生徒会庶務のお仕事!

五月七日 外

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生徒会のお仕事Ⅲ

生徒会のお仕事Ⅲ⑦

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「本当にもう、生徒会に相談したら絶対に赤点回避出来ると思ったのに……何で回避出来ないのよ~」

 黒髪ショートカットの怪力少女は、もう本日何度目かわからないそんなことを言っていた。ちなみに、彼女は三年生らしい。年上なのに全く威厳を感じられない。
 彼女の話を要約すると、顧問の先生から勉強もしっかりとしないとレギュラーから外すと言われ(彼女の成績があまりにも悪かったかららしい)「推薦なのに~!」というよく分からない言い訳をするがもちろん通じず、困った彼女は生徒会に相談の手紙を出したらしい。ここまでは、そこまでおかしいことはないし、ラジオ体操命さんの相談理由が分かった程度なのだが、何で彼女は赤点を回避出来なかったのだろう?一応、生徒会からはそれなりの答えを返したはずなのに……実際俺も赤点回避できてるしな……

「あの~……一応、自分たちからはそれなりの答えを返したと思うんですけど……」

 俺が珍しく下から物を言うと、彼女はそれよそれ!とでも言うかのようにガバッ!と俺の手を掴み顔を目の前に出してきた。

「問題はそこなのよ!何であんなに勉強方法が一杯あるのよ~!私が一生懸命、ちゃんと全部やろうとしたら寝不足で倒れちゃうし!あんな勉強方法誰ができるのよ!」

 怪力少女は、俺の腕をブンブン振り回しながらそんなことを言う。腕が取れるわ!とか、お前は会長さんか!などなと色々と言いたいことはあるが、まずはこれを最初に言わなければなるまい。俺はそう思い、軽く深呼吸をして一言……

「お前、馬鹿だろ?」
「ばっ!馬鹿じゃないし!馬鹿って言った人が馬鹿なんだし!ばーかバーカ!」

 小学生みたいなことを言う怪力少女(馬鹿)のために、俺は懇切丁寧に説明をしてやった。生徒会の答えは、あくまで自分たちがいいと思った勉強方法なのであって、そのなかで自分に一番合った勉強方法をしてくれという意味だったということ。あと、彼女が会長さん並に馬鹿であること。それと、俺の腕がいい加減千切れそうなのでそろそろ離してくれということ。ついでに、彼女が馬鹿であることなどなど色々と言ってやった。

「ぐすっ、そこまで馬鹿馬鹿言われなくても自分で分かってるもん……」
「ああ、すまん。まさか、泣くとは思わなくて……」

 女の涙だけには弱い俺は……いや、そんなことはないな。俺は、何となく可哀想に見えた彼女に謝ってあげた。

「これぇ?これは、ただ目にゴミが入っただけで別に悲しい訳じゃ……」
「……そっすか」

 何だかもう面倒になったので、紅茶でも飲ませてさっさと帰らせるべく、怪力少女(馬鹿)を椅子に座らせて紅茶を淹れてやる。目の前に置いてやると、あっという間に飲み干しお代わりを要求してきたので、もう一杯だけ淹れてやり、怪力少女(馬鹿)の目の前に置く。ようやく落ち着いたのか、今度は一口だけ飲んでコップを机に置いた。

「それ飲み終わったら帰ってくださいよ。俺達も忙しいんですから」
「そうなのか?私は暇だぞ?」
「会長さんは黙っててください」

 会長さんがこれ以上余計なことを言わないためにも、菓子を与えて静かにさせておく。……ここ最近、会長さんの世話係りをしていたお陰か、すっかり会長さんを大人しくさせる方法を確立させた今日このごろの俺……

「う~ん……うん?」

 今度は、怪力少女(馬鹿)がうんうん唸り始めた。……なんだ、この会長さんが二人いるみたいな状況は?一人でも疲れるのに二人なんて頭おかしくなるわ!

