こんなわたしでもいいですか?

五月七日 外

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24時間の鎖

24時間の鎖③

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「……さて、今回はどんな風に登場しましょうかねー……」

 前回はドイツ語であいさつをしましたから今回はイタリア語あたりでいきましょうかね……

「おや?もう始まってましたか……それは、失礼しました……
 えぇーコホンッ、どうも皆さんこんにちわ」

 とまあ、イタリア語がどうこう言っていたのにも関わらず日本語であいさつをしたのは、わたくしこと赤城 飛翔 あかぎ かけるでございます。 
 ……まあ、イタリア語なんてわたくしは知らないので使うつもりはありませんでしたが……

 とまあ、そんなことはおいといて恒例のおさらいコーナーといきましょう。
 さて、前回は彼が彼女の記憶のことについてどのように隠すか素晴らしい作戦?を考えた……ですかね。

「……今回は、引き続き彼と彼女の作戦会議ですね。それでは、どうぞ!」



「あれ?この作戦だめ?」
「えーっと……不思議ちゃんってなに?」

 ふぅ、どうやら暁さんは、不思議ちゃんの意味がわからなかったみたいだ。……でもそのわりには、引いてませんでした?  
 とりあえず俺の作戦の意図を暁さんに説明するか……

「暁さんって天然でしょ」
「確か、そんなことも言われてた気がする」

 暁さんが覚えているということは、中2以前から天然だと言うことだろう……

「だから、暁さんの天然キャラを利用するってわけ」
「そんな作戦で上手くいくの?」

 まだ暁さんは俺の作戦を信用できないようだ。

「そうだな例えば……」


『暁さんこのあいだは、ありがとー』 
『この前の話し決めてくれた?』


「とか言われると結構困るだろ?」
「それを飛翔が助けてくれるんじゃないの?」

 暁さん今しれっと、俺のこと下の名で読んだよね?そういうのはドキッとするからやめようね。さもないと俺も昴って読んじゃうぞ……って呼べないけどな。
 それは、さておき……

「それはそうだけど、俺がいつも協力出来るわけじゃないだろ」
「確かに……」
「だがしかし!もしも暁さんが不思議ちゃんだったら……」
「だったら?」
「適当に答えても誤魔化せる!」
「!?」

 暁さんもようやく俺の作戦を信用してきたみたいだ。

「つまり……」


『暁さんこのあいだは、たのしかったね』 
『わたしも買い物は好きだから楽しかった』
『ちがうちがう(笑)カラオケのことだってばぁ、買い物はもっと前じゃん』
『なんだカラオケのことね、このあいだは盛り上がったね』
『だよねー』


「という感じで誤魔化せるし相手の方から何の話しをしているのか教えてくれる」

 まあ、少し無理がありそうな作戦だとはおもうが……

飛翔 かけるってもしかして天才?」

 ……暁さんは天然というよりアホの子かもしれない。まあ、暁さんが納得しているのなら取り敢えずこの作戦でいこう。

 何て、俺が考えていると暁さんから質問が来た。

「でも、どうして『天然キャラ作戦』じゃなくて『不思議ちゃん作戦』なの?」

 そんなの……

「そっちの方がかわいいからに決まってるだろ!」
「……そうなんだ……」

 いかん、つい口に出てしまった……また、暁さんが引いてるよ

「いやいや、じゃなくて暁さんって絵がうまいんだから不思議ちゃんの方がイメージにあうというか……」


 俺の必死の説得もあってか作戦名を『暁さんは不思議ちゃん作戦』にすることができた。
 取り敢えず明日からは、暁さんが不思議ちゃんということを広めないとな……がんばるぞー


「それじゃあ今日は身体測定があるから、体操服に着替えてから男子は体育館、女子は武道場に集合してくれ」

 と、担任の太田がホームルームの説明があり、俺達は、教室で着替えていた。
 やべぇ、昨日あんだけやる気に満ちていたのに今日身体測定じゃん……これじゃあ作戦を実行しにくいなぁ、男子はともかく女子にどうやって広めようか……

 さすがに暁さんが自分で『わたし不思議ちゃんなのー』とか言ったら少しヤバイ人になってしまうし、暁さんの高校生活が残念なことになってしまう……
 と、俺がそんなことを考えていると

「暁さんってどんな人なのかな?」
「一昨日は、学校休みだったし昨日はすぐ学校帰ったから全然話せてないしなぁー」

 そんな会話を隣で着替えていた男子生徒が話していた。
 まあ、暁さんも見た目は可愛い方だし、健全な男子高生が気になるのも無理はないか……さて、早速チャンスだ。やつらに『暁さんは不思議ちゃんなのだよ』と教えてあげるか……

「暁さんは結構天然だぜー」

 俺が今まさに言おうとしたことを山ピーこと山何とか君が言ってしまった。許すまじ山ピー……と、そんなことはどうでもいいとして、確か山何とか君も日ノ岡中出身だから暁さんが天然キャラって知っているのか。
 俺のクラスにも日ノ岡中出身の人は多いいから思ったよりも楽に広められるかもしれない。


「クソッ……どうしてなんだ……」

 俺は、思ったよりも上手くいってないことに珍しくイラついていた。
 ああ……作戦のことじゃないよ。 そっちは今のところ上手くいっている。何が上手くいっていないかって?

 身長が伸びていない……
 測定の結果俺の身長は、169.4センチメートルだった。
 どういうことだ……去年から全く伸びていない、夢の170センチのために毎朝牛乳をのんでいるのに……
 

 とまあ、俺の身長が伸びていない事件?から一週間経過したのだが『暁さんは不思議ちゃん作戦』は意外と上手くいき、暁さんの記憶のことは全然バレそうにない。

 これで大体暁さんとの約束は、守れたかな……これでエセ大魔王のことは、誰にもバレなさそうだ。
 よし!あとは、思いっきり青春するぞー! 
そんなことを考えていると 雛田さんが、俺の席までやって来た。

「ねえねえ赤城くん、来週のふれあい合宿一緒の班になろ~!」

 ……そう言えば、今日の六時間目に班決めするって太田が言ってたなぁ。
 雛田さんからのお誘いを断る理由なんてないしな、何なら俺から誘いにいくまである。

「もちろんいいよ」
「やったぁー!ふれあい合宿楽しみだね!」 

 うんうん、俺も雛田さんが一緒だから楽しみだぜ。ふれあい合宿が待ち遠しいな。
 まてよ?ふれあい合宿……合宿……


 ヤバイ!泊まりってことは、人格入れ替わっちゃうじゃん!
 どうやったら二重人格者ってことを隠せる!?
 

 
 
 
 

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