【大賞受賞】あしたの僕をさがさないで

潤井 紺

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第一章/出席番号二十二番・中辻柊馬

(二)

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 新学期が始まって五日目、五限のHR。眠気とだるさがはびこる教室にこーちゃんの声が響く。今日の議題は『クラス企画』だ。

「小中学校でタイムカプセルをやったって人、結構いるよな? それをこのクラスでもやりたいと思うんだけど、どうだ?」
「タイムカプセル! 面白そう!」

 俺は声を上げた。さすがはこーちゃん、進学率にしか興味がない頭でっかちな先生たちとは違って、いい思い出を作りたいという俺たちの気持ちをよくわかっている。

「そうだろう? だけどただ手紙を書くんじゃつまらないからな。みんなには、十年後の自分はどうなっているか、どうなっていてほしいかを想像して、理想の自分になりきった日記を書いてもらおうと思う。いわばこれは、語彙力、創造力、課題発見力、論理的思考力を鍛えるためのトレーニングなのだ!」

 机の下で単語帳をめくっていた男子が顔を上げた。効果はばつぐんのようだ。

「書いた日記はみんなが見られるようにして、共有する。そして十年後に同窓会を開いて答え合わせをするんだ。今の君たちが思い描いた、理想の自分になれているかを」

 教室がざわつく。面白そうかも。いやいやくだらない。十年後に集まるとかめんどくさい。どちらかといえば消極的な意見が多いようだ。
 風向きを変えたい。俺は「はいはい」と手を挙げた。

「俺、小学生のころはサッカー選手になりたいって書いたんだ。だけど現実が見えてきた今は、本当になれるだなんて思ってない。だからここで一度、自分の将来について具体的な目標を立てることで、受験にもやる気が出るんじゃないかなって思ったんだけど、どうかな?」
「でも自分の目標を人に知られるのってさ、ちょーっと恥ずかしくない!?」

 三枚目キャラ・横山の発言に頷きが起きる。
 恥ずかしい? どうしてだろう。もしも同じ目標を持つ人がいたら嬉しいし、情報共有だってできる。受験にも有利だ。あるいは違う目標を持っている人でも、互いに励まし合って一緒に頑張ることができる。一人よりも、仲間がいたほうが心強いに決まっている。

「目標っていうのはつまり、夢だからな。知られるのが恥ずかしいって人もいると思う。でもそこは心配ない! 日記はすべてハンドルネームで書いてもらうからな!」

 こーちゃんはタブレット端末を操作する。電子黒板に『オープン・ダイアリー』という緑色の文字が浮かび上がった。

「このアプリは共有した範囲、つまりこのクラスの人間にのみ日記を公開できる機能があるんだ。だから親や他のクラスのやつに見られる心配もない。仕様とルールを簡単にまとめたから、これを読んでみてくれ!」


【アプリの仕様】
・匿名制(ハンドルネーム)
・閲覧数でデイリーランキングがつく(競うことが目的ではない)
・お気に入りの日記を購読することができる(更新通知機能あり)

【ルール】
・クラスの全員が参加する(進級までに最低三回は投稿)
・自分の正体を明かしてはならない
・他人の正体を詮索してはならない
・誹謗中傷をしてはならない(見つけた場合は管理人の滝田が強制削除)


「うん、絶対に面白いって、これ!」
「正体を明かしてはいけないとか、そういうのわくわくするな!」

 俺のあとに俊平の追随が入る。スマホゲームに小遣いを課金するタイプの俊平は、企画の趣旨よりもそのゲーム性に惹かれたようだ。ランキングというシステムも大好物なのだろう。
 俺は率先して意見を述べた。最初の投稿はみんな一斉にすれば恥ずかしくないんじゃないかな? すると、予備校があるから時間は二十三時がいい、いろいろ考えたいから来週の金曜がいい、と声が上がった。
 誰かがこーちゃんは書かないのかと茶化したので、あおってみた。こーちゃんはまんざらでもない様子で、じゃあみんなに混じってこっそり書こうかな、と笑った。

