙が噴き出し穴が開いて空気が漏れているような音を立てていた。
煙を噴出している球体の近くには小日向と一反木綿がいた。
どうやって、球体に鉄パイプを刺したのか。
それは一反木綿の尻尾を使って入り組んでいたパイプを切り刺したのだ。
ギャオオオオオオーー!!!
咆哮を放つ準備をしていたトコヤミ大神が大声を出して鳴いた。
その鳴き声はまるで断末魔みたいで苦しんでいるようにも見えた。
トコヤミ大神の断末魔は、地上まで届いた。
そして、断末魔によって一瞬、地面が大きく揺れた。
突然の揺れと大きな断末魔に地上にいたぬらりひょん達は驚き空を見上げていた。
突然、大広間が揺れ始め正輝と黑緋神之命は体勢を整えた。
小日向と一反木綿がトコヤミ大神の心臓を鉄パイプで刺したりしたことで大きな揺れが生じたのだ。
これでトコヤミ大神は咆哮を撃てなくなったはずだ。
正輝はこの揺れている大広間の中で体勢を崩さず天帝主を強く握った。
黑緋神之命は思ってもみなかったあまりの大事態に強く怒りを抱き拳を震わせた。
「私の未来予知を欺く為に、余計な鼠を引き連れて潜り込ませたのか?お前が、あの2匹にトコヤミ大神の心臓を破壊するよう指示したのか?」
その問いに正輝は何が何だかさっぱり分からなかった。それに、そんな支持を出した憶えはない。
小日向と一反木綿がトコヤミ大神に来ていたとは全く知らなかったうえ、トコヤミ大神に心臓があるとは思ってもいなかったので今の話を聞いて初めて知った。
黑緋神之命は野望を抱きながらも長年この日が来るのをずっと待ち準備をしてきた。
現世を滅ぼし自分の考えを否定し無の界へ陥れた全ての神々を討つ。そして、天照大神の代わりに自分が最高神となってこの世とあの世を支配するという野望が打ち砕かれようとしていた。
長年培ってきた努力と立てた計画が水の泡になろうとしているのだ。
トコヤミ大神も現世を滅ぼし神々を討つ最強兵器として計画に入れていた。
その大事なカードが今、失おうとしているのだ。
長い長い月日と年月を得てこの計画を今日まで温めてきた黑緋神之命は切り札となるトコヤミ大神が墜ちようとなると今までの冷静さを失い怒り一色に染まり出していた。
人間と妖怪という下等種族の分際で、最高神になる神に歯向かうなんて絶対許されることではない。
黑緋神之命の冷静な表情が一気に怒りに満ちた閻魔顔に変わった。
「どいつもこいつも、下等種族の分際で最高神の私に歯向かい立てつきやがって・・・・!許さん、許さん!!」
怒りが頂点に達した黑緋神之命は鋭い目で正輝を睨んだ。
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