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心と体
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ロンディムの北に設えた野営地に戻ったサンガリア軍は、戦いに敗れたわけでもないのに、明らかに浮足立っていた。
ゴーマに奪われた領土の大半を奪還し、勝利は目前と思われたロンディム攻略戦で、まさかの撤退。あれだけ強固な城壁に囲まれているのだから、正攻法で攻略しようとすれば相当の長期戦を強いられるが、人智を超えた超兵器アランサーを以ってすれば、城壁なんて一発で粉砕できる――サンガリアの兵たちは皆そう思っていたはずだし、俺も圧倒的勝利を確信していた。
ところが、である。
頼みのアランサーは、ロンディムを前にしてウンともスンとも言わなくなってしまった。増えたとはいえサンガリアの兵力は未だ心許なく、ロンディムに籠城しているゴーマ軍の残存兵力より量でも質でも劣っている。アランサーの力がなければ、ロンディムの攻略はおろか、万が一ロンディムからゴーマ軍が打って出て来た場合、まともに迎え撃つことすらできないのだ。
ゴーマからサンガリアに寝返ってきた兵たちの動揺はとりわけ大きかった。今のサンガリア軍において、ゴーマからの脱走兵は貴重な戦力。アランサーの力が使えないままこいつらが再び離反するようなことがあると、サンガリア軍は瓦解し、一転して窮地に陥る。
考え得る中で最悪のケースは、元ゴーマ軍の連中がロンディムに篭もっている敵軍にアランサーの不調を報せ、ロンディムから出撃した敵軍と共に俺たちを挟撃する、というものである。これを回避するためにも、一刻も早くアランサーに本来の力を取り戻してもらわなければならない。もしもそれが不可能ならば、ここでゴーマと和平を結ぶこともやぶさかではない。
――というようなことを、野営地のキャンプに集まったサンガリアの有力者たちがのたまいやがった。
有力者たち。そう、今軍議に参加しているのは、俺とエリウ、ドルイド、王子だけではない。解放されたサンガリアの都市の首長たちが数名、軍議の席に新しく名を連ねているのだ。
サンガリア王家は、先王カラクタスがゴーマとの戦いで命を落とし、王族の血を引くのは現在ラスターグ王子ただ一人。しかしそのラスターグ王子はまだ若く、ゴーマとの戦争でもこれといった活躍を見せていない。つまり、王家の権威は地に堕ちた状態にあるのだ。
もしも首尾よくロンディムを奪還しサンガリアからゴーマ軍を駆逐できたとしても、ラスターグ王子にはまだ国をまとめるだけの人望も才覚もなく、その後の国家運営には各都市の首長の協力が不可欠になる。故に、首長たちは今のうちに点数を稼いで戦後の発言力を強めておこうという狙いだと見た。
さらに、ゴーマとの和平を主張している連中に対して穿った見方をすれば、こいつらとしては既に自分の領土が解放されているわけだから、ここでゴーマと和平を結んでしまっても痛くも痒くもない。その反面、首都を奪還できなかったラスターグ王子と王家の権威は完全に失墜するだろう。そうなれば、いずれ自分が王家の座に取って代わることも――なんて考えている可能性もある。
ったく、何で俺がこんな真面目な解説をしなきゃならねーんだよ。首長だかなんだか知らねーが、アランサーの力のおかげで解放されたってのに、偉そうにグダグダ言いやがって。
「おいテメーら、ゴチャゴチャ生意気言ってんじゃねえぞ? いったい誰のおかげでゴーマの奴隷から解放されたと思ってんだ? 何ならお前らまとめて奴隷の立場に戻してやってもいいんだぜ?」
俺が一言ドスを利かせてやると、首長たちはベビースターのように縮み上がった。
「い、いえ、我々は決してそのようなつもりでは……」
「エ、エリウ様と救世主様のことを案じればこそでございます……」
俄かには信じがたい話だ。心配なんかしてるようには見えなかったぞお前ら。
「おいエリウ、お前からも何か言ってやれよ」
ずっと押し黙ったままのエリウに促してみたが、エリウは目を伏せたまま、ゆっくり首を横に振るばかりだった。本来ならこういうところでラスターグ王子が場を纏めなきゃなんねえところのはずなんだが、王子は今回の戦いで全く活躍できていないことに対する負い目があるのか、じっと唇を噛むばかりだ。お前それでもEXILE王子かよ!
「あ~、もういい! 今日はもう疲れた。軍議は解散だ、解散! それと、エリウは後で俺のテントに来い。以上!」
吐き捨てるようにそう言って、俺は軍議が行われているテントを後にした。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i
そして、その日の夜。
エリウは言いつけ通り、俺のテントに一人でやってきた。
「……おい、今日はどうしたんだよ、エリウ。体調が悪いんだったらそう言えよ。アランサーだけが頼みなのは、お前もよくわかってるだろ?」
「……はい」
地面の上に敷かれた毛皮の上で正座するエリウ。今日は頑なに俺と目を合わせようとしない。
「……ったく、何なんだよ、お前。なんか最近おかしいぞ?」
「……すみません」
「辛気臭ぇ顔しやがって……よ~し、じゃあ今夜は、憂鬱なんか吹っ飛ぶぐらい目一杯可愛がってやるからな!」
俺はエリウの手を引いて無理矢理立たせ、そのまま俺様専用の寝具の上に引き倒して、エリウの体に覆い被さった。そういや、カムロヌムを発ってからこっち、多忙なエリウを全然構っていなかった。不調の原因はそれかもしれねえな!
