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第四章 シアとアイリス
その35 新年の夜明け
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35
いくつかの案件を片付けた後、カルナックは、ラゼル邸を辞すことにした。
というのは大公の晩餐会に、シア姫の護衛として遣わしているキュモトエーとガーレネーより、報告と陳情を受けていたのだった。
第一世代の精霊にして《世界の大いなる意思》の代行者であるグラウケーの放つ『圧』は、彼女にしては抑えてはいるものの凄まじく、人間ふぜいにはとうてい長く耐えられるものではない。どうか早めに大公家の新年会にも顔を出してやってほしいというものだった。
「しかたないなあ」
カルナックは、笑みをほころばせた。
内心、まんざらでもなさそうである。
ラゼル家の年越しの宴は、大盛り上がりで、朝まででも続きそうである。
当主のマウリシオとアイリアーナに挨拶をし、エステリオ・アウルにも声をかけた。
新年になっても宴に居座って祭りを楽しんでいる童子姿の歳神と、歳神を連れてきた双子の獣人パウルとパオラについてはエステリオ・アウルを通じて客人として保護を頼んで、こころよく承諾してもらった。
双子のパウルとパオラはアイリスの従魔になつかれ、もふもふを堪能しているうちに、アイリス共々、眠り込んでしまったようだ。
「まだ、焚き火と《精霊の樹(シンギングツリー)》の側に、置いてやってくれないか。パウルとパオラは、精霊の息吹を補充しなければ、回復しない。精霊火も残しておく」
いささか謎めいた言葉を告げ、
魔道士協会からメイドとして潜入(おおっぴらに)しているサファイア=リドラとルビー=ティーレを呼んで、指示を出す。
「私は今夜のうちに大公家にも顔を出さねばならない。くれぐれも、護衛対象であるアイリスの他に、双子に気を配るように。童子神は、勝手に出ていくだろうから放っておきなさい」
「はい。起きたら、二人と話をします」
こう答えたのは、双子に常識を教えるように言われたリドラ。
「この国について教えるのは、おいおいでいい。……そうだな、ティーレだけ遊ばせるのもなんだし、パウルとパオラは、栄養状態がよくなれば身体を動かしたがるだろう。そういう、頑丈な種族だ。遊び相手になってやってくれ」
非常に大雑把にすぎる指令だ。
サファイア=リドラとルビー=ティーレはちらと顔を見合わせたが余計なことは口に出さなかった。
リドラとしては、それって仕事を振らないとルビー=ティーレが退屈して何をしでかすか心配だからでしょうかと尋ねたかったのだが、非常な自制心をもって、我慢したのである。
「はい、お師匠」
「かしこまりました」
カルナックは満足げにうなずいた。
「魔道士協会から派遣している魔法使いたちは残すが、コマラパは連れていく。せいぜい、大公たちに雷を落として貰うとしよう」
これに、コマラパは、ため息をついた。
「いつもの事ながら、説明不足じゃ。わしには選択の余地はないのか」
するとカルナックは「へえ」と気のないふうに答えて見せた。
だが、眉を寄せ、憂鬱そうに顔を曇らせる。
「……べつに、いいんだよ、コマラパは年寄りだし。だけど、これから敵地に赴く私の近辺に、数少ない強力な味方としてついてきてくれたらなって」
「行かないとは、言っとらん! フィリクス公嗣も信用ならんが、大公の身の回りは、まったく有象無象ばかりじゃからな」
慌てるコマラパ。
ふふふ。
カルナックは、薄く笑った。
「いつだって、どこにだって来てくれると信じてるから。……お父様」
最後の言葉は、誰の耳にも届かないように、潜めて。
「さて、行くか」
カルナックとコマラパの足もとに、銀色の魔法陣が浮かび上がる。
それにつけても一切の呪文の詠唱もなしに、息をするかのように自然に魔法を行使するのは、カルナックを置いてほかに数人もいないだろう。
「あ、お師匠様! あの、人身売買組織については」
転移魔法陣が起動を始めるのを見て、リドラは、これだけは確認しておかなくてはと声をあげた。
すると、カルナックは振り返り、こともなげに言う。
「今回の、獣神狩りを依頼された組織なら、すでに潰れている」
「はい?」
