あの秘書、とうとう社長と濃厚接触したらしいよ

ルルオカ

文字の大きさ
2 / 22

桜色に体を染めるおまえに我慢ならない

しおりを挟む



桜を見ると、友人の穂高を思いだす。

生まれつき肌が白く、それが気に食わず「男らしくない!」と日焼けサロンに行った結果。
肌は黒くならず、赤く腫れて「いーたい」と泣きながら病院に行く羽目になったという、まぬけで愛おしいやつだ。

肌が紫外線に弱いと発覚してからは、できるだけ直射日光を避けて過ごし、おかげで今も、幼いころから変わらず白いまま。

女子より肌が美白なうえ、恥ずかしがり屋で、感情的になると、顔だけでなく全身が薄紅に染まるから、おもしろい。
よく、まわりにからかわれ、俺も「嘘なのばればれ」と茶化していたが、いつの間にか笑えなくなった。

きっかけは体育の時間だったと思う。
着替えをして「おまえ、太ったんじゃね?」と笑い声が。

見やれば、持ちあげられた穂高の腕が「ほら、二の腕柔らかすぎ」と指でつつかれていて。
「やめろ放せ!」と薄紅の二の腕が揺れるのを見て、ある強烈な衝動に駆られたのだ。

その衝動は決して、友人に抱くものではない。
百も承知だったから、胸の奥にしまって封印。

もともと「のりわるい」「つまらない」と文句をつけられるほど理性的だから、そう苦心せず、穂高と良好な友人づきあいをつづけていたのだが。

「なーに、桜を見て憂いた顔してんの」

ぼうっとしていたら、穂高が肩に顔を乗せたのにびっくり。
思わず、ふりはらったのを誤魔化すため「や、約束の時間、とっくに過ぎているぞ」と咎める。

「いやあ、それがさあ聞いてよお」と情けない顔をしたと思えば、シャツをまくり、よりによって、あの白く眩しい二の腕を見せつけやがって。

「人に跳ねとばされて、手すりにぶつかって、ほら、痣になっているだろ?
痛がっていたら、電車が走りだして駅に降りられなかったんだよ。

おまけにスマホを家に忘れたから。
慌てて一駅分、走ってきたってわけよ」

たしかに、穂高は息を切らし、顔を真っ赤、全身を薄紅に、そして二の腕にうっすら汗を。

薄紅の二の腕が汗ばみ、ぷるぷるするのは、なおのこと艶めかしい。
直前まで桜を見ていたせいか、二の腕から、むせるような甘い香りが放たれている錯覚が。

目を眩ませた俺は、穂高の手首をつかみ、濡れて震える桜色の二の腕に噛みついた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サラリーマン二人、酔いどれ同伴

BL
久しぶりの飲み会! 楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。 「……え、やった?」 「やりましたね」 「あれ、俺は受け?攻め?」 「受けでしたね」 絶望する佐万里! しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ! こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。

死ぬほど嫌いな上司と付き合いました

三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。 皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。 涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥ 上司×部下BL

僕を守るのは、イケメン先輩!?

八乙女 忍
BL
 僕は、なぜか男からモテる。僕は嫌なのに、しつこい男たちから、守ってくれるのは一つ上の先輩。最初怖いと思っていたが、守られているうち先輩に、惹かれていってしまう。僕は、いったいどうしちゃったんだろう?

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

雪色のラブレター

hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。 そばにいられればいい。 想いは口にすることなく消えるはずだった。 高校卒業まであと三か月。 幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。 そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。 そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。 翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした

たっこ
BL
【加筆修正済】  7話完結の短編です。  中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。  二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。 「優、迎えに来たぞ」  でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。  

処理中です...