生徒会庶務のお仕事!

五月七日 外

文字の大きさ
20 / 61
とある休日談

とある休日談①

しおりを挟む
 中間テストも終わり、リンコ先輩の相談も解決してから数日後の日曜日。
 俺は久々の休日を謳歌するため、朝からせっせとダメ人間セットの準備をしていた。ちなみに、ダメ人間セットとはマンガにラノベにゲームにテレビのリモコンにお菓子とジュースなどなど、1日ベッドから動かなくても生きていけるセットのことである。
 ここ最近は、会長さんに連れられ地域の掃除をしたり、何故か久遠さんの買い物に付き合わされたりといった調子で、休日が休日じゃなかったので随分と久しぶりの休日な気がする。
 
「さて、今日はもう何もせずにダラダラ過ごすぞ~」

 俺がお昼までもう一眠りしようかとベッドに横たわるのと、部屋の扉が開け放たれるのがほぼ同時に起こった。

「お兄ちゃん!ちょっと頼みたいことが……ウゲッ!またダメ人間セットが築かれてる」
「別に誰にも迷惑かけてないんだからいいだろ?それに、このセットはここから動かなくても済む画期的なシステムなんだよ」

 俺の部屋に入ってきて、文句をブツブツ言っているのは妹の由依だった。俺の妹は俺と正反対の性格で、気に入ったことはとことんやるし、一度始めたら終わるまで途中でやめないという俺からしたらよく分からん奴だ。俺は気に入っても必要性が無ければすぐやめるし、一度始めてもすぐに終わらなさそうだったらすぐにやめるスタイルを貫いている。……本当なら生徒会もすぐにやめるつもりだったのに……
 どうしても会長さんから逃げられないというか、会長さんから逃げる方が生徒会をやめるよりもキツそうなので、今のところ生徒会をやめずに済んでいる。

「出たよ屁理屈……まあいいや。それよりもさ~、ラケットのガットが緩くなってるから直してくれない?調子でなくって」
「ガット直すくらい自分でやれよなぁ」
「可愛い妹の頼みなんだよ?それにお兄ちゃんの方が直すの上手いし……」
「はあ、分かったよ。直すからラケット貸しな」
「えへへ~ありがと!私お昼には練習行くからそれまでに直してね!」

 由依はそれだけ言うと、ラケットを置いて部屋を出ていった。
 
「あいつ、俺の事便利な道具か何かと勘違いしてないか?」

 別に俺と由依はそこまで仲のいい兄弟でもないので、いいように利用されているようにしか思えない。まあ、ガットを直すくらい会長さんの世話に比べたら百倍楽なのでしてやってもいっか。



「うんうん、大体こんなものか……」

 ラケットが案外ボロくなっていたので、グリップのテーピングを巻き直したりしていたら予想以上に時間がかかってしまった。けれど、これでようやく休日を謳歌できる。
 今度こそ、昼寝をするためにベッドに寝転がろうと思ったのだが、またしても邪魔が入った。

「お兄ちゃん!大変だよ大変!」
「今度はどうしたんだよ?」
「うん、それがね……って、グリップも綺麗になってるじゃん!流石はお兄ちゃんだね~」
「誉める暇があったら早く部屋から出てくれ。眠たくてしょうがないんだよ」
「分かってる……じゃなくて!大変なんだよ!」
「何が大変なんだよ?」
「お兄ちゃんにお客さんが来てるの!それも飛びっきり可愛い子!」

 何だか由依が興奮気みにそんなことを言うが、俺からしたらせっかくの休日を脅かすかもしれない存在なのだ。……何とかして逃げられないのだろうか……

「誰か知らんけど、出掛けてることにしてくれ」
「いや、もう呼んできますねって、言っちゃったし」
「くっ、仕方ないか……」

 本当は居留守を使いたかったが、由依が余計なことを言ったので直接断るしかなさそうだ。それにしても、誰が来たのだろう?会長さんはしょっちゅう来るから由依も顔を覚えてるはずだし……
 俺が少しだけ考えながら玄関に行くと、意外な人物が立っていた。

「あれ?お客さんって和泉さんだったんですね。どうしたんですか?まあ、俺は忙しいんで家から出ませんけど」
「うん、ちょっとね……というか、ヒナが忙しいなんて意外だね」
「基本俺は忙しいですから」
「そ、そうなんだ……」

 あれ?和泉さんが苦笑いを浮かべている。俺が忙しいことの何がおかしいのだろうか?

「それで、俺に何か用なんですか?」
「そうそう、えっと……ヒナ!」
「ふぁっ、はい?」

 和泉さんが珍しく大きな声で呼ぶから変な声が出てしまった。
 けれど、それよりも続けて和泉さんの口から出た言葉に驚かされてしまった。

「ヒナ……その、私と付き合ってくれない?」






 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...