「私は先刻《世界の大いなる意思》と連絡したと言っただろう? サウダージ共和国の組織の一つが、浅い海に隔てられた極東の大陸に船を用いて渡り、彼の地に授けられた《精霊の樹》から獣神の《繭果》を刈り取った」
「お師匠様、さっきは何もおっしゃらなかったではないですか!」
「たいしたことではないからだ。組織といっても末端だった。だが、太古に《世界の大いなる意思》の名代である第一世代の精霊グラウケーと交わした誓約に明確に触れたために、組織の船は《色の竜たち》に襲われ、難破した」
「え?《色の竜たち》は些末なことには干渉しないはずでは?」
リドラはこう尋ねているが、傍らで聞いているティーレには、なんのことやらまったく理解できていない。
サウダージ共和国で生まれ育ち、エルレーン公国に亡命してきたリドラには、カルナックの言葉に含まれた事象の意味が推測できている。
「リドラ。サウダージの組織は《世界》との誓約を破ったのだ。ささいなことではない」
はっと、リドラは息を呑む。
ティーレにも、その緊張感は伝わった。だが、あえて口は挟まなかった。
「その後は色々あって、生存者は《繭果》に入っていたパウルとパオラだけだよ。このラゼル家の年越しの祭りに導かれたのも、偶然ではあるまい。《世界》が、そう計らったのだろう」
「わかりました」
(はい、お師匠様。パウルとパオラの重要性を理解しました)
「よろしく頼むよ。リドラ。君こそが、あの双子の教師に向いている」
くすっと、カルナックは小さく笑った。
子供みたいな笑顔だ、と。
リドラは、思い出していた。
初めて出会ったときも、カルナックはあんなふうに笑っていた。
転移魔法陣がカルナックとコマラパを大公の宮殿へと運ぶ。
銀色の粒子が、舞う。
それはまばゆく輝き続けている《精霊の樹》が、さざめく鈴の音とともに降りかかる、祝福のしるし。
「やれやれ。……めんどうだわぁ」
サファイア=リドラは、長い黒髪をかきあげ、アンニュイに呟いて、薄明の空を見上げた。
やがて数時間して太陽が、『青白く若き太陽神アズナワク』がのぼってくれば、年越しの焚き火は燃え尽き、出現した《精霊の樹》はまた、幻だったかのように、消えていくのだ。
新しい年の朝が、くる。
いくつかの案件を片付けた後、カルナックは、ラゼル邸を辞すことにした。
というのは大公の晩餐会に、シア姫の護衛として遣わしているキュモトエーとガーレネーより、報告と陳情を受けていたのだった。
第一世代の精霊にして《世界の大いなる意思》の代行者であるグラウケーの放つ『圧』は、彼女にしては抑えてはいるものの凄まじく、人間ふぜいにはとうてい長く耐えられるものではない。どうか早めに大公家の新年会にも顔を出してやってほしいというものだった。
「しかたないなあ」
カルナックは、笑みをほころばせた。
内心、まんざらでもなさそうである。
ラゼル家の年越しの宴は、大盛り上がりで、朝まででも続きそうである。
当主のマウリシオとアイリアーナに挨拶をし、エステリオ・アウルにも声をかけた。
新年になっても宴に居座って祭りを楽しんでいる童子姿の歳神と、歳神を連れてきた双子の獣人パウルとパオラについてはエステリオ・アウルを通じて客人として保護を頼んで、こころよく承諾してもらった。
双子のパウルとパオラはアイリスの従魔になつかれ、もふもふを堪能しているうちに、アイリス共々、眠り込んでしまったようだ。
「まだ、焚き火と《精霊の樹(シンギングツリー)》の側に、置いてやってくれないか。パウルとパオラは、精霊の息吹を補充しなければ、回復しない。精霊火も残しておく」
いささか謎めいた言葉を告げ、
魔道士協会からメイドとして潜入(おおっぴらに)しているサファイア=リドラとルビー=ティーレを呼んで、指示を出す。
「私は今夜のうちに大公家にも顔を出さねばならない。くれぐれも、護衛対象であるアイリスの他に、双子に気を配るように。童子神は、勝手に出ていくだろうから放っておきなさい」
「はい。起きたら、二人と話をします」
こう答えたのは、双子に常識を教えるように言われたリドラ。
「この国について教えるのは、おいおいでいい。……そうだな、ティーレだけ遊ばせるのもなんだし、パウルとパオラは、栄養状態がよくなれば身体を動かしたがるだろう。そういう、頑丈な種族だ。遊び相手になってやってくれ」
