騙されてることに気付かず、いつの間にやら最強になってました

猫男爵

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第31話 待ちぼうけ

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「チャモアたち、まだかなぁ~? 早く来ないかなぁ~♪」

 手紙に書かれていた場所へとやってくること約10分少々……。
 僕は、チャモアたちが現れるのを今か今かと心待ちにしていた。

「フフフ、チャモアたちに会ったら、まず何て言おうかなぁ~♪」

 あの日、奇しくもお互い感情的になってしまい、あんな別れ方をしてしまったのが僕の心の中でずっと引っかかっていたんだけれど……。
 そんな中での今回のチャモアたちからの申し出は、僕にとっても願ったり叶ったりというか心の底から喜ばしい出来事だったんだ。

「ああ、早く会いたいなぁ♪ ――って、だ、駄目だ駄目だっ‼ こ、こんな浮ついた気持でいたら、せっかくチャモアたちが作ってくれたチャンスを不意にしてしまうかもしれないっ‼」

 そう思い直すや、気持ちを新たにキリッと、唇を結んで真剣な表情へと引き締めてかかるも……。

 その数秒後には、

「ムフフフ♪」 

 どうしても顔が緩んできてしまう。

「うわぁ~~~~んっ、ぼ、僕のバカバカバカバカッ……‼」

 そんな一人芝居を演じてしまうくらいに僕の心はすっかり舞い上がってしまっていて。
 それこそ初めてこの街へとやってきた時と同じくらいの高揚感が押し寄せてきていて。

「ああ、チャモアたち、早く来ないかなぁ~♪」


「――…………遅いなぁ~、チャモアたち……」

 ここへやって来てから、かれこれ6時間は経っただろうか? 

 その間に、空の色は青からオレンジへ、ついには黒いカーテンでも引かれたかのような漆黒の闇夜へと変化し、空にはこれまた綺麗なお月様までもが上がっていて。

「え~~~と、何か、手違いでもあったのかなぁ~?」

 流石にここまで遅いと不安になってくるというかなんというか……。
 とはいえ、いつまでもこんなところで待ち続けるのもどうかと思うし……。

「よ、よぉ~~~し!」

 あ、あと10分だけ‼ 10分だけ待ってみて、それでも来なかったら……‼ こ、来なかったら…………。そ、その時は……ま、また考えればいいよね?


 そんなこんな30分後……。

「……こ、来ない……」

 あれから10分どころか30分経ってもチャモアたちは一向に姿を見せる気配がなかった。

 ……うぅ、ほ、本当にどうしたんだろう? も、もしかして事故か何かにあってこれなくなったとかなのかな?
 
 そんな僕の焦りとも心配ともつかなない思いを嘲笑うがごとく、

 くぅ~~~~~~~~……‼

 情けなくも盛大にお腹が鳴りだした。

 うう、考えてみれば、朝方、ダンジョンで魔物を狩って、それからお昼も食べずにずっとここで待ち続けてる訳だし無理もないよね……。

 で、でも、本当にどうしちゃったんだろう?
 も、もしかして、気が変わったとか……?

「…………」

 一瞬、僕の頭の中をそんな最悪の事態が過っていくも……。

「い――いやいや、そ、そんなことあるもんか……‼ チャモアたちはきっと来てくれるっ‼」

 それこそ、頭を振ってそんな考えを打ち消していく。
 くっ、だ、駄目だ駄目だっ……‼ お腹が空いてるせいか、どうもネガティブなことばかり考えちゃうよ!
 そ、そうだよ……。ひょっとしたら、今頃コッチに向かってきている最中かもしれないじゃないかっ……!
 あるいは、何某かのトラブルに巻き込まれて止むを得ず遅れていることだって有り得るんじゃないかっ⁉
 だ、だとしたら、ようやっと片付いてここへやって来たときに僕がいなかったら、きっと凄くショックを受けるだろうし……。

「………………」

 え、えぇ~~~い、こうなったら仕方がないっ‼ とりあえず、明日の朝まで待ってみようっ‼
 うん、そうだな、明日まで待ってみて、それでもこなかったら一応書置きだけ残して一旦、宿へ戻ればいいよね?

 そう心に決めるやいなや、今までの迷いも何のその――。チャモアたちを信じ、ひたすら待ち続けていたところへ、

「――……く~~~ん、……くさ~~~~ん……‼」
「……ん?」

 と、何やら喚き散らす人の声のようなものが響いてきたかと思えば……。

「? 一体、何だろう?」

 そんな声らしきものにふと後ろへと振り返ってみたところ、

「――く~~~ん、り……さーーーーんっ‼」

 何やら遠くの方から大声でもって喚きながらこちらへ向かって走ってくる人の姿らしきものが……。

 え? あ、あれって……。も、もしかして、チャモアたち!?

 その姿を目の当たりにした瞬間、先ほどまでの不安などどこへやら。パッと顔を破顔させ、僕はチャモアたち(?)に向かってこれでもかと大きく手を振っていた。

「おーーーーい、おーーーーいっ‼」
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