固く結ばれた唇を貪り、皮の防具の下に手を突っ込んで乳を揉みしだき、くねる脚をかきわけながら股に手を伸ばす。
「ん……いやっ……やめて……」
「今更恥ずかしがることなんてねえだろ? ほら、力抜いて気持ちよくなれよ!」
しかし、いつもならこの時点で視線は蕩け、股間もすぐに濡れ始めるはずなのに、今夜は俺から顔を背けて物憂げな表情を浮かべるばかり。膣の濡れ具合も今一つだし、喘ぎ声のトーンも全然上がってこねえ。
何なんだよ、マジで。
「私は……」
エリウが消え入るような声で呟いた。
「あ? 何だって?」
「私は、救世主さまにとって、ただの道具なのですか……?」
「……!」
「アランサーの力で敵を薙ぎ倒し、あるいは性欲を満たすためだけの……私は道具でしかないのですか?」
「い、あ、そ、そりゃ……」
急に何を言い出すんだ、こいつ……?
エリウにとってはゴーマと戦うためにアランサーの力が必要だろうし、俺だって数千数万の敵兵をアリのように叩き潰す無双ゲーみたいな爽快感はヤミツキになっている。つまり互いに利用価値があるわけだ。俺に利用価値があるからこそ、サンガリアの民共はこんなクソ野郎の俺にかしずくんだし、エリウも俺に従うんだろ?
俺が誰かに敬われるような人間じゃねえことは俺自身が一番よくわかっている。もしもエリウ一人でアランサーを使えたら、サンガリアの民だって俺なんか誰も相手にしねえだろう。
頭ではそう思いつつも、何故だろう、それを口に出すことはできなかった。
何なんだよ、これ。
何なんだよ、この感情は。
エリウは乱れた着衣を直しながら俺の体の下から這い出し、戸惑う俺を尻目に、それ以上何も言わず俺のテントを出て行った。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!
エリウが去った後、ムシャクシャした俺は、ヒトミとカルラが寝ているテントに夜這いをかけることにした。
「おはようございまぁぁぁぁぁす」
小声で言いながら寝起きドッキリのノリでテントに入ると、二人は毛皮を被り、すやすやと寝息を立てていた。ここにドッキリのプラカードがないのが悔やまれる!
俺はまずヒトミの耳元に口を寄せた。
(おはようございまぁす)
反応はない。やはり爆睡しているようである。俺はそのままヒトミの耳にふぅっと息を吹きかけた。
「んん……」
眠っていてもやっぱり耳は感じるらしい。ヒトミは小さく唸りながら寝返りをうった。
夜這い、それは男のロマン。昔の日本には夜這いが風習として存在した地域もあったらしいが、現代日本においては強姦、つまり明確な犯罪行為となる。しかし、ここはウザったい警察が存在しない異世界だし、サンガリアの法律は俺なのだ。
俺はヒトミの毛皮の中に潜り込んだ。
毛布の中は当然ながら真っ暗で、どこに何があるのかさっぱりわからなかったが、それもまた一興。手探りでお目当ての場所を探し当てるというのもなかなか乙なものである。
異世界に来てからもヒトミはしばらくの間、向こうの世界からの赤いワンピースを着続けていたが、洗濯ができず流石に臭いがきつくなってきたので、最近はゴーマ式で、布をローブのようにして体に巻き付けるようになった。俺は手探りでその邪魔な布をめくり上げ、ヒトミの素足に触れた。
「んっ……」
無意識のうちに脚をくねらせるヒトミ。俺の手は脚から太もも、腹、そして豊かな胸へと、肌を撫でるように移動してゆく。右を向いて眠っているヒトミの巨乳は、重力に従って床側へ垂れている。この横寝巨乳の魅力がわかる紳士はいるだろうか? 巨乳好きならわかってくれるよな? 俺はこの寝乳が大好きだ!
横寝巨乳をタプタプと弄んでいると、眠っているはずのヒトミの乳首が次第に硬くなり始めた。乳首ってのはちんこと同じで、乳を触られると自然と勃ってしまうものらしい。硬くなった乳首を口に含み、乳頭を舌で転がすと、ヒトミは一際大きく身を捩らせた。
「あっ……ん」
起こしてしまったかと一瞬警戒したが、ヒトミはすぐにまた寝息を立て始める。よしよし、ここで起きちゃあつまらねえ。俺は赤ん坊のようにチュパチュパと乳首を吸いながら、ヒトミの腰から股間へと指を滑らせる。乳首への刺激に反応したのか、ヒトミの膣口は既にしっとりと濡れ始めていた。
あんまりしつこく愛撫して起こしてしまうと楽しみは半減するし、これぐらい濡れてるなら、挿入にも支障はないだろう。俺は毛皮の中でヒトミの体に覆い被さり、エリウに寸止めを喰らってずっとフル勃起状態だったペニスの亀頭をヒトミの膣のあたりに押し当てた。
毛皮の中は当然真っ暗だから、膣口がどこにあるのか視認できない。俺は亀頭の位置を微妙に調整しながら、膣口の位置を探る。その間にも、ヒトミの膣はクチクチと小さな音を立てながら俺の鈴口を愛液で濡らした。そして、ようやく亀頭の先端がヌルリと入る場所を探り当てた俺は、そのまま勢いよくペニスを根元まで押し込む。
ブチュン!
