亜人族の超絶美形と傷心旅行中の僕とのエロエロ恋愛模様【R18BL/濃厚エッチ/一章完結】

藤屯

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「だからわからない事があったら教えてくれると嬉しい。手取り足取り。セックスは私が教えるから」

 キキィーッ! というけたたましい音とともにスリップした車が激しく揺れ車線をはみ出した。

「ぅおいッ、綺麗な真顔でそういう事を言うなっ! それも運転中に!」
「なるほど。確かにシートベルトはるな」

 激しく揺れたのに定位置に引き戻してくれたシートベルトにヴィフレアは感心した様子だ。もとの車線に戻りハンドルを落ち着かせてから、

「それより、大丈夫だった!?」

 ……とても焦った。ヴィフレアに何かあったらと思ったらゾッとした。
 額に汗がにじむ。

「ああ。シートベルトのおかげで」
「大丈夫なら良かった」
「窮屈ではあるが面白いベルトを考えたものだ」
「だろ? でもヴィフレアには窮屈だろうなとは思う」

 ヴィフレアは普段、初めて会った時と同じベトナムの民族衣装『アオザイ』みたいな衣装を着ている。そして空を飛ぶ事もできる。そんな彼に人間界のシートベルトは窮屈だろうと想像できた。

「ごめん、シートベルトのない電車も考えたんだけど、ヴィフレアは目立つから」

 ハンドルを握り前方から目を離さないままヴィフレアに謝った。

「目立つ? 玄関を出る前に尖った耳はかくしたから大丈夫だろう?」

 彼が比較的訪れる事の多かったフィンランドは人間の世界だが、妖精、サンタクロースや小人、トントゥ(たまにそこにはエルフが混じっている)などが有名で、その存在に慣れている人もいるそうだ。尖った耳を出していても意外と溶け込める場合あるらしい(当然、そうじゃない場合もある。いろんな人がいるから)。だけど、日本は尖った耳の種族にはあまり馴染みがない。ヴィフレアもそういう知識はあったようですんなり『外出する時は耳をかくそう』という僕の提案にうなずいてくれた。

「尖った耳は玄関を出る前に帽子で覆ったけど。その圧倒的なキラキラオーラはかくせないから」

 日本に来てからヴィフレアはなるべく変装をしている。彼の美しすぎる一九〇センチ近くある長身の体躯たいくは日本では目立ってしまう。目立ってその完璧な美貌にハートをわし掴みにされる人が出てくるぐらいならまだいい。だが、目立てばいずれ尖った耳もバレ、かも知れない。それは避けたい。だから外に出る時は尖った耳を帽子で覆い、美しい長い金髪は後頭部でお団子に。そして見る者をとろけさせるアイスグリーン色の瞳は人混みでは色付き眼鏡で目立たないようにした。

 ……だけど❝美❞が漏れ出ちゃうんだよなあ。
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