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生徒会庶務のお仕事!
生徒会庶務のお仕事!⑨
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「ヒナ、私の話を聞いてくれる?」
和泉さんにそう言われたとき、俺の心臓がドキリと大きく脈打った。
なんとなく、嫌な予感がする。和泉さんの話を聞いてしまうと、何かが決定的に変わってしまうような予感。
きっとそれは、俺が変わることを恐れている何かで、リンコ先輩のときには逃げてしまったものだ。
「そ、それは……」
「ヒナ?」
「また今度とかじゃあダメですか」
「……ダメ。今がいい」
和泉さんは、俺が逃げることを許してくれなかった。
その瞳は真っ直ぐに俺のことを見つめ、真剣な、それでいてどこか怯えたような表情がいつもと違う日常へと俺を導く。
冗談や屁理屈でも使って逃げるつもりだったが、これはもう逃げられないだろう。
だから、俺は和泉さんの話とやらを聞くことにした。
「分かりました。聞きますよ和泉さんのはなし」
「うん」
「……」
「……えっと、なにから話せばいいかな」
そう言う和泉さんの表情は初めて見るものだった。
が、それも一瞬のことで意を決したような顔つきに変わる。
「色々と話したいことはあるけど……最初に言っておくよ。私ね……私はヒナの」
和泉さんが言いかけたときだった。
機械的な電子音が鳴り始めた。
それは和泉さんの携帯から鳴っていたようで、どうやら電話がかかってきたようだった。
けれど、タイミングがタイミングだったので和泉さんは電話に出るかどうか悩んでいるのかあたふたし始めた。
「あの、電話どうぞ」
「え、うん。そうするね」
なんとなくそのまま話されても着信が気になるので、先に電話に出てもらうことにした。
和泉さんは少しだけ俺から離れると電話に出た。
話の内容が俺に聞こえないように小さな声で話しているが、ときどき「ぬ、抜け駆け!?し、してないから」とか「本当だよぉ」なんて平謝り状態で言っているのでなにか怒られているのかもしれない。
しばらくぼーっとしていると、電話を終えた和泉さんが疲れた様子で帰って来た。
「和泉さんが怒られるなんて珍しいですね。なにやらかしたんですか?」
「ん?怒られてないよ。ちょっと有栖ちゃんからね」
「なるほど久遠さんですか。あの人は俺の天敵ですし、ついに和泉さんにも牙を向け始めましたか……それにしても、本当なんでいつも俺がサボる邪魔をするのやら」
「それヒナが悪いよね……」
「まあ、捉え方によっては」
「有栖ちゃんも苦労してるなぁ」
なぜだかよく分からないが、今日一番の深いため息が和泉さんからこぼれる。……和泉さんも苦労してるんですかね?全く和泉さんに苦労をかけさせるなんて、どこのどいつなんだか……
「て、あれ?なんか話がそれてる気が……」
「ちっ」
「あっ!ヒナ今舌打ちしたよね!」
「いえ、全然してませんよ」
「絶対したよ!……じゃなくて話を元に戻すよ!」
「あ、はい」
どうにも、電話を期に話をそらす作戦は上手くいかなかったようだ。
「有栖ちゃんには抜け駆け禁止って言われたけど……」
次第に声が小さくなっていくが、嫌というほど和泉さんの声は俺の耳に届いていた。
「今言わないと後悔する気がするから……」
和泉さんの声と、ドキドキと鳴り止まない自分の心臓の音だけが聞こえる。
嫌な予感がする。
それも特大の。
理由なんて分からない。
なんで嫌なのかも俺にはよく分からない。
けれど、俺が身構えるよりも早く、和泉さんは特大の爆弾を投下してきたのだった。
「私……は、私はヒナのことが好き!」
和泉さんにそう言われたとき、俺の心臓がドキリと大きく脈打った。
なんとなく、嫌な予感がする。和泉さんの話を聞いてしまうと、何かが決定的に変わってしまうような予感。
きっとそれは、俺が変わることを恐れている何かで、リンコ先輩のときには逃げてしまったものだ。
「そ、それは……」
「ヒナ?」
「また今度とかじゃあダメですか」
「……ダメ。今がいい」
和泉さんは、俺が逃げることを許してくれなかった。
その瞳は真っ直ぐに俺のことを見つめ、真剣な、それでいてどこか怯えたような表情がいつもと違う日常へと俺を導く。
冗談や屁理屈でも使って逃げるつもりだったが、これはもう逃げられないだろう。
だから、俺は和泉さんの話とやらを聞くことにした。
「分かりました。聞きますよ和泉さんのはなし」
「うん」
「……」
「……えっと、なにから話せばいいかな」
そう言う和泉さんの表情は初めて見るものだった。
が、それも一瞬のことで意を決したような顔つきに変わる。
「色々と話したいことはあるけど……最初に言っておくよ。私ね……私はヒナの」
和泉さんが言いかけたときだった。
機械的な電子音が鳴り始めた。
それは和泉さんの携帯から鳴っていたようで、どうやら電話がかかってきたようだった。
けれど、タイミングがタイミングだったので和泉さんは電話に出るかどうか悩んでいるのかあたふたし始めた。
「あの、電話どうぞ」
「え、うん。そうするね」
なんとなくそのまま話されても着信が気になるので、先に電話に出てもらうことにした。
和泉さんは少しだけ俺から離れると電話に出た。
話の内容が俺に聞こえないように小さな声で話しているが、ときどき「ぬ、抜け駆け!?し、してないから」とか「本当だよぉ」なんて平謝り状態で言っているのでなにか怒られているのかもしれない。
しばらくぼーっとしていると、電話を終えた和泉さんが疲れた様子で帰って来た。
「和泉さんが怒られるなんて珍しいですね。なにやらかしたんですか?」
「ん?怒られてないよ。ちょっと有栖ちゃんからね」
「なるほど久遠さんですか。あの人は俺の天敵ですし、ついに和泉さんにも牙を向け始めましたか……それにしても、本当なんでいつも俺がサボる邪魔をするのやら」
「それヒナが悪いよね……」
「まあ、捉え方によっては」
「有栖ちゃんも苦労してるなぁ」
なぜだかよく分からないが、今日一番の深いため息が和泉さんからこぼれる。……和泉さんも苦労してるんですかね?全く和泉さんに苦労をかけさせるなんて、どこのどいつなんだか……
「て、あれ?なんか話がそれてる気が……」
「ちっ」
「あっ!ヒナ今舌打ちしたよね!」
「いえ、全然してませんよ」
「絶対したよ!……じゃなくて話を元に戻すよ!」
「あ、はい」
どうにも、電話を期に話をそらす作戦は上手くいかなかったようだ。
「有栖ちゃんには抜け駆け禁止って言われたけど……」
次第に声が小さくなっていくが、嫌というほど和泉さんの声は俺の耳に届いていた。
「今言わないと後悔する気がするから……」
和泉さんの声と、ドキドキと鳴り止まない自分の心臓の音だけが聞こえる。
嫌な予感がする。
それも特大の。
理由なんて分からない。
なんで嫌なのかも俺にはよく分からない。
けれど、俺が身構えるよりも早く、和泉さんは特大の爆弾を投下してきたのだった。
「私……は、私はヒナのことが好き!」
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