「おぉ……」
ペニスを包み込む柔らかい膣肉の感触。異世界に来てから俺に抱かれまくったヒトミの膣肉は、もうすっかり俺のちんこの形を覚え、カリから竿まで隈なくぴったりと吸い付くように密着する。
「んんぅ……」
事ここに至ってヒトミは初めて眉根を寄せたが、まだ目覚めてはいないようだ。とはいえ、あまりのんびりはしていられない。寝ている女を犯す快感に打ち震えながら、俺は激しく腰を振った。主が眠っているにもかかわらず、ヒトミの膣はグチュグチュと多量の愛液を分泌して俺のペニスを求めていた。最奥に亀頭を強く打ち付けるたび、膣肉は射精を促すようにペニスをキュッと強く締め付ける。
「うおおっ、いくぜ、寝ている女に中出しッ……!」
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
「あ、ん、あぁぁ……」
絶頂を迎え、ヒトミの子宮が俺の鈴口から大量の精液を直飲みした瞬間、ヒトミも喘ぎ声を漏らしながら目を覚ました。
「……えっ? いやっ、何?」
「静かにしろっ!」
ここで騒がれてカルラが起きてしまってはまずい。俺はヒトミの口を押さえた。
「んー! んー!」
口と子宮口を同時に塞がれながら悶えるヒトミ。その背徳感が更なる快感を齎し、ペニスは激しく脈動しながらヒトミの最奥部へ射精し続ける。
長い射精が終わり、ペニスを引き抜きながら、俺はヒトミの口から手を離した。
「どうだ? 寝起きドッキリを受けた気分は?」
「な~にが寝起きドッキリよ。もう、ビックリしたじゃないの……」
「へへへ、次はカルラの番だな。静かにしてろよ、ヒトミ」
「はいはい。運転手さん、ほんとに変態なんだから」
変態。
最高の褒め言葉である。
ヒトミの時と同じ要領で毛皮の中に潜り込んだ俺は、カルラの体に愛撫を開始した。
仰向けに寝ていたカルラの巨乳は、横寝のヒトミとは違い、左右に流れている。これもまた、巨乳大好きおっぱい星人にはたまらないものだ。俺は左右にこぼれた乳を掬い取り、乳首を指先で弄りながら揉みしだいた。
「ぅん……」
切ない吐息を漏らすカルラ。股間に手を伸ばすと、カルラの膣口は既に十分湿っていた。幼い頃から娼婦として数え切れない数の肉棒を咥え続けてきたカルラの膣は、特に愛撫せずとも常に愛液を分泌しているのだ。
愛液とは、ペニスを挿入された際、膣内の粘膜を保護するために分泌されるものだという。つまりこれは、急に客が来ても膣を傷つけないために、彼女の体が自然と身に着けた自衛手段なのだ。顔も体もこんなにイイ女が即即OKな上にNNし放題なんて、向こうの世界だったら、90分10万超えでも客が途絶えることはまずなかろう。
俺はまた毛布の中でカルラの体を組み敷き、亀頭で膣口の位置を探り当てて一気に腰を打ち付けた。
バチュン!
「んんん……」
膣の最奥までペニスを穿たれ、低い呻き声を漏らすカルラ。しかし、やはり目覚める様子はない。俺はピストンを速め、降り始めたカルラの子宮口を激しく突きまくった。
「うおっ、また出るっ……!」
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
精液を吐き出すペニスの動きに合わせて、カルラの膣肉は絞り出すようにペニスを締め付ける。だが、ヒトミとは異なり、これでもカルラは目を覚まさなかった。
「うわ~、すごいカルラちゃん、こんなにされてもまだ起きないんだ」
ヒトミが膣から精液を垂れ流しながらカルラの顔を覗き込む。
「運転手さん、あたしにこんなに出しちゃったから、ちょっとフニャってたんじゃないの?」
「何をッ……んなわけあるか!」
俺自身のことはクズでも変態でもどう貶されても構わないが、俺のペニスの名誉を傷つけることだけは許さん。俺は意地になって、抜かずの二回戦に突入した。
ペニスを突き出すたびに、射精したばかりの精液と愛液が混じり合い、泡と大きな水音を立てる。
「さ~て、運転手さんのおちんちんはカルラちゃんを起こせるのか?」
「起こしてやんよ! うおおおおおお!」
ヒトミに煽られて、俺のペニスはさらに硬く大きく膨張しながらカルラの子宮口にカミカゼアタックを繰り返す。そして、ピストンの回数が50回を超えた頃、カルラの瞼がようやく動いた。
「んん……ん? あれ……あっ、あっ、いやん!」
目を覚ますと同時に膣奥を突かれ、艶めかしく喘ぐカルラ。
「よっしゃ~! どうだヒトミ! 俺の勝ちだな!」
「ちぇ~っ、負けちゃったかぁ~」
「えっ? 何言ってるの二人とも? あっあっんっ」
「なあカルラ、俺のちんぽは硬くて気持ちいいだろ?」