非常に大雑把にすぎる指令だ。
サファイア=リドラとルビー=ティーレはちらと顔を見合わせたが余計なことは口に出さなかった。
リドラとしては、それって仕事を振らないとルビー=ティーレが退屈して何をしでかすか心配だからでしょうかと尋ねたかったのだが、非常な自制心をもって、我慢したのである。
「はい、お師匠」
「かしこまりました」
カルナックは満足げにうなずいた。
「魔道士協会から派遣している魔法使いたちは残すが、コマラパは連れていく。せいぜい、大公たちに雷を落として貰うとしよう」
これに、コマラパは、ため息をついた。
「いつもの事ながら、説明不足じゃ。わしには選択の余地はないのか」
するとカルナックは「へえ」と気のないふうに答えて見せた。
だが、眉を寄せ、憂鬱そうに顔を曇らせる。
「……べつに、いいんだよ、コマラパは年寄りだし。だけど、これから敵地に赴く私の近辺に、数少ない強力な味方としてついてきてくれたらなって」
「行かないとは、言っとらん! フィリクス公嗣も信用ならんが、大公の身の回りは、まったく有象無象ばかりじゃからな」
慌てるコマラパ。
ふふふ。
カルナックは、薄く笑った。
「いつだって、どこにだって来てくれると信じてるから。……お父様」
最後の言葉は、誰の耳にも届かないように、潜めて。
「さて、行くか」
カルナックとコマラパの足もとに、銀色の魔法陣が浮かび上がる。
それにつけても一切の呪文の詠唱もなしに、息をするかのように自然に魔法を行使するのは、カルナックを置いてほかに数人もいないだろう。
「あ、お師匠様! あの、人身売買組織については」
転移魔法陣が起動を始めるのを見て、リドラは、これだけは確認しておかなくてはと声をあげた。
すると、カルナックは振り返り、こともなげに言う。
「今回の、獣神狩りを依頼された組織なら、すでに潰れている」
「はい?」
「私は先刻《世界の大いなる意思》と連絡したと言っただろう? サウダージ共和国の組織の一つが、浅い海に隔てられた極東の大陸に船を用いて渡り、彼の地に授けられた《精霊の樹》から獣神の《繭果》を刈り取った」
「お師匠様、さっきは何もおっしゃらなかったではないですか!」
「たいしたことではないからだ。組織といっても末端だった。だが、太古に《世界の大いなる意思》の名代である第一世代の精霊グラウケーと交わした誓約に明確に触れたために、組織の船は《色の竜たち》に襲われ、難破した」
「え?《色の竜たち》は些末なことには干渉しないはずでは?」
リドラはこう尋ねているが、傍らで聞いているティーレには、なんのことやらまったく理解できていない。
サウダージ共和国で生まれ育ち、エルレーン公国に亡命してきたリドラには、カルナックの言葉に含まれた事象の意味が推測できている。
「リドラ。サウダージの組織は《世界》との誓約を破ったのだ。ささいなことではない」
はっと、リドラは息を呑む。
ティーレにも、その緊張感は伝わった。だが、あえて口は挟まなかった。
「その後は色々あって、生存者は《繭果》に入っていたパウルとパオラだけだよ。このラゼル家の年越しの祭りに導かれたのも、偶然ではあるまい。《世界》が、そう計らったのだろう」
「わかりました」
(はい、お師匠様。パウルとパオラの重要性を理解しました)
「よろしく頼むよ。リドラ。君こそが、あの双子の教師に向いている」
くすっと、カルナックは小さく笑った。
子供みたいな笑顔だ、と。
リドラは、思い出していた。
初めて出会ったときも、カルナックはあんなふうに笑っていた。
転移魔法陣がカルナックとコマラパを大公の宮殿へと運ぶ。
銀色の粒子が、舞う。
それはまばゆく輝き続けている《精霊の樹》が、さざめく鈴の音とともに降りかかる、祝福のしるし。
「やれやれ。……めんどうだわぁ」
サファイア=リドラは、長い黒髪をかきあげ、アンニュイに呟いて、薄明の空を見上げた。
やがて数時間して太陽が、『青白く若き太陽神アズナワク』がのぼってくれば、年越しの焚き火は燃え尽き、出現した《精霊の樹》はまた、幻だったかのように、消えていくのだ。
新しい年の朝が、くる。
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