「今度は、どうしたんですか?」
「いや~、君のことどっかで見たことあるような気がして……この年上に対する失礼な感じとか、夢や希望なんて持ったことも無さそうなその死んだ目とか……」
「あんたも十分俺に対して失礼ですよ?」
「あっ!あ~!!!」

 突然、怪力少女(馬鹿)が大声を挙げる。

「思い出した!あーくんだよね!ねっ!あーくんでしょ?」
「いや、誰だよあーくんって」
「誰って、君だよ!あーくんなんでしょ~懐かしいなぁ~久しぶりだよね~」

 何だかめっちゃ感慨深げにそんなことを言っているが、俺はこんな人に全然心当たりがないんだが……

「すいません、全然心当たりがないんですけど……」
「えっ!うそ!私だよ!?優木リンコだよ!」
「だれ?」

 怪力少女(馬鹿)……優木リンコと言うらしいは、信じられないといった様子だが、全くその名前を思い出せない。中々個性的な名前だから一度知ったら忘れそうもないのだが……

「えっと~ほら!小学校のとき同じテニススクールで、よく由依ちゃんと三人で遊んだでしょ」

 思い出した。完全に忘れていたが、言われてみれば小学校のとき、よく妹と三人で遊んだ女の子がいた気がする。

「えっと、何……もしかして、リンゴちゃんか?」
「リンゴじゃなくてリンコ!全く何度言ったらわかるのよ~」
「おっ!この感じまさしくリンコだな」
「やっと、思い出したか~。て言っても無理もないか。10年ぶりくらいだし、髪もだいぶ短くしたしね~」

 リンゴちゃん……リンコさんの言うとおり、あの頃とはだいぶ印象が変わった気がする。昔は、髪ももっと長くて、女の子ぽかった気もするが。人は10年でかなり変わるのだなぁと思う。

「そう言えば、由依ちゃんは元気~?」
「まあ、元気じゃないですか?リンコさんを真似てかテニス馬鹿になってるし……俺とは全然口も聞かないし……まあ、元気ですよ」
「なんか、兄弟仲が悪化してるよ……由依ちゃんも思春期なのかな?というか、あーくんはすぐに止めたのに、由依ちゃんはテニス続けてるんだね~」
「あいつは、テニス好きですからね」
「うちの高校に来てくれたらいいなあ~」
「たぶん、くるんじゃないですか?ここら返じゃあうちの学校強豪だし。リンコさんもいますしね」

 ……それに、リンコさんは気づいていないが、うちの妹はかなりリンコさんに憧れていた気がする。この人こんなんでも、めちゃくちゃテニス強かったしなぁ……

「ん~、でも私が今三年生だから由依ちゃんが入っても卒業してるんだよね」
「まあ、OBとかで来たらいいんじゃないですか?」
「それもありだね!……てか、さっきからその……リンコさんていうのむず痒いなぁ」
「そう言われても、一応先輩ですし」
「先輩、先輩かぁ……じゃあ、リンコ先輩って呼んで?」
「まあ、別に良いですけど」
「な、なあヒナ……?」
「どうしたんです会長さん?」

 俺がリンコさんもとい、リンコ先輩と話していると、会長さんがちょんちょんと俺の手をつついてきた。

「わ、私のことも先輩と呼んでもいいんだぞ?」
「会長さんは会長さんでよくないですか?今さら呼び方変えるのもめんどいし」
「くっ、私にも実は昔会ってたんだよ的なエピソードがあれば……」

 会長さんは、会長さんでよく分からないことを言っているが、面倒なので放置しておこう。

 とにもかくにも、ラジオ体操命さん……リンコ先輩の相談はようやく済んだみたいだ。もう少ししたら、他のメンバーも来るだろうし……それくらいまでなら久々に昔の話でもして盛り上がっていいだろう。
 
 俺は、自分とリンコ先輩のお代わりの分の紅茶を淹れるために、席を立ち上がった。
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