死霊使いと精霊姫

五月七日 外

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ルベール国

ルベール国①

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「やっとついたな」
「ルベール遠すぎなのよ……」
 ましろたちはあれから二日間砂漠を歩き続け、ルベール国の門の前に立っていた。今回は運がよく一度も死霊に襲われなかった。
 門の扉には『ようこそルベールへ!』と書かれていたのだろうが砂嵐や死霊に削られてしまったようで『うそルベ!』と書かれている。
「門番さんはどこだろう?」
 ましろはルベール国に入るために門番を探しているが中々見つけられないでいる。
「ここの門はクオルよりも大きいのね。どうしてそんなに大きい国じゃないのにこんな門があるの?」
「せつなは精霊だから知らなくて当然か、クオルみたいな大きい国になると死霊に襲われないように国に結界を張るんだ。けどルベールはそんなに大きくないから結界を作っても維持が大変だから代わりに門や壁を建てて死霊の浸入を塞いでるんだよ」
「そうなの。小さい国は大変ね」
「別に小さくてもスゴい国もあるよ。確かもっと北にあるサイオンは生霊術 スピナリーで蒸気機関を完成させて機械都市って呼ばれてるし、ルベールも水の名産地だしな」  

 ましろたちは仕事をサボって寝ていた門番を見つけて何とかルベール国に入った。
「それで、これからどうするの?」
 街中を歩いているとせつながそう聞いてきた。
「ここから当分の間は国の移動が楽だから宿代とかで色々お金を使うだろうから、とりあえずはお金集めかな」
「がんばってね」  
「やっぱり俺が稼がないとなのね……」
「当然でしょ。わたしが人間の仕事なんてできるわけないじゃない」
 せつなは精霊なので基本的に常識知らずだ……確かにせつなが飲食店で接客してる風景が想像できない。いや、できるけどお客さんと揉めたときに何をしでかすか分からないからその先を考えたくない。
「俺が頑張るしかないかぁ」
 ましろは仕事を探すために役所に向かってとぼとぼと歩き出した。


「すいません、自分死霊殺しをやってるんですけど依頼とか入ってます?」
 役所には特に事務所を選ばなくていい依頼が集まっており他の国から来た死霊殺しは大体役所で依頼を受けることになっている。有名な死霊殺しになると役所に行かなくても勝手に依頼が来るが、もちろんましろはそんなに有名ではないので役所で依頼を探しに来ていた。
「申し訳ございませんが現在依頼は入ってないですね」
 係員のお姉さんが申し訳なさそうにそう言ってきた。
「そうですか……何か日雇いの仕事とかはないですか?」
「少しお待ちくださいね」
 係員さんはそう言って日雇いの一覧表を見始めた。
「ねえ、死霊殺しの仕事ってあまり無いものなの?」
 暇をもて余したのかせつながそんなことを聞いてきた。
「普段はもっとあるはずなんだけど、今日はたまたま少なかったんだろ」
 そんなことをせつなと話してると一覧表を見終わったらしい係員さんが話しかけてきた。
「本日は門の塗装工事と壊れた井戸の修理がありますけど、どちらにしますか?」
「えっと……井戸の修理って生霊術 スピナリーで生成してもいいんですか?」
「問題ないですよ。ただ、一応係りの者が確認をしますのでそれが終わるまではお支払いが出来ませんが……」
「それじゃあ、井戸の修理でお願いします」
「かしこまりました。それではこちらの地図の場所にある井戸の修理をお願いします」


こうして、ルベール初の仕事は迷える生霊のお祓いなんて死霊殺しらしい仕事ではなく、生霊術 スピナリーが使えれば誰でもできる井戸の修理になった。
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