「うっうん、硬くて大きくて気持ちい……あっあっ!」
「よ~しよくできた! おらいくぞっ!」
ペニスから脳髄へと駆け上がる快感。俺はカルラの膣からペニスを引き抜くと、カルラの腹の上で射精した。
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
鈴口からロケットのように勢いよく飛び出した俺の精液は、カルラの腹から胸をべっとりと汚し、遠くはカルラの頬まで届いた。カルラの褐色の肌に白い精液はよく映える。だから、ヒトミに対しては九割がた膣内射精だが、カルラには半々ぐらいの割合で中出しとぶっかけを切り替えて楽しんでいるのである。
「ふぅ……びっくりしたじゃん、救世主さま」
精液でドロドロになった胸を波打たせながらカルラが言った。この反応こそ、夜這いの醍醐味である。
「へっへっへ、これは寝起きドッキリって言ってな、俺の世界では有名人が必ずされることなんだ」
「ネオキ……ドッキリ? じゃあ、私もユウメイになったの?」
「おうよ、カルラはもう立派な一流アイドルだ!」
「そうなの? やったぁ!」
おそらくアイドルの意味はわかってねーと思うが、べっとりと精液がかかった顔を綻ばせながら、カルラは歓喜の声を上げた。
「ちょっと運転手さん、カルラちゃんに変な嘘を教え込まないでよ!」
ヒトミがふくれっ面で抗議してきたが、んなこたぁ知ったこっちゃねえwww
それから俺は、二人と朝まで何度もヤリまくった。
やっぱさぁ、女を抱いてる最中は頭がカラッポになっていいね! これだよこれ! 生きてるって感じがしますねえ!
一通りの行為が終わった後、ヒトミがぽつりと言った。
「ねえ運転手さん、そういえばさぁ、あの剣が今日使えなかったって本当?」
「あの剣……アランサーのことか?」
「そうそう、それそれ。大丈夫なの? エリウちゃん、最近ずっと様子がおかしかったし……」
「あ? ずっとおかしかったって? どこが?」
「……え、まさか運転手さん、気付いてなかったの?」
諸々の報告とかもあるし、エリウとは毎日のように顔を合わせていたが、別段おかしな様子は――。
すると、ヒトミは詰るような眼つきで俺を見る。
「運転手さんってさぁ、ホント、女の首から下しか見てないよね!」
「あ? んなこたぁねえだろ、他にも、唇とか……結構反応見ながらヤってるんだぜ、俺は」
「エッチの時だけでしょ? 運転手さん、自分がスッキリしたら、ピロートークもなしにいつもすぐ寝ちゃうしさ。女心とか考えたことないでしょ?」
「い、いや、そりゃぁ……って、今はそういう話してるんじゃねえだろ。エリウがおかしかったのって、いつからだ?」
「え~と、いつだっけ……カルラ、覚えてる?」
ヒトミが尋ねると、カルラは得意げに答えた。
「うん、覚えてるよ! カムロヌムの街で、イリーナさんの作戦でゴーマ軍をやっつけた時からだったはず。その後、だんだん塞ぎ込むようになって……」
「カムロヌムで……って、それだいぶ前の話じゃねえか?」
「そだよ? だから、救世主さまはまだ気づいてないの? って、ヒトミが怒ってるわけよ」
カムロヌムでイーゴンの軍を退けたのはもう一月以上も前の話だ。それ以来ずっとエリウが変調を来していて、尚且つそれに気付かなかったとは……。
「お前ら、気付いてたんなら、どうして言ってくれなかったんだよ!」
ヒトミとカルラは顔を見合わせた。
「だって、そりゃあ、ねぇ……?」
「運転手さんとエリウちゃんで解決しなきゃいけないことだもの、それは」
「そうそう。あたしたちが口を出しても、エリウさんはきっと嬉しくないと思う。救世主さまじゃなきゃダメなんだよ」
と、頷き合うヒトミとカルラ。
「はぁ? どういう理屈だよ、それ。ワケわかんねぇ」
半ば投げやりになった俺に、ヒトミは諭すような口調で言った。
「運転手さん、まだわかんないの? エリウちゃんはさ、運転手さんのことが好きなんだって。特別な存在なんだよ。本気で好きだから、ずる賢い作戦なんか使わないで、真面目でカッコよくいて欲しいし、運転手さんにも自分のことを本気で愛して欲しい、お前しかいないんだって、ちゃんと言ってほしいんだよ」
「……!」
「エリウちゃんはあたし達よりずっとピュアだから、心の通わないセックスなんて苦痛でしかないと思うよ。運転手さんさ、もっとちゃんとエリウちゃんのこと考えてあげなよ。エリウちゃんがいなかったら、運転手さんだって、とっくの昔にゴーマ軍にやられちゃってたかもしれないんでしょ?」
エリウが、俺のことを、本気で……?
