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花婿の先輩は俺を抱いたあと永遠の愛を誓わない
しおりを挟む俺は物心ついたことから、自分は恋愛ができないと自覚をした。
以降、大学生になるまで色恋に関わらなかったし、その手の話をするのも億劫で。
そんな人の気も知らず、大学の同好会の歓迎会で、おしゃべりな先輩が「恋人はいるのか」「童貞なのか」としつこく質問。
酔っぱらいだから、なおのこと厄介で、いい加減、うんざりした俺は嘘を。
「俺、男が好きなんです」
派手に女遊びをする先輩だと聞いていたに、しらけるか笑ってごまかすか、興味を失うかすると思ったのが。
「へえ!俺、男とやるの興味あったんだよね!」とホテルに引っぱっていき俺を抱いた。
「いやあ男のほうがいいかも!」と感想を述べたなら、週に二三回、エッチをしつづけて。
「逆玉の輿になれるかも!」と報告しても、婚約発表をしても。
果てには、結婚式当日、白のタキシードを着た先輩は、結婚式場の未使用の部屋に俺をつれこむ始末。
タキシードが皺にならないよう慎重に脱いでから、俺のスーツを乱しまくって抱いたもので。
抱かれながら「先輩が結婚しても、この関係は変わらないのかな」と思うも、事後に先輩曰く「もう連絡しない。おまえも連絡してくるな」と。
下半身がだらしない先輩だが、志は高い。
貧乏で母親が苦労したことから「この国の経済を立て直す」と政治家になることを切望。
その夢をかなえるには、結婚相手の父親、政界にコネがある大手企業の社長の力が必要。
物わかりのいい俺は「分かりました」と応じ、そのあと何食わぬ顔をして結婚式に出席。
いよいよ神父が登場し、永遠の愛を誓う段階になっても平静でいたのが、一方で先輩は沈黙。
「誓いますか?」と神父が念を押すと「誓えません!」と俺のほうをふり向いて叫んだことには。
「直美!心から愛しているのはおまえだけだ!」
俺の隣に座っていた女性が「庄司!」と立ちあがり、先輩に手を引かれながら式場からとんずら。
みんなが開いた口が塞がらないままでいるなか「やっぱ恋愛感情って分からん!」と俺は大笑い。
目元に水滴が散ったのは、笑いすぎてか、べつに思うところがあってなのか。
結婚式の騒動があって二か月後、先輩から連絡が。
「直美とのエッチじゃ物足りない。やっぱりお前が忘れられない」
ここまで、底なしに下衆だといっそあっぱれだ。
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