 気が付けば、机に突っ伏していた人たちも顔を上げていた。この企画をきっかけに、クラスが一つになっていく。磁石に集まる砂鉄のように、ベクトルがまとまっていく。俺は人知れず高揚した。
 このクラスなら、最高の思い出が作れるかもしれない。思い出はその時間に価値があったことの証拠だ。
 十年後に集まった俺たちは、あのときやってよかったと笑っている。そう確信した。 

「俺、ガラケーなんですけど」

 離れた席の彼の声に気付いたのは、教室の熱気に似合わない冷めたものだったからだろう。

「逢坂、お前ガラケーなのか。でも心配ない。ガラケーの場合はメールで投稿して、ブラウザから閲覧できるから!」

 な、とこーちゃんに肩を叩かれた逢坂は、返事をするわけでもなく、俯いて本を読み始めた。
 逢坂綾人。図書委員ということ以外はなにも知らない。後ろの席の神林さんがしゃんと座っているからか、逢坂の猫背はとても目立つ。
 立っ端あるのにもったいないなぁと眺めていると、逢坂は不意にこちらを見た。顕微鏡を覗き込むような視線はなかなか逸らされず、根負けした俺は目を逸らす。
 俺、逢坂になにかしたっけ? もう一度逢坂の様子を伺ったけれど、視線は本に戻っていた。なにか言いたいことでもあるのだろうか。今度話しかけてみよう。
 放課後、俺は早速『オープン・ダイアリー』のアプリを落とした。書きたいことはもう決まっている。家に帰ったら早速下書きに入ろう。




 企画が始まるまでの一週間、みんなは目に見えてそわそわしていた。女子たちは主に、結婚しているかしていないかで盛り上がっていたようだ。

「○○ちゃんは専業主婦っぽいよねー、女子力高いし!」
「××ちゃんには負けるよー。でも意外とキャリアウーマン志望だったり?」

 自分の答えははぐらかし、つなぎ目なく相手の会話にすり替える。見事な会話の攻守法を見ていると、口では女子に絶対勝てないんだろうなぁと感心してしまう。

「トーマはなに書くか決まった? 二十八歳じゃやっぱり働き盛りだよな!?」

 男子は大抵、俊平のように直球で攻めてくる。柳に風と受け流したけれど。
 一斉初投稿の時間まであと三時間となった。俺は自室のベッドに寝転んで【二ーB】のグループメンバーを眺める。
 いけないとは思いつつも、ハンドルネームの先にいる人物をどうしても想像してしまう。『コトノハ』『999』『ちゃっぷりん』……ダメだ、男女すら想像できない。
 アニメや漫画のキャラクターをもじっているものも多い。中でも『ヤヴァイ兵長』『飛べない俺はただの豚』には大笑いした。彼、あるいは彼女の日記は面白いに違いない。あとで覗きにいこう。

 俺はマイページを開き、先週の金曜の時点ですでに書き上げていた日記を読み返す。我ながら上々の出来だ。専門用語を入れたから臨場感があるし、次回更新への引きもバッチリだ。
 もしかしたらランキング一位もあるかもな。なんて思いながら、二十三時ちょうどに【投稿】のボタンをタップした。


◆四月十七日『今年も春がやってきた』

 仕事が一段落した僕は、コーヒーを買いに行こうと部屋を出る。

「先輩! 研修でわからないことがあったんですけど、後で聞いてもいいですか?」
「もちろん。カンファレンスルームにいるから、いつでもおいで」

 後輩のいきいきした笑顔を見ていると、僕も負けてられないなと身が引き締まる。
 僕が働く救急救命センターは、毎日が戦争だ。休みなんてあってないようなものだし、患者さんには、住民票をここに移したほうがいいんじゃないですか、なんて言われる始末だ。
 だけど今日は急患も来ないし、受け入れた患者さんの容体も落ち着いている。今日は久々にスプリングの利いた自宅のベッドで寝られそうだ。僕はコーヒーをやめて、ノンカフェインの野菜ジュースのボタンを押そうとした――その時だった。