まさか。俺みたいなクズ野郎のことを、好きになる女なんているわけがねえじゃねえか。
大体、好きっていったい何なんだ? 恋愛感情なんて、性欲をオブラートに包んだだけの単なる幻想だろうが。
「とにかく、ちゃんとエリウちゃんと話し合うこと! それができなきゃ、私たちもおあずけだからね!」
「そうそう、おあずけおあずけ!」
出たよ、こいつら必殺の『おあずけ』。しかも今回は二人揃って。
こうして俺は、エリウと二人きりでじっくり話し合うことを約束させられたのだった。
ゴーマに奪われた領土の大半を奪還し、勝利は目前と思われたロンディム攻略戦で、まさかの撤退。あれだけ強固な城壁に囲まれているのだから、正攻法で攻略しようとすれば相当の長期戦を強いられるが、人智を超えた超兵器アランサーを以ってすれば、城壁なんて一発で粉砕できる――サンガリアの兵たちは皆そう思っていたはずだし、俺も圧倒的勝利を確信していた。
ところが、である。
頼みのアランサーは、ロンディムを前にしてウンともスンとも言わなくなってしまった。増えたとはいえサンガリアの兵力は未だ心許なく、ロンディムに籠城しているゴーマ軍の残存兵力より量でも質でも劣っている。アランサーの力がなければ、ロンディムの攻略はおろか、万が一ロンディムからゴーマ軍が打って出て来た場合、まともに迎え撃つことすらできないのだ。
ゴーマからサンガリアに寝返ってきた兵たちの動揺はとりわけ大きかった。今のサンガリア軍において、ゴーマからの脱走兵は貴重な戦力。アランサーの力が使えないままこいつらが再び離反するようなことがあると、サンガリア軍は瓦解し、一転して窮地に陥る。
考え得る中で最悪のケースは、元ゴーマ軍の連中がロンディムに篭もっている敵軍にアランサーの不調を報せ、ロンディムから出撃した敵軍と共に俺たちを挟撃する、というものである。これを回避するためにも、一刻も早くアランサーに本来の力を取り戻してもらわなければならない。もしもそれが不可能ならば、ここでゴーマと和平を結ぶこともやぶさかではない。
――というようなことを、野営地のキャンプに集まったサンガリアの有力者たちがのたまいやがった。
有力者たち。そう、今軍議に参加しているのは、俺とエリウ、ドルイド、王子だけではない。解放されたサンガリアの都市の首長たちが数名、軍議の席に新しく名を連ねているのだ。
サンガリア王家は、先王カラクタスがゴーマとの戦いで命を落とし、王族の血を引くのは現在ラスターグ王子ただ一人。しかしそのラスターグ王子はまだ若く、ゴーマとの戦争でもこれといった活躍を見せていない。つまり、王家の権威は地に堕ちた状態にあるのだ。
もしも首尾よくロンディムを奪還しサンガリアからゴーマ軍を駆逐できたとしても、ラスターグ王子にはまだ国をまとめるだけの人望も才覚もなく、その後の国家運営には各都市の首長の協力が不可欠になる。故に、首長たちは今のうちに点数を稼いで戦後の発言力を強めておこうという狙いだと見た。
さらに、ゴーマとの和平を主張している連中に対して穿った見方をすれば、こいつらとしては既に自分の領土が解放されているわけだから、ここでゴーマと和平を結んでしまっても痛くも痒くもない。その反面、首都を奪還できなかったラスターグ王子と王家の権威は完全に失墜するだろう。そうなれば、いずれ自分が王家の座に取って代わることも――なんて考えている可能性もある。
ったく、何で俺がこんな真面目な解説をしなきゃならねーんだよ。首長だかなんだか知らねーが、アランサーの力のおかげで解放されたってのに、偉そうにグダグダ言いやがって。
「おいテメーら、ゴチャゴチャ生意気言ってんじゃねえぞ? いったい誰のおかげでゴーマの奴隷から解放されたと思ってんだ? 何ならお前らまとめて奴隷の立場に戻してやってもいいんだぜ?」
俺が一言ドスを利かせてやると、首長たちはベビースターのように縮み上がった。
「い、いえ、我々は決してそのようなつもりでは……」
「エ、エリウ様と救世主様のことを案じればこそでございます……」
俄かには信じがたい話だ。心配なんかしてるようには見えなかったぞお前ら。
「おいエリウ、お前からも何か言ってやれよ」
ずっと押し黙ったままのエリウに促してみたが、エリウは目を伏せたまま、ゆっくり首を横に振るばかりだった。本来ならこういうところでラスターグ王子が場を纏めなきゃなんねえところのはずなんだが、王子は今回の戦いで全く活躍できていないことに対する負い目があるのか、じっと唇を噛むばかりだ。お前それでもEXILE王子かよ!
「あ~、もういい! 今日はもう疲れた。軍議は解散だ、解散! それと、エリウは後で俺のテントに来い。以上!」
吐き捨てるようにそう言って、俺は軍議が行われているテントを後にした。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i
そして、その日の夜。
エリウは言いつけ通り、俺のテントに一人でやってきた。
「……おい、今日はどうしたんだよ、エリウ。体調が悪いんだったらそう言えよ。アランサーだけが頼みなのは、お前もよくわかってるだろ?」
「……はい」
地面の上に敷かれた毛皮の上で正座するエリウ。今日は頑なに俺と目を合わせようとしない。
「……ったく、何なんだよ、お前。なんか最近おかしいぞ?」
「……すみません」
「辛気臭ぇ顔しやがって……よ~し、じゃあ今夜は、憂鬱なんか吹っ飛ぶぐらい目一杯可愛がってやるからな!」
俺はエリウの手を引いて無理矢理立たせ、そのまま俺様専用の寝具の上に引き倒して、エリウの体に覆い被さった。そういや、カムロヌムを発ってからこっち、多忙なエリウを全然構っていなかった。不調の原因はそれかもしれねえな!
