とある転生者、異世界ハーレム・イチャラブ性活ができると思ったら、開始1分で魔王を倒して終了した件について。

芝楽 小町(しばらく おまち)

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とある転生者、異世界ハーレム・イチャラブ性活ができると思ったら、開始1分で魔王を倒して終了した件について。

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 気づいたら目の前に美しい女神がいた。

 背後からパァァっとさす後光は、一目見た瞬間「ああ、神だ」とわかるほどに輝いている。

「あなたは死にました」

 そして俺は己の死を知った。

 ……え……嘘だろ?

「本当です」

 ……そ、そんな。だって、まだ家にやり残したゲームとか、続きが気になるアニメとか、いろいろあるのに。

 ちなみに、俺は30歳にして、無職ニートだ。自宅警備員をしている。

「そんなあなたに朗報です」

 えっ、ほんとうか?

「そんなあなたに、ポプテ○セラピー」

 お前ふざけてんのか。

 ファ◯クされたいか。

「いえ、ちょっとした冗談です」

 …………。

「そんなあなたに朗報があります」

 ……お、おう。

「異世界に転生して、魔王を倒すことができたなら、あなたは元の世界に生き返ることができます」

 ……え、まじか。

「ええ。今回あなたが死ぬことは、予定にありませんでした。しかし、簡単に生き返ってしまうことはできないのです」

 それで、魔王を倒せ、と。

「はい。いま、異世界では魔王軍の侵略により、人類が危機に瀕しています。そこであなたが魔王を倒せば、徳ポイントが一気に貯まり、元の世界に戻ることができるのです」

 な、なるほど。……徳ポイントて。

「しかし、あなたの死はこちらに原因があります。なので、異世界転生の際には、あなたを最強の魔術師として送り出させていただきます。呪文ついては、現地についてから、持ち物を確認すれば覚えられますので」

 おお、それってチートってやつか。

「ええ、そうです。ただし、体力、防御力だけは普通の人間と同じですので、お気をつけくださいね」

 ほほう、チートかぁ。これって異世界転生するアニメとか、そういう流れじゃないか。

 ……ってことは、美少女たちとあんなことやこんなことがあったりは……

「そんなこともありますね」

 お、おお。

 金髪碧眼の美少女とか、かわいいメイドさんとかとイチャラブできたりするってことか?

「ええ、もちろん。あなたにはそうする資格がありますので」

 おおおおおお、燃えてきたぞぉぉ!!

「どうやらやる気になってくれたようですね。それでは、もう転生しますか?」

 ああ、よろしく頼むぜ。

「了解しました。……では、良い異世界ライフを」

 次の瞬間、俺の視界は光に包まれた。

 ーーあっ、座標間違えっーー

 変な声が聞こえた気がするが、もはや俺の思考は、これから出会うであろう美少女たちとのハーレム生活に向かっていた。

 正直、そうなるんだったら魔王とかどうでもいいや。

 魔法とかも楽しみだな。

 ーーそして、いきなり視界が開けた。

「…………」

 視界いっぱいに広がったのは、真っ青な空であった。

 ーー俺は空中にいた。

「んぎゃぁぁぁぁ!!!」

 相当高いところだったのだろう。雲をすり抜け、凄まじい勢いで俺は落ちていった。

「し、死ぬっ、死ぬぅぅぅああああああ!」

 え、これ普通に死ぬじゃん。

 な、なんかっ、魔法っ、魔法でどうにかっ

[呪文を覚えていません]

「………ああああああああ!」

 相変わらず凄まじい勢いで落ちていく。

 ふと、落ちる先に、黒い点が見えてきた。

 みるみるうちに黒い点が大きくなってくる。

   ~   ~   ~

 ーーぁぁぁぁぁ!

 遠くで何かが聞こえた。

「ん? なんだ?」

 ーー魔王軍は、進軍中であった。

 魔王は、四方を兵たちに囲まれ、悠然と歩いていく。

 ーーぁぁぁぁぁあああああああ。

「さっきからなんなのだこの声……は?」

 声がする上を向くと、目の前に人間が迫ってきていた。

「なんっブボベらっ!?」

「まっ、魔王さま!?」

 即座に、兵が集まってきた。

「「……おえっ」」

 ーー魔王と人間は、見るのも無惨な形で息絶えていた。

   ~   ~   ~

 気づいたら目の前に美しい女神がいた。

「…………」

 さっきぶりですね。

「そ、そうですね。えっと、……あ、あの、よ、よく魔王を倒しましたね」

 …………。

「え、えーと、あの……」

 ……なんですか。

 ーー俺は転生直後に、上空から魔王に向けて、勢いよく落ちていった。
 そして、なんのバトルも、魔法も、イチャラブハーレムもくそもなく、ただの物理的事象の結果、俺は魔王を倒した。

 ーーそして俺も死んだ。

「……えっと、あの。……もう一度やり直します?」

 いやです

「そ、そうですよね。で、では、元の世界へ」

 それももういいです。

「えっ」 

 だって、ここから離れるとまた死ぬかもしれないですし。

「え、あ、そ、そうですね。じゃ、じゃあそうしましょうか」

 はい。もう死にたくないのでここで暮らします。

「えーと。ここに暮らすってことで……じゃ、じゃあ、パソコンとか、テレビとか。……いります?」

 ありがたくいただきます。

 ーー俺は異世界転生をした。しかし、1分ももたないで死んでしまった。

 これはもうトラウマ以外の何ものでもない。

 ーー俺の気持ちを悟った神は、ここで暮らすことを許可してくれた。

 そう、俺はもう、ここで永遠に暮らそうと思う。

 そして、俺はこの女神とのイチャイチャ生活について思いを巡らせるのであった。
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