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プロローグ
侯爵家の宝
しおりを挟む「っ元気な男の子でございます!!」
「っっはぁはぁはぁ・・・男の子・・」
生みの母イリスはそっと涙を流す・・・
・・・
「奥様、お待たせいたしました。」
使用人は赤子を綺麗に拭いてイリスへと受け渡した。
「まぁ・・なんて可愛らしいのかしら・・あなたの名前は【レイズ】・・ふふ・・・男の子だったらレイズと決めていたのよ」
そっと我が子を抱くと、その愛おしさに微笑むイリス。
「ネル、レナールはまだ来れそうにない?」
イリスはレイズを抱いたまま、傍に控えていたメイド長に聞く。
「奥様、旦那様は大急ぎで此方に向かっているとの報告がありましたが、もう少し時間がかかるかと・・・」
「そう・・ありがとう。
レナールきっと喜ぶわね・・男の子だったら一緒に剣を練習するって言ってたもの・・ふふ」
「旦那様は暴走しそうで心配でございます・・」
「あらっっふふふ・・」
ネルと楽しく話していた所へ主治医が話しかける。
「奥様、産後の疲れもございましょう・・・少しお休みくださいませ。」
「そうするわ」
「レイズ様は一度体を清めてから揺りカゴのお部屋へお連れしますのでご安心下さい。」
「ええ、よろしくね」
レイズ専用の部屋は特注の揺りカゴが置かれていて、いつ生まれてきてもいいように常に使用人によって綺麗に掃除されていた。
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