固く結ばれた唇を貪り、皮の防具の下に手を突っ込んで乳を揉みしだき、くねる脚をかきわけながら股に手を伸ばす。
「ん……いやっ……やめて……」
「今更恥ずかしがることなんてねえだろ? ほら、力抜いて気持ちよくなれよ!」
しかし、いつもならこの時点で視線は蕩け、股間もすぐに濡れ始めるはずなのに、今夜は俺から顔を背けて物憂げな表情を浮かべるばかり。膣の濡れ具合も今一つだし、喘ぎ声のトーンも全然上がってこねえ。
何なんだよ、マジで。
「私は……」
エリウが消え入るような声で呟いた。
「あ? 何だって?」
「私は、救世主さまにとって、ただの道具なのですか……?」
「……!」
「アランサーの力で敵を薙ぎ倒し、あるいは性欲を満たすためだけの……私は道具でしかないのですか?」
「い、あ、そ、そりゃ……」
急に何を言い出すんだ、こいつ……?
エリウにとってはゴーマと戦うためにアランサーの力が必要だろうし、俺だって数千数万の敵兵をアリのように叩き潰す無双ゲーみたいな爽快感はヤミツキになっている。つまり互いに利用価値があるわけだ。俺に利用価値があるからこそ、サンガリアの民共はこんなクソ野郎の俺にかしずくんだし、エリウも俺に従うんだろ?
俺が誰かに敬われるような人間じゃねえことは俺自身が一番よくわかっている。もしもエリウ一人でアランサーを使えたら、サンガリアの民だって俺なんか誰も相手にしねえだろう。
頭ではそう思いつつも、何故だろう、それを口に出すことはできなかった。
何なんだよ、これ。
何なんだよ、この感情は。
エリウは乱れた着衣を直しながら俺の体の下から這い出し、戸惑う俺を尻目に、それ以上何も言わず俺のテントを出て行った。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!
エリウが去った後、ムシャクシャした俺は、ヒトミとカルラが寝ているテントに夜這いをかけることにした。
「おはようございまぁぁぁぁぁす」
小声で言いながら寝起きドッキリのノリでテントに入ると、二人は毛皮を被り、すやすやと寝息を立てていた。ここにドッキリのプラカードがないのが悔やまれる!
俺はまずヒトミの耳元に口を寄せた。
(おはようございまぁす)
反応はない。やはり爆睡しているようである。俺はそのままヒトミの耳にふぅっと息を吹きかけた。
「んん……」
眠っていてもやっぱり耳は感じるらしい。ヒトミは小さく唸りながら寝返りをうった。
夜這い、それは男のロマン。昔の日本には夜這いが風習として存在した地域もあったらしいが、現代日本においては強姦、つまり明確な犯罪行為となる。しかし、ここはウザったい警察が存在しない異世界だし、サンガリアの法律は俺なのだ。
俺はヒトミの毛皮の中に潜り込んだ。
毛布の中は当然ながら真っ暗で、どこに何があるのかさっぱりわからなかったが、それもまた一興。手探りでお目当ての場所を探し当てるというのもなかなか乙なものである。
異世界に来てからもヒトミはしばらくの間、向こうの世界からの赤いワンピースを着続けていたが、洗濯ができず流石に臭いがきつくなってきたので、最近はゴーマ式で、布をローブのようにして体に巻き付けるようになった。俺は手探りでその邪魔な布をめくり上げ、ヒトミの素足に触れた。
「んっ……」
無意識のうちに脚をくねらせるヒトミ。俺の手は脚から太もも、腹、そして豊かな胸へと、肌を撫でるように移動してゆく。右を向いて眠っているヒトミの巨乳は、重力に従って床側へ垂れている。この横寝巨乳の魅力がわかる紳士はいるだろうか? 巨乳好きならわかってくれるよな? 俺はこの寝乳が大好きだ!
横寝巨乳をタプタプと弄んでいると、眠っているはずのヒトミの乳首が次第に硬くなり始めた。乳首ってのはちんこと同じで、乳を触られると自然と勃ってしまうものらしい。硬くなった乳首を口に含み、乳頭を舌で転がすと、ヒトミは一際大きく身を捩らせた。
「あっ……ん」
起こしてしまったかと一瞬警戒したが、ヒトミはすぐにまた寝息を立て始める。よしよし、ここで起きちゃあつまらねえ。俺は赤ん坊のようにチュパチュパと乳首を吸いながら、ヒトミの腰から股間へと指を滑らせる。乳首への刺激に反応したのか、ヒトミの膣口は既にしっとりと濡れ始めていた。
あんまりしつこく愛撫して起こしてしまうと楽しみは半減するし、これぐらい濡れてるなら、挿入にも支障はないだろう。俺は毛皮の中でヒトミの体に覆い被さり、エリウに寸止めを喰らってずっとフル勃起状態だったペニスの亀頭をヒトミの膣のあたりに押し当てた。
毛皮の中は当然真っ暗だから、膣口がどこにあるのか視認できない。俺は亀頭の位置を微妙に調整しながら、膣口の位置を探る。その間にも、ヒトミの膣はクチクチと小さな音を立てながら俺の鈴口を愛液で濡らした。そして、ようやく亀頭の先端がヌルリと入る場所を探り当てた俺は、そのまま勢いよくペニスを根元まで押し込む。
ブチュン!
