こんなわたしでもいいですか?

五月七日 外

文字の大きさ
8 / 73
24時間の鎖

24時間の鎖⑤

しおりを挟む
「ねえねえ飛翔、今日のフォークダンスわたしとペア組んでくれない?」

 何やら、ネコのような娘がワレにダンスとやらのお誘いにやって来た。

「ワレで良ければ喜んで引き受けようではないか」
「ワレ……?あっ!もしかして大魔王さん?」
「うむ、その通りワレこそが大魔王ディザ……何故お主はワレのことを知っているのだ?」

 ワレに問われた娘は、何やらメモ帳を必死に眺めている。

「えぇーっと……そう!木山先生の病院で会ってる」
「ドクターの病院……昴殿か?久しぶりだのー」
「うんうん!と言ってもわたしは、はじめましてだけど……」

 はじめまして?そんなことは……

「そう言えばお主は記憶があれだったな……では、はじめましてだ昴殿!またよろしく頼むぞ」
「よろしくお願いします。やっぱり大魔王さんは面白いね」
「当然である!」

 とまあ、ワレは昴殿とダンスのペアを組むことになった。
 ……飛翔 かけるが雛田さんとやらとペアを組むように言っていたような気もするがまあよいだろ……

 さて、昴殿以外にはワレが大魔王であることを隠さないとだったな……
 このふれあい合宿の間上手くやれれば、飛翔がフィギュアを買ってくれるらしいので頑張らねば……


 昴殿と約束をしたあとワレは無難に夕食をやり過ごし現在、キャンプファイアなるものの説明をきいていた。
 キャンプファイアとはよくわからんが火の周りで踊ることを言うらしい。

「ねぇー赤城くんわたしとペア組まない?」

 確か雛田さんだったか……がワレにペアのお誘いにやってきたがあいにくワレには、先客がいるのでな断るとしよう……

「すまない!実はもうペア決まってんだ」
「えぇ~!そうなの?じゃあ~交代の時はわたしと組んでよ~」
「まあ、それならいいよ」

 ふむ、ワレにかかれば飛翔の真似など朝飯前である。

「ありがと~!そう言えば誰とペア組んでるの~?」

 ……やたらとこの娘は顔が近いな、元気なのは良いがそんなことをしていると勘違いする男子が出るから止めた方がよいぞ……

「あぁ……昴とペア組んでんだ」
「?そうなんだね~、それじゃあまたあとでね~!」
「お、おう」

 ふむ、少し怪しまれた気もするが、どうやら大丈夫だったようだ。
 

「なあ、昴殿?お主ダンス下手すぎではないか?」
「そっ、そんなことないよ!」
「お主はかなり下手だと思うぞ」
「うぅ~っ」

 あの後キャンプファイアが始まりペアを組んでいた昴殿と踊っているのだが……
 先程から昴殿は転びそうになったりワレの足を何度も踏んだり、体はガチガチという何とも残念な感じであった。
……仕方がない、ワレがレクチャーをしてやろう。

「よいか?まずは右足をこのように前にだし、その次は左足を……」
「うんうん」
 

 ワレの素晴らしいレクチャーのお陰で昴殿もだいぶ踊れるようになっていた。まあ、まだワレの足を踏みまくるが……

「大魔王さんてやっぱりすごいね」
「ワレに出来ぬことなどないからな!」

 とまあ、こんな感じに昴殿と踊っているとダンスを教えるのに時間がかかりすぎたのかもうペアの交代時間がきてしまった。

「ふむ、もう交代のようだな」
「うん……楽しかったよ!大魔王さんありがとう」
「ああ、ワレも楽しかったぞ」
 

「赤城くんっていつの間に暁さんと仲良くなったの?」

 次のペアの雛田殿がワレに色々と質問してきていた。

「入園式の後にたまたま会ってさ」
「えっ、でもあの日わたし達と遊んでたし、そのあと用事があるって言ってなかった?」

 おい飛翔、ワレはそんな話知らんぞ!……さて、何と言えばよいか?さすがに病院で会ったはダメであろう……

「遊んだ後の帰りがけに会ったんだよ」
「ふぅん、そうなんだ……」

 少し微妙な反応だったが何とか誤魔化せたのか、それ以上雛田殿は聞いてこなかった。


「やっほー!一番風呂だー!」

 やけにテンション高く風呂に飛び込んでいったのは、山下 俊郎やました としろうこと山ピーであった。

「風呂ん中で走ると転ぶぞ」
「飛翔そんなこと言われなくてもわかってるって!」

 山ピーはそんなことを言ったがその後すぐに風呂の中でスッ転んでいた。
……ふむ、この男フラグを立ててから回収までの早さ、もしや職人か……


 とまあ、山ピーの隠れた才能を見いだせた風呂の時間も終わり、ワレらの部屋であまりにも怪談話が盛り上がり教師に怒られる等……少々あったがどうやらワレが二重人格であることはバレなかったようだ。

 ……フィギュア獲得に向けて明日も頑張らねば……
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。

藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。 どうして、こんなことになってしまったんだろう……。 私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。 そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した…… はずだった。 目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全11話で完結になります。

別に要りませんけど?

ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」 そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。 「……別に要りませんけど?」 ※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。 ※なろうでも掲載中

ねえ、テレジア。君も愛人を囲って構わない。

夏目
恋愛
愛している王子が愛人を連れてきた。私も愛人をつくっていいと言われた。私は、あなたが好きなのに。 (小説家になろう様にも投稿しています)

婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?

俺の可愛い幼馴染

SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。 ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。 連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。 感想もご自由にどうぞ。 ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

処理中です...