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俺だけに意地悪してくださいよ!先輩!
しおりを挟む俺はあそこの毛の色素が薄く、一見、つるつるてん。
それまで、あまり裸になる機会がなかったからか、まわりに恵まれていたからか。
そのことでトラブルは起きなかったのが、高校にはいり、野球部の合宿にいったときのこと。
風呂にはいろうとし、野球部の先輩に腰に巻いたタオルを剥ぎとられて、ばれてしまい。
その先輩がムードメーカーであり、精神年齢は小学校低学年と称されるいたずら小僧だったので、以降、俺の地獄の日々がはじまった。
学校にいる間、しょっちゅう「よお!つるつるてん!」とまんまのあだ名を大声で呼ぶし。
「どれどれ、生えてきたか?」と覗かれるし「わかめご飯を食べれば、明日からぼーぼーだ!」といじってくるし。
まわりは先輩の厄介さを知っているとあり、俺に同情しつつ、巻き添えを食らいたくないからか、だれも助けてくれず。
心なし、女子が近づかなくなったような。
もちろん俺は何回も「やめてください!先輩、最低です!」とはっきりと意思表示を。
が、聞く耳を持たず「またまたあ素直じゃないんだからあ」と調子にのるから、お手上げ。
まあ、いっしょに冷やかす輩はいないし、まわりが慰めてくれたし「先輩が卒業するまでだ」と耐えていたのだが。
俺が二年になり、野球部に新入生が。
そのうちの一人、小谷は小柄でかわいらしい顔を。
で、例の合宿で例の先輩がタオルを奪って、ほんとうに毛のないミニサイズだと発覚。
「女子みてえ!」と大笑いされて、それから小谷が標的に。
「本家つるつるてん」とひどいあだ名をつけた挙句「いやいや、おまえは生えなくていいから」「あそこが女子みたいなら抱けるかも」とべたべたくっついてセクハラ発言乱発。
気弱な小谷が困った顔をして口ごもるのをいいことに。
やっぱりまわりは庇わなかったが、俺にしたら他人事に思えず。
といって、口だしすれば「また狙い打ちにされるかも・・・」と悩み葛藤した末、とうとう耐えきれずに二人のまえに躍りでて。
「俺だけに意地悪をしてくださいよ!先輩!」
四階全体に響くように叫ぶと「うん!」と先輩は満面の笑みを浮かべ、俺に抱きついたもので。
小谷は解放されたものを、俺の地獄が再来。
今回はさらに「あいつホモでマゾなの?」との噂がたったし。
ほかにも疑惑が浮上し、別の先輩は「おまえ、こいつに騙されたんじゃ?」と指摘。
ぴんとこなかったが、たしかに俺にしがみつく先輩の目の奥は笑っていないように思えた。
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