「おぉ……」
ペニスを包み込む柔らかい膣肉の感触。異世界に来てから俺に抱かれまくったヒトミの膣肉は、もうすっかり俺のちんこの形を覚え、カリから竿まで隈なくぴったりと吸い付くように密着する。
「んんぅ……」
事ここに至ってヒトミは初めて眉根を寄せたが、まだ目覚めてはいないようだ。とはいえ、あまりのんびりはしていられない。寝ている女を犯す快感に打ち震えながら、俺は激しく腰を振った。主が眠っているにもかかわらず、ヒトミの膣はグチュグチュと多量の愛液を分泌して俺のペニスを求めていた。最奥に亀頭を強く打ち付けるたび、膣肉は射精を促すようにペニスをキュッと強く締め付ける。
「うおおっ、いくぜ、寝ている女に中出しッ……!」
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
「あ、ん、あぁぁ……」
絶頂を迎え、ヒトミの子宮が俺の鈴口から大量の精液を直飲みした瞬間、ヒトミも喘ぎ声を漏らしながら目を覚ました。
「……えっ? いやっ、何?」
「静かにしろっ!」
ここで騒がれてカルラが起きてしまってはまずい。俺はヒトミの口を押さえた。
「んー! んー!」
口と子宮口を同時に塞がれながら悶えるヒトミ。その背徳感が更なる快感を齎し、ペニスは激しく脈動しながらヒトミの最奥部へ射精し続ける。
長い射精が終わり、ペニスを引き抜きながら、俺はヒトミの口から手を離した。
「どうだ? 寝起きドッキリを受けた気分は?」
「な~にが寝起きドッキリよ。もう、ビックリしたじゃないの……」
「へへへ、次はカルラの番だな。静かにしてろよ、ヒトミ」
「はいはい。運転手さん、ほんとに変態なんだから」
変態。
最高の褒め言葉である。
ヒトミの時と同じ要領で毛皮の中に潜り込んだ俺は、カルラの体に愛撫を開始した。
仰向けに寝ていたカルラの巨乳は、横寝のヒトミとは違い、左右に流れている。これもまた、巨乳大好きおっぱい星人にはたまらないものだ。俺は左右にこぼれた乳を掬い取り、乳首を指先で弄りながら揉みしだいた。
「ぅん……」
切ない吐息を漏らすカルラ。股間に手を伸ばすと、カルラの膣口は既に十分湿っていた。幼い頃から娼婦として数え切れない数の肉棒を咥え続けてきたカルラの膣は、特に愛撫せずとも常に愛液を分泌しているのだ。
愛液とは、ペニスを挿入された際、膣内の粘膜を保護するために分泌されるものだという。つまりこれは、急に客が来ても膣を傷つけないために、彼女の体が自然と身に着けた自衛手段なのだ。顔も体もこんなにイイ女が即即OKな上にNNし放題なんて、向こうの世界だったら、90分10万超えでも客が途絶えることはまずなかろう。
俺はまた毛布の中でカルラの体を組み敷き、亀頭で膣口の位置を探り当てて一気に腰を打ち付けた。
バチュン!
「んんん……」
膣の最奥までペニスを穿たれ、低い呻き声を漏らすカルラ。しかし、やはり目覚める様子はない。俺はピストンを速め、降り始めたカルラの子宮口を激しく突きまくった。
「うおっ、また出るっ……!」
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
精液を吐き出すペニスの動きに合わせて、カルラの膣肉は絞り出すようにペニスを締め付ける。だが、ヒトミとは異なり、これでもカルラは目を覚まさなかった。
「うわ~、すごいカルラちゃん、こんなにされてもまだ起きないんだ」
ヒトミが膣から精液を垂れ流しながらカルラの顔を覗き込む。
「運転手さん、あたしにこんなに出しちゃったから、ちょっとフニャってたんじゃないの?」
「何をッ……んなわけあるか!」
俺自身のことはクズでも変態でもどう貶されても構わないが、俺のペニスの名誉を傷つけることだけは許さん。俺は意地になって、抜かずの二回戦に突入した。
ペニスを突き出すたびに、射精したばかりの精液と愛液が混じり合い、泡と大きな水音を立てる。
「さ~て、運転手さんのおちんちんはカルラちゃんを起こせるのか?」
「起こしてやんよ! うおおおおおお!」
ヒトミに煽られて、俺のペニスはさらに硬く大きく膨張しながらカルラの子宮口にカミカゼアタックを繰り返す。そして、ピストンの回数が50回を超えた頃、カルラの瞼がようやく動いた。
「んん……ん? あれ……あっ、あっ、いやん!」
目を覚ますと同時に膣奥を突かれ、艶めかしく喘ぐカルラ。
「よっしゃ~! どうだヒトミ! 俺の勝ちだな!」
「ちぇ~っ、負けちゃったかぁ~」
「えっ? 何言ってるの二人とも? あっあっんっ」
「なあカルラ、俺のちんぽは硬くて気持ちいいだろ?」
「うっうん、硬くて大きくて気持ちい……あっあっ!」
「よ~しよくできた! おらいくぞっ!」
ペニスから脳髄へと駆け上がる快感。俺はカルラの膣からペニスを引き抜くと、カルラの腹の上で射精した。
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ……。
鈴口からロケットのように勢いよく飛び出した俺の精液は、カルラの腹から胸をべっとりと汚し、遠くはカルラの頬まで届いた。カルラの褐色の肌に白い精液はよく映える。だから、ヒトミに対しては九割がた膣内射精だが、カルラには半々ぐらいの割合で中出しとぶっかけを切り替えて楽しんでいるのである。
「ふぅ……びっくりしたじゃん、救世主さま」
精液でドロドロになった胸を波打たせながらカルラが言った。この反応こそ、夜這いの醍醐味である。
「へっへっへ、これは寝起きドッキリって言ってな、俺の世界では有名人が必ずされることなんだ」
「ネオキ……ドッキリ? じゃあ、私もユウメイになったの?」
「おうよ、カルラはもう立派な一流アイドルだ!」
「そうなの? やったぁ!」
おそらくアイドルの意味はわかってねーと思うが、べっとりと精液がかかった顔を綻ばせながら、カルラは歓喜の声を上げた。
「ちょっと運転手さん、カルラちゃんに変な嘘を教え込まないでよ!」
ヒトミがふくれっ面で抗議してきたが、んなこたぁ知ったこっちゃねえwww
それから俺は、二人と朝まで何度もヤリまくった。
やっぱさぁ、女を抱いてる最中は頭がカラッポになっていいね! これだよこれ! 生きてるって感じがしますねえ!