『コードブルー。コードブルー。二階、検査室B。コードブルー……』

 緊急事態発生。僕の寝床は、今日も堅いソファになりそうだ。

◆ハンドルネーム/翔




 月曜日の朝の教室は、日記の話題で持ちきりだった。
 あの日記が面白かっただとか、意外とみんな結婚していないだとか、躍起になって話す割にどこかよそよそしい。みんな、自分の日記が話題に出たらどうしようと心配しているくせに、話題になることを密かに期待しているのだ。

「トーマはどの日記が面白いと思った!?」

 俊平の声はいつも大きいけれど、今日はより大げさに聞こえる。まわりに聞かせようとしているのだろうか。そうだとしたら、無意識であってほしいけれど。

「十五位以内の日記はどれも面白かったと思うよ」
「へぇ、トーマは結構読んでるのな! 俺は五位以内しか読んでねーや」

 そう言われてドキリとする。確かに十五位は広く言いすぎたかもしれない。

「トーマのことだから五位以内に入ってるんだろ? 国語、得意そうだし!」
「俊平、詮索はルール違反だぞ。それに俺は国語は得意じゃない」
「またまた、謙遜しちゃってぇ。俺には教えてくれてもいいだろ? あ、もしかしてあれ? 外資系の会社に勤めて世界を飛びまわるやつ! 弁護士のやつもトーマっぽいなって思ったんだけど!」

 消去法はせこい。それにいまこの教室にいる、その日記を書いた本当の二人の迷惑は考えていないのだろうか。きっと居心地の悪さを感じているはずだ。
 第一、俊平には俺の日記は当てられない。絶対に。

「あと五位以内に入ってたのは……あれだ! 家族で旅行に行くやつ。絵に描いたような幸せ家族っつーかさ、まさに理想を形にしましたって感じだよな。あ、でもあれを書いたのは女子か!」

 ガンッ、と机を蹴る音が教室に響いた。

「うるせーな」

 そう吐き捨てて、本宮さんは教室を出た。
 教室が静まり返る。ええと、この場合はどうすればいい? そうだ、俊平のフォローだ。きっと本宮さんは機嫌が悪かったんだよ。俊平もそれ以上はルール違反だからやめとけよ。この場を円滑に収める言葉はすらすらと浮かんでくる。
 それなのに、なぜか俺の足は扉に向かっていた。

「SHR遅れたら適当にこーちゃんに言っておいて!」

 誰に向けてでもなく言い残して、俺は教室を飛び出した。
 冷静に、これは正しい判断じゃなかったと思った。教室に帰ったら、本宮さんのことが好きなの? 付き合ってるの? とかなんとか言われるに違いない。
 間違っても机を蹴るようなガサツな子なんて好きじゃないし、なんなら神林さんのようなおしとやかな子のほうが断然好みだ。
 けれど本宮さんが『うるせーな』と言ったとき、正直、胸がすかっとした。つまりあれが、俊平に対する俺の本音だったのだろう。

 俺の日記は十三位だった。競うことが目的ではないとわかっていても、期待にそぐわない結果が悔しかった。
 本宮さんがあそこで言ってくれていなければ、俺は俺の勝手な感情で俊平を責めていたかもしれない。結果的に俺は、本宮さんに助けられたのだ。
 本宮さんは屋上に続く階段に座っていた。またスマホをいじっている。第一声に迷った俺は、ひとまず彼女の一段下に腰を下ろした。

「男子って本当にガキ臭いよね。つーか担任も担任だよ。こんな企画、誰も……」

 口をつぐんだ彼女は、再びスマホをいじりだした。『L』と『V』の柄でお馴染みの、ブランドもののスマホケースが上下に揺れる。

「本宮さんはこの企画に反対だったの?」
「あたし以外にも結構いたと思うけど」
「え、それならそう言えばよかったのに」
「あんたがそうさせなかったんでしょ」

 俺が、そうさせなかった?

