生徒会庶務のお仕事!

五月七日 外

文字の大きさ
21 / 61
とある休日談

とある休日談②

しおりを挟む
「ヒナ……その私と付き合ってくれない?」
「え?嫌ですよ、せっかくの休日なんだから寝かせて下さい」
「え、え~!?」

 和泉さんはかなり驚いたのか口をポカーンと開けたままになっている。……うん?当然のことを言っただけなんだけど、何を驚いているんだ?というか、俺の方が驚かされてるんですけど……

「ねえ、ヒナ」
「なんです、和泉さん?」
「えっとね別にデートとかじゃなくて、ちょっとだけ私に付き合ってほしいだけで……」
「あっ、はい。だから分かってますよ」
「うんうん。分かればいいの。って、えっ!?分かってるのに断るの!?(……おかしいな都さんや有栖さんはこの誘いかたで大丈夫って言ってたのに……)」

 何だか今日の和泉さんは見ていて面白いが、最後に不穏なことを呟いた気がする。

「和泉さん、もしや会長さんか久遠さんに何か頼まれたんですか?」
「い、いや……ヒナに用があるのは私で、二人にはヒナをどうやったら外に出せるか相談しただけで」
「まあ、大体のことは分かりました。あの二人に変なこと教えてもらったんでしょ?俺が外に出るかどうかはおいといて、普通に用件言ってくださいよ」
「そ、そう?私もやりにくかったからちょうどいいかも。それじゃあ、早速ヒナにお願いがあるんだけど……」

 そうして、いつものように、和泉さんが若干申し訳なさそうに、俺へのお願いを話始めた。



「……という訳なんだけど、私と付き合ってくれない?」

 和泉さんの話によるとこういうことらしい……一昨日の金曜日、いつも通り生徒会の活動を終えた帰り道のことだそうだ。和泉さんは、電車通学らしく、いつもと同じように電車に乗って家の近くの駅で電車から降り、あとは、駅から5分ほど歩けば家につくはずだったのだが、その日は駅前で大学生くらいの男3人組にナンパされてしまい、断ってもしつこく迫ってきたらしい。一応、その場を通りかかった親切な女子高生に助けられたらしいのだが、それから和泉さんは男の人が怖くなってしまったのだという。生徒会にいる以上、男子生徒とも話さないといけないので、何とか男の人に慣れるために、今日1日ヒナと過ごせば?というアドバイスを受け俺のところに来たらしい。……それにしても、「付き合って付き合って」て言って変に勘違いされても知りませんよ?まあ、俺は勘違いなんてしませんけど……

「はあ、大体事情は分かりましたけど、別に俺じゃなくても他の人に頼めばよくないですか?会長さんとか男っぽいし」
「都さん……は、女の子だからダメだと思うの!」

 あれ?ちょっと和泉さん、あなた今悩みませんでした?まあ、気持ちはわかりますけどね。俺も会長さんは男装すれば普通の男より男っぽいと思いますし。

「じゃあ、他の男子に頼めばよくないですか?男友達くらいいるでしょ?」
「……い」
「はい?」
「いない……です」
「……」

 悲しいことを聞いてしまった気がする。和泉さんは普通にいい人っぽいので、男友達くらいいるかと思ったがそうでもないようだ。
 少しくらいフォローしとこう、なんか和泉さん泣きそうだし……

「まあ、大丈夫っすよ。俺なんて女友達どころか男の友達もいないですし」
「ヒナも大変だね」
「俺は気楽でいいんですけどね」
「そうだよね!」
「お、おう……」

 俺の言葉に共感するところがあったのか、和泉さんが俺の手をガシッと掴む。会長さんほど力がないので、ちょっとこしょばゆい。というか、恥ずかしい。

「和泉さん、そろそろ離してもらっても?」
「あ!ごめん!」
「ふぅ、それじゃあ仕方ないですから、付き合いますよ」
「え、え~!!!」

 そんなに驚くことですかね?と思い、和泉さんを見るが和泉さんは俺の後ろの方を見ていた。……あれ?じゃあ今の声は?……
 俺も恐る恐る後ろを見てみると……

「お、お、お……お兄ちゃんに彼女が!?」

 妹の由依が訳の分からないことを言って突っ立っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...