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死闘の果てに
死闘の果てに①
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無銘とライオネルの剣が交錯する瞬間、ましろは不思議な感覚をしていた。
……なんだろ?加速もしてないのに、動きがゆっくりに見える。それに、何だか頭もスッキリしてる……
能力で自分の時間の流れを加速しても、捉えることすら厳しかったライオネルの攻撃が完全に目に見える。
それどころか、ライオネルの剣がどのような軌道を通ってくるのかすら見えてしまう。
そして、ましろは見えた剣の軌道に入らないように体を反らす。
すると、その瞬間に不思議な感覚が終わり、無銘とライオネルの剣が交錯した。
「があぁぁ!!!」
無銘がライオネルの左肩に突き刺さり、血が飛び出る。
ライオネルの剣は、紙一重のところを通り、ましろの肌を少し斬るに過ぎなかった。
さらに、止まっていたせつなの羽も動きだし、ライオネルは羽に当たって壁まで吹き飛ばされる。
ましろも全ての力を使い果たし、うつ伏せに倒れてしまう。
「終わった……のか?」
砂煙が立ち上がり、ライオネルの様子が見えない。
もう、ましろには立ち上がる力さえ残っていないのだ。これで、もしもライオネルが立ち上がってくるようなことがあれば……
「ハッハッハ!」
笑い声が響く。
……まさか!?あそこまでの怪我を負って立ち上がってくるのか!……
「負けられない……」
ましろも立ち上がろうとするが、全く力が入らない。
そして、砂煙が晴れ、ライオネルの影が見えてくる。
「ましろ、あれ……」
すると、せつながましろの隣に降り立ち、影を指差す。ましろは、何とか顔を上げせつなが指差したほうを見る。
「ははっ……もう立つこともできねえとはなぁ……どうやら、俺様の負けみたいだな」
ライオネルは、壁の前に座り、笑っていた。もう力も入らないのか剣を持つことすらしていない。
そして、ライオネル自ら負けを宣言してきた。
「立てるか?」
数十分後、せつなの治療のお陰で、ようやく動けるようになったましろは、未だに立ち上がらないライオネルに手を貸していた。
「……なんとかな」
ライオネルは、ましろの手を取り立ち上がる。
ライオネルも少しだけせつなの治療を受けているので、小さな傷は治っている。
「それにしても、まさかお前が魔眼を使えるとはなぁ」
「魔眼?」
「あっ?気づいてねえのか?」
ライオネルは、信じられないといった様子でましろを見るが、ましろは魔眼なんてものを使った覚えはない。
「魔眼なんて俺は使えないけど……」
「じゃあ、さっきのはたまたまか……」
「もしかして、最後の不思議な感覚が魔眼なのか?」
「まあ、そんなところだ。俺様は、魔眼に興味ねえから詳しくは知らないが、気を付けろよ」
「何にだ?」
「能力と同じだ。強い力にはそれなりの代償がいる。まあ、完全にコントロールできるなら話は別だがな」
「わかったよ」
そもそも魔眼の使い方なんて知らないので、魔眼は使わない方がよさそうだ。
「さて、それじゃあ俺様は行くぜ」
「おい!そんな傷でどこに行くんだよ?」
ライオネルはそう言うと、フラフラとしながら部屋を出ようとする。
「おいおい、俺様が負けたらこの国を出る約束だろ?」
「そうだけど……その前に何個か質問させてくれ」
「うん?魔眼については俺様もこれ以上知らねえぞ」
「いや、魔眼じゃなくてさ。お前、死霊使いになったって言ってたけど、何でほとんど死霊を使わなかったんだ?」
死霊は霊体なので通常の攻撃は効かない。つまり、死霊をもっと使えばこちらの通常攻撃はすべて封じれたはずなのだ。それに、死霊使いは生霊術のスペシャリストでもある。にも関わらず、ライオネルは剣術で戦っていた。
「ああ、俺様はズルして死霊使いになってるんだ。だから、あまり死霊を自由に動かせねえんだよ」
「ズルって、そんなので死霊使いになれるもんなのか?」
「これを使えば、ある程度……くっ、ぐあぁぁ!!!」
ライオネルが何かを見せようとした瞬間、突然胸を押さえて苦しみだした。
「おい!どうしたんだ!?」
「がはっ!クソがぁ!」
「ましろ離れて!」
せつなに手を引っ張られて、ライオネルから離れる。
そして、ライオネルの体を黒い何かが包み込んでいた。
「あれって……死霊?」