「確かに俺は賛成したけど、決定権は俺にあるわけじゃないし。むしろ意見があるならどんどん言うべきだよ」
「……天然」

 本宮さんははっきりと聞こえるため息をついた。とことん感じが悪い。俺は天然じゃない、と出そうなるけれど、ぐっと堪える。

「あのさ、さっきはありがとう」
「は? 勘違いしないで。あんたのためじゃない」
「言うと思った。けど俺は助かったから。ありがとう」
「……そういうこと、よく簡単に言えるね。思ったことをなんでも口にするところ、本当にガキ臭い。男は寡黙で、背中で語るのがカッコいいのにさ」

 まさか感謝して嫌がられるとは。ひねくれているにも程がある。
 それに簡単に言ったわけではない。みんなに冷やかされることを覚悟してでも、彼女にはきちんとお礼を言いたいと思ったからここにいるんじゃないか。

「俺は本宮さんに感謝してる。それを伝えることのなにが悪いんだよ」

 チークが塗りたくられたピンクの頬が、赤に変わった。

「――帰る。あんたと変な噂されたくない」

 うわ、本当にかわいくない。俺は渋々後を追う。
 男は寡黙がカッコいい? それは確かにそうなのかもしれない。けれどありがとうだとかごめんだとか、煎じ詰めればいただきますだとか、相手を思いやる言葉を言えない人間は寡黙とは違うと思う。
 刑事ドラマに出てくるハードボイルドな上司だって、最後に「よくやった、ありがとう」と言うのが最高にカッコいいんじゃないか。

「ついてこないで。てかなんであたしに構うの? まさかあたしと仲良くなっていずみに取り入ろうって魂胆?」
「まさか。俺、器用じゃないしそういうの苦手だよ」

 とはいえ神林さんと仲良くなれたら、それはそれで棚から牡丹餅だけど。

「ふぅん。ま、いずみはあんたのことなんかこれっぽっちも興味ないけどね」
「だから狙ってないって。神林さん、競争率高そうだし」
「当たり前じゃん! 美人で頭もよくて、なによりあたしと変わらず仲良くしてくれる超いい子だもん。去年だけで五回は告られてるし。ま、みんな撃沈だけど!」

 あ、笑った。八重歯がちらりと顔を出す。どうやら神林さんのことになると饒舌になるらしい。
 笑ってたらちょっとはかわいいのに。そう思ったけれど口には出さない。さっきガキ臭いと言われたばかりだし、なによりあたしのこと好きなの?だとか、勘違いされたらたまらない。

「お、学級委員! いいところに!」

 SHRを知らせるチャイムが鳴ると同時に、こーちゃんに呼び止められた。

「日記のことなんだけどさ、まだ書いてないやつが二人がいるんだよ。ハンドルネームだし、誰だかわからなくて困ってるんだ。心当たりないか?」

 すぐに浮かんだのが逢坂の顔だった。先週のHRで逢坂が俺を見ていたのは、本宮さんと同じように企画に対して否定的だったからかもしれない。

「もしかしたら、って人はいるかも」
「さすがトーマ! 悪いけど、放課後に二人でそいつに話かけてみてくれないか?」
「あたしは無理です。早く帰らなきゃいけないんで」
「おっと、本宮は彼氏とデートかぁ?」

 本宮さんは答えない。こーちゃんは勝手に肯定と捉えたようで、「そうかそうか、じゃあトーマよろしくな!」と一足先に教室に入っていった。いやいや。こんなひねくれた子に彼氏なんて……

「そういうわけだから、勝手によろしく」

 ……いるんだ。
 ということは、男は寡黙で、背中で語るのがカッコいいという発言は、彼氏をなぞらえたものだったのだろうか。そうだとしたら、俺は彼氏と比較された上でガキ臭いと言われたのだろうか。
 なんだか腹が立つ。あれだけ断言できるのだから、本宮さんの彼氏はさぞかし大人なのだろう。
 まぁ、彼女がどんな男と付き合っていようと、俺には関係ないけれど。
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