一通りの行為が終わった後、ヒトミがぽつりと言った。
「ねえ運転手さん、そういえばさぁ、あの剣が今日使えなかったって本当?」
「あの剣……アランサーのことか?」
「そうそう、それそれ。大丈夫なの? エリウちゃん、最近ずっと様子がおかしかったし……」
「あ? ずっとおかしかったって? どこが?」
「……え、まさか運転手さん、気付いてなかったの?」
諸々の報告とかもあるし、エリウとは毎日のように顔を合わせていたが、別段おかしな様子は――。
すると、ヒトミは詰るような眼つきで俺を見る。
「運転手さんってさぁ、ホント、女の首から下しか見てないよね!」
「あ? んなこたぁねえだろ、他にも、唇とか……結構反応見ながらヤってるんだぜ、俺は」
「エッチの時だけでしょ? 運転手さん、自分がスッキリしたら、ピロートークもなしにいつもすぐ寝ちゃうしさ。女心とか考えたことないでしょ?」
「い、いや、そりゃぁ……って、今はそういう話してるんじゃねえだろ。エリウがおかしかったのって、いつからだ?」
「え~と、いつだっけ……カルラ、覚えてる?」
ヒトミが尋ねると、カルラは得意げに答えた。
「うん、覚えてるよ! カムロヌムの街で、イリーナさんの作戦でゴーマ軍をやっつけた時からだったはず。その後、だんだん塞ぎ込むようになって……」
「カムロヌムで……って、それだいぶ前の話じゃねえか?」
「そだよ? だから、救世主さまはまだ気づいてないの? って、ヒトミが怒ってるわけよ」
カムロヌムでイーゴンの軍を退けたのはもう一月以上も前の話だ。それ以来ずっとエリウが変調を来していて、尚且つそれに気付かなかったとは……。
「お前ら、気付いてたんなら、どうして言ってくれなかったんだよ!」
ヒトミとカルラは顔を見合わせた。
「だって、そりゃあ、ねぇ……?」
「運転手さんとエリウちゃんで解決しなきゃいけないことだもの、それは」
「そうそう。あたしたちが口を出しても、エリウさんはきっと嬉しくないと思う。救世主さまじゃなきゃダメなんだよ」
と、頷き合うヒトミとカルラ。
「はぁ? どういう理屈だよ、それ。ワケわかんねぇ」
半ば投げやりになった俺に、ヒトミは諭すような口調で言った。
「運転手さん、まだわかんないの? エリウちゃんはさ、運転手さんのことが好きなんだって。特別な存在なんだよ。本気で好きだから、ずる賢い作戦なんか使わないで、真面目でカッコよくいて欲しいし、運転手さんにも自分のことを本気で愛して欲しい、お前しかいないんだって、ちゃんと言ってほしいんだよ」
「……!」
「エリウちゃんはあたし達よりずっとピュアだから、心の通わないセックスなんて苦痛でしかないと思うよ。運転手さんさ、もっとちゃんとエリウちゃんのこと考えてあげなよ。エリウちゃんがいなかったら、運転手さんだって、とっくの昔にゴーマ軍にやられちゃってたかもしれないんでしょ?」
エリウが、俺のことを、本気で……?
まさか。俺みたいなクズ野郎のことを、好きになる女なんているわけがねえじゃねえか。
大体、好きっていったい何なんだ? 恋愛感情なんて、性欲をオブラートに包んだだけの単なる幻想だろうが。
「とにかく、ちゃんとエリウちゃんと話し合うこと! それができなきゃ、私たちもおあずけだからね!」
「そうそう、おあずけおあずけ!」
出たよ、こいつら必殺の『おあずけ』。しかも今回は二人揃って。
こうして俺は、エリウと二人きりでじっくり話し合うことを約束させられたのだった。
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