せつなが隣で呟く。信じられないことに黒い何かは、ライオネルを包み込むとライオネルごと死霊になってしまった。
……なんだろ?加速もしてないのに、動きがゆっくりに見える。それに、何だか頭もスッキリしてる……
能力で自分の時間の流れを加速しても、捉えることすら厳しかったライオネルの攻撃が完全に目に見える。
それどころか、ライオネルの剣がどのような軌道を通ってくるのかすら見えてしまう。
そして、ましろは見えた剣の軌道に入らないように体を反らす。
すると、その瞬間に不思議な感覚が終わり、無銘とライオネルの剣が交錯した。
「があぁぁ!!!」
無銘がライオネルの左肩に突き刺さり、血が飛び出る。
ライオネルの剣は、紙一重のところを通り、ましろの肌を少し斬るに過ぎなかった。
さらに、止まっていたせつなの羽も動きだし、ライオネルは羽に当たって壁まで吹き飛ばされる。
ましろも全ての力を使い果たし、うつ伏せに倒れてしまう。
「終わった……のか?」
砂煙が立ち上がり、ライオネルの様子が見えない。
もう、ましろには立ち上がる力さえ残っていないのだ。これで、もしもライオネルが立ち上がってくるようなことがあれば……
「ハッハッハ!」
笑い声が響く。
……まさか!?あそこまでの怪我を負って立ち上がってくるのか!……
「負けられない……」
ましろも立ち上がろうとするが、全く力が入らない。
そして、砂煙が晴れ、ライオネルの影が見えてくる。
「ましろ、あれ……」
すると、せつながましろの隣に降り立ち、影を指差す。ましろは、何とか顔を上げせつなが指差したほうを見る。
「ははっ……もう立つこともできねえとはなぁ……どうやら、俺様の負けみたいだな」
ライオネルは、壁の前に座り、笑っていた。もう力も入らないのか剣を持つことすらしていない。
そして、ライオネル自ら負けを宣言してきた。
「立てるか?」
数十分後、せつなの治療のお陰で、ようやく動けるようになったましろは、未だに立ち上がらないライオネルに手を貸していた。
「……なんとかな」
ライオネルは、ましろの手を取り立ち上がる。
ライオネルも少しだけせつなの治療を受けているので、小さな傷は治っている。
「それにしても、まさかお前が魔眼を使えるとはなぁ」
「魔眼?」
「あっ?気づいてねえのか?」
ライオネルは、信じられないといった様子でましろを見るが、ましろは魔眼なんてものを使った覚えはない。
「魔眼なんて俺は使えないけど……」
「じゃあ、さっきのはたまたまか……」
「もしかして、最後の不思議な感覚が魔眼なのか?」
「まあ、そんなところだ。俺様は、魔眼に興味ねえから詳しくは知らないが、気を付けろよ」
「何にだ?」
「能力と同じだ。強い力にはそれなりの代償がいる。まあ、完全にコントロールできるなら話は別だがな」
「わかったよ」
そもそも魔眼の使い方なんて知らないので、魔眼は使わない方がよさそうだ。
「さて、それじゃあ俺様は行くぜ」
「おい!そんな傷でどこに行くんだよ?」
ライオネルはそう言うと、フラフラとしながら部屋を出ようとする。
「おいおい、俺様が負けたらこの国を出る約束だろ?」
「そうだけど……その前に何個か質問させてくれ」
「うん?魔眼については俺様もこれ以上知らねえぞ」
「いや、魔眼じゃなくてさ。お前、死霊使いになったって言ってたけど、何でほとんど死霊を使わなかったんだ?」
死霊は霊体なので通常の攻撃は効かない。つまり、死霊をもっと使えばこちらの通常攻撃はすべて封じれたはずなのだ。それに、死霊使いは生霊術のスペシャリストでもある。にも関わらず、ライオネルは剣術で戦っていた。
「ああ、俺様はズルして死霊使いになってるんだ。だから、あまり死霊を自由に動かせねえんだよ」
「ズルって、そんなので死霊使いになれるもんなのか?」
「これを使えば、ある程度……くっ、ぐあぁぁ!!!」
ライオネルが何かを見せようとした瞬間、突然胸を押さえて苦しみだした。
「おい!どうしたんだ!?」
「がはっ!クソがぁ!」
「ましろ離れて!」
せつなに手を引っ張られて、ライオネルから離れる。
そして、ライオネルの体を黒い何かが包み込んでいた。
「あれって……死霊?」
せつなが隣で呟く。信じられないことに黒い何かは、ライオネルを包み込むとライオネルごと死霊になってしまった。
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