死霊使いと精霊姫

五月七日 外

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剣帝

剣帝⑥

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「俺様は、確かに能力を使えるが……それがどうかしたのか?まだ俺様の能力が何なのか分からないんだろ?なら何も変わらないぜ」

 確かに、ライオネルの言うとおりだ。能力が何なのか分からない以上、対策を練ることもできない。
 ……ライオネルの能力は何だ?ライオネルは、姿を目の前から消して、背後を取ることができる。これがライオネルの能力なのか?だけど、時間を止めていても能力を使えたし……  

「それに……お前の〈範囲〉は、ここまでだろ?」

 ライオネルが2、3歩前に歩くと、地面を凪ぎ払う。
 そして、ライオネルが地面を削った場所までがましろの〈範囲〉……その距離およそ三メートル。

「なんでわかったんだ?って顔してるが俺様くらいになればそれくらい分かるさ。お前の能力は、〈時間操作〉だろうな。少なくとも自身の時間の流れの加速と周りの時間を止めることができるな。まあ、〈範囲〉も狭いし、持続時間も短いようだが」
「ヤバイな……」

 ライオネルは、ましろの能力を完全に見破っていた。さすがは、元英雄と言われたまではある。

「もしかして、楽しんでる?」 

 せつながましろの顔を覗きこんでくる。
 せつなに言われて気がついたが、能力はバレているし、ライオネルの能力は謎のままという危機的状況にも関わらず、ましろは笑っていた。

「かもな。ライオネルは想像以上に強いよ……でも世界には、こんなに強いやつがもっといるかもしれないって思うとさ。俺も負けてらんないっていうか……」

 未だかつて死者の国 アヴァロンにたどり着いた人間はいない。つまり、もっと強くならなくてはならない。

「なら、なおさらこんなところで負けられないわね」
「もう一度、俺が突っ込むからせつなはフォローを頼む」
「待って、これを使って」

 ましろが指を鳴らそうとすると、せつなに止められてしまった。
 せつなの翼が一本だけ剣に変わり、渡してきた。
 ましろの持っていた剣は、先程の斬撃で刃先がボロボロになっていた。

「これって、聖后剣せいごうけんなのか?」
 
 聖后剣はかつて、ルベールで死霊を倒したときに使った剣だ。ただ、霊体専門の剣のはずなのだが……

「見た目は似てるけど中身が違う。名前は、まだ考えてないから無銘ってところかしら」
「それじゃあ、再開するか!」

 ましろは、無銘を構え直してもう一度ライオネルに突っ込む。

 

 

 

 
 

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